見出し画像

乳幼児期の子どもとメディアのつきあい方について

先日、大池けいあい保育園で開催された「そうだったのか、子どもとメディアのつきあい方!メディアの影響と対策」の勉強会に参加しました。講師は、大池けいあい保育園園長であり、NPO法人子どもとメディア(乳幼児メディアアドバイザー)の辻広明先生です。

今回のnoteでは、勉強会で学んだことの一部を紹介したいと思います。


1.発達の話

・0歳:基本的信頼感

必要な体験▶「呼んだら来てくれる」。泣いて訴えたら不快を快にしてくれる。
→「私、生きてていいんだ!」の実感につながる。

不快を感じない子(紙おむつも良し悪し…)は、人の不快を感じない子に。
→メディアの影響を受けやすい。

・1歳:発見・感動・伝達・共感


必要な体験▶発見:探索行動/感動:心の動き~表現/伝達:指さし~ことば/共感:応答的関わり(毎日・毎回・何度も)
→子どもと歩きながらスマホみていると、子どものこれらの体験に応じることができない

・2歳:身体を通して周りの世界と関わる


必要な体験▶前庭覚:揺れる、回転、バランス、姿勢変化/固有受容覚:筋肉を使い押す、引く、持つ、ぶら下がる、振りまわす、たたく、蹴る、投げる、噛む
→これらの行動を妨げると、発散できずに違う場所でしたり、隠れてやったりする

WHOは、2019年に身体活動・睡眠について、1歳以下はTVやスマホなどの画面視聴は推奨しておらず、1~4歳は身体を使う遊びを1日に3時間以上、画面視聴は2歳以上でも1時間未満。

2.睡眠と脳力の話


・スクリーンタイムが1.5時間以上の子ども
→脳力が低くなる。睡眠の質が低下し、記憶力や学習力が低下する。
・6時に起きて、朝陽を浴びる。14時間後に眠くなる。=20時に寝かす。(または、20時に寝かしつける)
※大人は起床後16時間後に眠くなる。=22時就寝がおすすめ。

・休みの時間も同じ起床・就寝リズムにする。起きる時間が2.5時間ズレると時差ボケ=ダルおもになる。

・夜更かしの子は、性的成熟が早くなり、その結果、学業に支障をきたすこともある。

3.眼と視力の話


・0歳時期の生活が視力に影響する。ハイハイの体勢がよい。

・スマホ、スクリーン、スクールの「ス漬け」になってないか?!
→スマホは約束を決めて!/スクリーンは決めた番組のみ/スクール(習い事)は楽しい!やりたい!が続くものを。

・外遊びで眼球運動を。視力、視野、紫外線対応力が身につく。視力悪く、視界狭いと運転や生活の安全性に不安が…。

・下あごが未発達の子どもが増えている。大きな口でガブリ!ができない。
→唇と舌の力で視力もアップ!

4.メディアの影響の話


・子どもたちがおかしい
①    視線が合わない②落ち着きがない③話を聞けない④発語が遅い⑤抱きにくい

・大池けいあい保育園では、通園の車の中でのテレビ・DVD視聴を控えるように言っているという。テレビがブチッと消えて子どもが不機嫌のまま登園するのはよくない。それよりも、車の中では会話をしよう!

・言葉が気になる子がいたときに「試しにTV,DVDをシャットアウトしてみませんか」という人がいるかどうか?がその子の一生を変える。

・メディア依存の子の特徴
→表現が苦手/コミュニケーションが苦手/家族との関係が希薄

◎今日からできること


①子どもの自己表現を楽しんで共有しよう
→たくさんの「いいね」を!
見て、聞いて、喜ぶ。安心して失敗できる環境を!
②    子どもといっぱいおしゃべりをしよう
→犬のように聞いて、喜ぶ努力を!(尋問しない)
子ども以上にしゃべらない。
③    家族で一緒にできる活動や楽しみを持ち、楽しい時間やワクワクな気持ちを共有しよう

◎こころに残してほしいこと


・メディアは道具。便利だけど、車と同じで事故も起きるし、ケガもする。車には免許が必要だけど、スマホは免許なし…。
→大事な子どもを守るために、スマホを持たせる前に必要な資質と関係を大切に育てましょう。

感想

私たちの日常生活にあるスマホやスクリーンは、子どもによくないと分かっていながらもついつい見せてしまうことが多いとおもいます。今回の勉強会に参加して、子どもの発達に悪影響を及ぼしていると漠然と感じていたものが、確かな知識を身につけたことで「スマホはダメ!」と力強くいえるようになりました。
しかし、明るく元気でエネルギッシュな辻先生の話を聞いていると、子どもに「スマホはダメ!」というよりも、「一緒に公園にいこう!」「山登りしよう!」と誘いたくなり、たくさんおしゃべりしたくなっちゃいます。
先生の言葉で印象に残っていることは、「体がしっかりしている子は、目力があり、声もしっかり出せて、自信をもっている。そんな子は“気が上がる”ので、人気者になる。こんな子どもたちに未来を託したいとおもいませんか?」。
子どもとの関わりを楽しくするためにも、“ス漬け”になっていないか振り返り、子どもとたくさん体を動かし、話をたくさん聴いていきたいですね!

子育てに役立つおすすめ講座!

大池けいあい保育園では、様々な講座を開催しています。
次回は、6月24日(土)10時より、子どもNPOセンター福岡代表理事特定非営利法人にじいろCAP代表理事の重永侑紀さんによる「子どもと楽に育ちあっていくためのスキル~しつけ編~」があるそうです。
参加希望の方は、大池けいあい保育園にお申込みください。

辻 広明先生おすすめの本

▼『機微を見つめる―心の保育入門』山田 真理子著

▼『16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える 「賢い子」に育てる究極のコツ』瀧 靖之著

▼『発達障害の子どもを伸ばすビジョントレーニング』小松 佳弘著

おまけ


大池けいあい保育園には、子どもの発達を促すしかけがたくさんあります。あえてつくった和式トイレ、ホールにはロープの他に、うんていもあるそうです!
このロープにひゅ~っとターザンのように飛び乗っている方が辻先生です!
ロープと発達の関係を教えてくださいました。足をかけてとぶ/ロープを股に挟んでとぶ…で、体の特徴がわかるそうです。

ひゅ~っと飛び乗るカッコイイ辻先生!
弊社豊福も挑戦!

お問い合わせ先

ソーシャルワーク福岡では、保育ソーシャルワークの無料体験を4月末まで受け付けています。
無料体験では、保育ソーシャルワーカーが具体的にどんな支援をするのか、報告書がどんなものか等を知っていただく機会になればと思っています。

ソーシャルワーク福岡や保育ソーシャルワークについて、詳しく聞きたい方は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。

ソーシャルワーク福岡:info@sw-f.jp

この記事が参加している募集

イベントレポ