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黒い魔術は死を喰らう
行灯がぼんやりと、だが、決して暗すぎない光で、地下街を照らす。ここは東京のはるか地下深く。有象無象の魔術の品が集う、魔術師たちの取引所だ。
赤いローブを羽織った一人の女魔術師が、1軒の屋台の前で足を止める。屋台には、黒く干からびた指の長さくらいの棒きれが、ずらりと並んでいる。
「30年モノが1本欲しい」
女魔術師アカネコは、手慣れた様子で品を求める。
「30年モノなら、ここらへんがどうかね」
AIがバンブーエルフを理解した記念とくべつ読み切り【痛快ファンタジー活劇 ご存知!エルフ三人娘~元祖vs本家!?ポテサラ農場の決闘!!~】
※挿絵はすべてAIに描いてもらいました
「畑が見えてきたってことは、そろそろ町につくな」
街道を歩く三人のエルフ達。先頭を歩くのは、バンブーアーマーに身を包み、胸にサラシを巻いた、バンブーエルフのメンマだ。
「そうだねー」
呑気にニコニコ歩くのは、簡素な貫頭衣を着た、金髪のクソバカエルフ、ハカセ。クソバカエルフなんて種族名だが、"森の賢者"の異名を持つ、ずば抜けた知能の持ち主だ。
「ここらへ
終わった世界の釣り人あかねちゃん:あらずじ(ジャンププラス原作大賞応募作)
遠い遠い昔、世界は終わり、それから長い長い時間がたちました。生き残った人間たちは、ほそぼそと命をつなげ、今となっては、それなりに平和な世界ができました。あかねちゃんは、そんな世界の小さな島に暮らす、女の子です。
絵本のように穏やかな、終わった世界の物語。
終わった世界の釣り人あかねちゃん(ジャンププラス原作大賞応募作)
空が青い夏の日、青い空、入道雲が海の向こうに見えます。耳を澄ませば、波の音が聞こえてきます。ここは小さな島の街。遠い遠い昔は、名前があった島でした(※現代の沖縄のどこかの島)。
遠い遠い昔、空からとても強い光が降り注ぎ、世界は終わりました。衛星砲というとても恐ろしい兵器がたった一度動いただけで、世界は終わってしまったのです。
それから長い長い時間がたちました。生き残った人間たちはほそぼそ
ケツ割り箸魔法少女装少年セイントヒップあらすじ(ジャンププラス原作大賞応募作)
割下右膳(わりした うぜん)は運動がまるで苦手な中学一年生の男の子。
ある日、ひょんなことからケツ割り箸に挑戦したらみごと成功!
しかも、折った割り箸からヌイグルミみたいなマスコットが現れてこう言ったのだ!
「お願いだプリ!魔法少女になって、悪霊に取りつかれた人たちを助けて欲しいプリ!」
悪霊に取りつかれた人たちを助けるためには、悪霊が宿る割り箸を聖ケツで折らなければならない!
さあ、割り箸を割っ
ケツ割り箸魔法少女装少年セイントヒップ第3話(ジャンププラス原作大賞応募作)
※線は場面の切り替わり
割下(わりした)たちは、課外授業で動物園にやってきてた。
「はーい!それじゃあお昼まで自由行動です。事前に決めた二人組で、しっかり動物観察をしましょう。12時になったら、この芝生広場に戻ってくること。いいですね?」
「はーい!」
先生の声にクラスのみんなが元気に答えると、それぞれ二人組になって散らばっていく。
(今日も割り箸持ってきてるプリ?)
割下(わりした)の心の中
ケツ割り箸魔法少女装少年セイントヒップ第2話(ジャンププラス原作大賞応募作)
※線は場面の切り替わり
「「「「いただきます!」」」」
夜の割下家。右膳(うぜん)と姉、そして両親の四人がテーブルを囲む。
「右膳、箸使うでしょ。はい」
「うん」
右膳は割り箸を割ろうとして、ハッと思い出す!
(割り箸を追ってオイラを開放したキミは、割り箸を割ることで魔法少女になれるプリ)
「今日は僕も手で食べるよ!」
「あら?そう?」
(あ、危なかった……。割り箸には気をつけないと)
右
ケツ割り箸魔法少女装少年セイントヒップ第1話(ジャンププラス原作大賞応募作)
※線は場面の切り替わり
「次、割下(わりした)!」
呼ばれた少年は立ち上がり、目の前の難関、跳び箱5段を睨む。中学1年生にしてはちょっと低い段数だが、彼にとっては脅威のカベだ。
ピッ!体育の先生が笛を吹く。勢い良く走り出し、勢い良く板を踏み、飛び上がり!……飛び箱の上に着地した。
「うーん、もうちょっとだったな。もっと思い切っていけば大丈夫さ!」
先生は励ます。だが、割下は自信なさそうに答え
深夜の公園でカップラーメンを食べる
夏から秋へと、季節移り変わるある夜。家でひとしきり酒を飲んだ俺は、そろそろオニギリでも食べてシメようかと冷凍庫を開いた。だが、そこにあると思っていた冷凍のご飯がない。
さて困った。今から米を炊く訳にはいかないし、かと言って他に買い置きもない。どうしたもんかと一瞬考慮したが、すぐに、コンビニで買えばよいのだと思い返す。
財布を持って、それじゃあカップラーメンでも買ってくるかと家を出ると、思いの外