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「檸檬堂」が後発参入でも成功したワケ

小さな会社のビジネスプロデューサー・弁理士のヤマダP(@sweetsbenrishi)です。

今日は、東洋経済オンラインのこの記事を深堀りしてみます。

この記事の内容を基に、コカ・コーラの「檸檬堂」が後発参入でも成功した理由を、主に商品企画の視点で分析してみます。


コカ・コーラ「檸檬堂」がまだ伸びる驚きの理由


ヤマダは完全無欠の下戸です。アルコール飲料については詳しくありません。でも、「檸檬堂」の話はよく聞くんですよね。

オンライン飲み会でも、「今日は『檸檬堂』です!」なんて嬉しそうにしている人を見かけましたし、知り合いのコンサルタントの先生は、「お店に『檸檬堂』がないと (´・ω・`)ショボーン ってなる」なんて言ってましたし(笑)

すごくファンが多い商品なんだなぁと感じていました。

コカ・コーラは自社ブランドでアルコール飲料を販売したことがなかった。「檸檬堂」が初のアルコール飲料。

でも、缶チューハイと言えば、サントリー「-196℃」、キリン「氷結」、TaKaRa「タカラcanチューハイ」等、ビールメーカーや酒造メーカーの牙城というイメージです。ここに後発で入っていくのは、なかなか厳しそうに思えます。

逆に言えば、コカ・コーラには戦略とそれに基づく勝算があったはず。この記事ではそれを分析してみようと思います。

▶「檸檬堂」が後発参入でも成功した理由①|商品ジャンルのチョイス

成功した理由の1つ目は、商品ジャンルのチョイスです。

チューハイ・サワーというジャンルに目をつけたのが良かったですね。

この記事には、

「チューハイは原料を混ぜ合わせてつくるので、ビールのような醸造技術がいらない。清涼飲料で培った果汁や炭酸の技術が使えた」

(日本コカ・コーラ 檸檬堂ブランドチーム統括 関口朋哉氏)

とあります。

アルコール飲料の中には、ビールのように醸造技術が味の決め手となる商品があります。ビールメーカーは長年、その技術を蓄積しています。ここに後発のコカ・コーラが勝つのは容易ではありません。

一方、チューハイは混ぜもの。ベースとなるお酒にフレーバーや炭酸を加えたアルコール飲料です。コカ・コーラが得意とする清涼飲料のノウハウをそのまま使うことができる。

チューハイ・サワーというジャンルは、コカ・コーラの強みを活かし、醸造技術の蓄積がないという後発の弱みを打ち消す絶妙なチョイスだったと言えます。

▶「檸檬堂」が後発参入でも成功した理由②|独自路線・一点突破

成功した理由の2つ目は、独自路線・一点突破です。

「檸檬堂」は競合と争わない姿勢をとっているように見えます。

● 価格: 他社競合品より30円程度高め
● フレーバー: レモンのみ
● ブランド名: 「檸檬堂」

ビールメーカーや酒造メーカーが価格競争をしている傍らで、味にこだわりたい人向けのちょっとだけ贅沢路線。

フレーバーの種類を増やすのではなく、人気のあるレモン1種に絞り、開発やマーケティングの人や資金を集中投下する。

ブランド名も「檸檬」を全面推し。

競合他社とは争わず、目玉商品1つに絞り込むという戦略が功を奏したように見えます。「うちは餃子とビールだけ」という専門特化したお店に人気があるのと似ています。

▶「檸檬堂」が後発参入でも成功した理由③|コカ・コーラのブランド力と地力

成功した理由の3つ目は、コカ・コーラのブランド力と地力です。

この記事には、

「各メディアも『あのコカ・コーラが酒類に参入する』と報じていたので、発売前から檸檬堂の認知度は上がっていた」

(酒文化研究所 山田聡昭氏)

とあります。

無名の企業が同じことをやってもここまで話題になったかどうか? ブランド力があるコカ・コーラだからこそ話題になったという側面はあるでしょうね。

あとはコカ・コーラのマーケティングの強さや販売網等、企業としての地力の強さもヒットの要因の一つと言えそうです。

▶今日のまとめ

では、今日のまとめです。

「檸檬堂」が後発参入でも成功した理由は、

● 商品ジャンルのチョイス(チューハイ・サワー)
● 独自路線・一点突破(価格、フレーバー、ブランド名)
● コカ・コーラのブランド力と企業としての地力

でした。

後発参入で勝つ秘訣は、先行企業にない強みがある商品ジャンルで勝負することです。

その商品分野での経験値では先行企業に負けてしまうわけですから、異分野で培った競合にはない強みを活かすことが大事なんです。

小説「下町ロケット」では、中小企業の佃製作所が様々な困難を乗り越え、ロケット、人工心臓弁、農業機械と新しい分野に次々に参入していきます。

この時にキーとなったのが、「バルブ」の技術でした。佃製作所は「バルブ」という強みがあったから、異分野に新規参入しても勝つことができたんです。

自社の独自技術・固有技術は何なのか? 今一度、棚卸ししてみてください!


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