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大豊娘娘杯がネタ大会だと思ったら意外と奥深くて面白かった


大豊娘娘杯とは?

大豊娘娘杯は、2023年11月25日に開催された、「最強の大豊娘娘」を決める、アーマードコア6のパーツ縛り非公式トーナメント大会だ。

開催前日に大会の存在を知った雀botは「あまり対人戦やってなくても、パーツ縛りのエンジョイ大会なら多少は勝負になるのでは?」と思い、参加してみることにした。

大豊娘娘杯で使用可能なパーツ

使用パーツの縛りは以下の通り。

  • 武器:大豊製品とベイラム製品のみ(同名武器は1つまで)

  • フレーム:大豊製品のみ

  • FCS:ベイラム製品のみ

  • ジェネレーター:大豊製品のみ

  • その他は自由

使用できるパーツはAC6全体から見ればかなり少なく、フレームに至っては実質腕2択という狭さである。開催前は重い機体からバズーカ無双となると予想されていたようだが、その予想は良い意味で裏切られることとなった。

どんなアセンが現れたのか?

大会前日の2023年11月24日、参加者が集まり練習試合が行われた。まず現れたのは、豊富な実弾武器を両手に持った機体だ。

大豊娘娘タイプ1:二丁娘娘

大豊娘娘杯では、同一名称の武器を2つ持つことは禁止されているが、同一系統の異なる武器なら問題ないため、ハンドガンやショットガンの二丁持ちが可能となっている。
このタイプは肩武器に様々なタイプがあり、当てやすい拡散バズーカ、スタッガーを取りやすくする太陽盾、スタッガー時に当てるハンドバズーカなど幅広い。中には、肩も含めて四丁でひたすら打ち続けるタイプもあった。

実弾武器による中距離戦がメインになるかと思われた大豊娘娘杯。しかし、猛威を振るったのは全く別の機体だった。

大豊娘娘タイプ2:杭打パイル娘娘

今回の縛りで唯一のまともな近接武器であるパイルバンカーを主軸とした娘娘。ショットガンやバズーカを、あくまでもスタッガーを取るための手段として使い、貪欲に接近してパイルバンカーを狙っていく。
大豊フレーム自体が重めで動きが鈍く、しかも頭パーツの姿勢安定性が絶望的に低いので、頑丈さの割にはスタッガーしやすい。そのため、パイルバンカーが比較的当たりやすい環境なのだ(とはいえ使い慣れていないとそうそう当たるものではないのだが)。

パイルバンカーやショットガンといった極接近戦が繰り広げられる中、新たな可能性を見せたのはガトリングガンだ。

大豊娘娘タイプ3:弾幕娘娘

マシンガン二丁では火力が足りないが、マシンガンとガトリングガンなら火力は足りる。さらに実弾オービットも使ってとにかく弾幕を切らさずに攻める機体だ。
ガトリングガンはオーバーヒートに気をつければリロード不要で打ち続けられるため圧力が高く、相手は避けきれず確実に削られていく。

さらに、練習試合で猛威を振るったのは重量機体だけではなかった。「大豊は重い」という常識を覆す機体が現れたのだ。

大豊娘娘タイプ4:爆撃娘娘(別名:天女娘娘)

まさかの飛行型娘娘である。AC6は二脚がバズーカやグレネードを撃つと、あらゆる慣性を無視して機体が止まる。それは空中で発射したときも同じで、不思議な力によって高度も維持される。
また、大豊ジェネレーターは全ジェネレーター最大のEN容量を持つため、肩バズーカも含めると、QBを節約すればかなりの長時間浮遊が可能になる。BQしないとミサイル回避は難しいが、大豊娘娘杯はミサイル不在なので心配無用。大豊娘娘杯ならではのアセンだ。

さらに、「大豊は重い」という常識を覆したのは、飛行機体だけではなかった。

大豊娘娘タイプ5:高速娘娘

大豊娘娘が遅くなる主な要因は、バズーカやグレネードなどの重武装にもある。それらを取っ払い、あえて武装を絞り込むことで、大豊フレームとは思えない速度が出る。
突き詰めると最小ジェネレーターでも動けるため、バズーカやグレネードをかいくぐってハンドガンや軽ショットガンでスタッガーを取り、太陽守をぶち当てるなどの動きが十分可能だ。

他にも、上記の複合型や、リニアライフルを主力とする機体、パンチやキックを主体とした機体(!?)なども存在した。「このアセン一強」という状況にならず、なかなかおもしろい環境となり、大会本番でも個性豊かな大豊娘娘が勢ぞろいした。

パーツ考察

ここからは、大豊娘娘杯の使用可能パーツについて色々と考えたことを書いておく。大豊娘娘杯はすでに終わった大会だが、このレギュレーションはまた次回があってもよいのではと思うくらい面白かったので、次回に向けての備忘録でもある。

パーツ考察:フレーム

フレームの考察と言っても、大豊娘娘杯には「細い腕(DF-AR-08 TIAN-QIANG)」か「太い腕(DF-AR-09 TIAN-LAO)」の二択しかない。ただでさえ重いフレームのことを考えると、基本的にTIAN-QIANG一択に見えるが、TIAN-LAOを選択する価値もある。

TIAN-LAOは、TIAN-QIANGと比較するとAPが590高く、耐弾防御は45高く、耐爆防御は26高い。これにより、同火力での打ち合いになったときに耐久力の差で押し勝つという手が打てるようになる。
どれだけ耐久力が上がるかというと、実弾武器なら総攻撃力約2045分、爆発武器なら総攻撃力約1574分の攻撃を耐えられるようになる。
具体的には、実弾武器の場合、重アサルトライフル(RF-025 SCUDDER)なら15発、ガトリングガン(DF-GA-08 HU-BEN)なら81発耐えられる。爆発武器の場合、大豊娘娘杯最大火力の大豊グレネード(DF-GR-07 GOU-CHEN)も1発は耐えられる。
※上記の計算は多分合ってると思いますが、間違っていたらご指摘ください。

また、EN不可もTIAN-LAOのほうが21低く、武装次第ではジェネレーターの選択肢が増える。他には、腕部積載上限はIAN-LAOのほうが2300少なく、反動制御も10少ないが、大豊娘娘杯レギュレーションであれば問題になることは少ない。

ただし、TIAN-LAOは重量が6720重く、速度への影響は無視できない。武器を山積みした場合、ほとんどのブースターのQBリロード保証重量を超えてしまう。

耐久力を取るか速度を取るか、腕の選択は地味ながら大きな特徴が出る。

パーツ考察:近接武器

近接武器はパイルバンカーと太陽盾があり、どちらも癖のある武器だ。

パイルバンカーを使用する場合、兎にも角にもパイルバンカーメインの構成になるため、接近必須となる。当てれば大きいが、操縦の腕が必要だ。

一方、太陽盾は射程が125mもあり、実はハンドガンなどの性能保証射程より長い。そのため、中距離を維持しつつ迎撃に使ったり、スタッガーへの追い打ちにしたりと、使い勝手の幅が広い。

どちらの武器も活躍するアセンは多いが、両方とも近接武器の中ではかなり重い部類に入るため、あえて近接武器を積まずに速度を求める選択肢もある。

パーツ考察:腕部実弾武器

大豊娘娘杯では実弾武器の幅が広い。ハンドガン、マシンガン、ショットガン、ライフル、リニアライフルがそれぞれ2種類あるため、疑似二丁が可能だ。また、弾切れの心配がないガトリングガンもあり、組み合わせは膨大になる。

ハンドガン、マシンガン、ガトリングガンはそれだけだと火力が足りないため、スタッガーを取ったときの大ダメージ武器も積みたいところ。

ショットガン、ライフル、リニアライフルは牽制にも主力にも使えるため、どの武器をメインにするか考える必要がある。

パーツ考察:腕部爆発武器

爆発武器はバズーカ(DF-BA-06 XUAN-GE)とグレネード(DF-GR-07 GOU-CHEN)があり、どちらも一撃が大きい。ただし、使い勝手は大きく異なる。

バズーカは直撃しなくても相手の近くで爆発するという性質があり、大豊フレームの速度に対しては思った以上によく当たる。また、リロード時間が3.4秒と比較的短く、衝撃蓄積とスタッガー追い打ちの両方で使える取り回しの良さがある。また、爆撃娘娘を撃ち落とすという使い方もできるため、上空に逃げられたら打つ手がなくなる機体の場合は持っておくと良さそう。

一方グレネードは、最大射程まで飛ぶと爆発するという性質が、一応あるにはあるが、大豊グレネードはなんと射程が625mもあるため、対人戦では直撃前提の運用(もしくは空中から地面に当てて爆風に巻き込む運用)となる。リロード時間も5.9秒と長く、バズーカのように気軽に撃つことはできない。しかし、威力はバズーカの1.6倍なので、当てれば非常に大きい。

パーツ考察:肩武器

肩武器は拡散バズーカ(SB-033M MORLEY)と実弾オービット(BO-044 HUXLEY)の2つのみ。両方とも癖が強い武器なので、持ち替え用の腕武器を積む選択や、あえて肩を開けて重量を軽くするという選択も十分にある。

拡散バズーカは文字通り拡散するので、意外と当たりやすい。爆撃娘娘のメイン武器の一つであり、同時に、爆撃娘娘を撃ち落とす武器の一つでもある。近づかれたときの迎撃に使えないことはないが、撃った後に棒立ちになってしまうため、外すと致命的な反撃を受けるリスクもある。

実弾オービットは近中距離の追加火力&衝撃蓄積として使いやすい。ただし、起動時間10秒でオーバーヒートし、オーバーヒート後の冷却時間が14秒とかなり長めなので、起動タイミングは見計らう必要がある。

パーツ考察:FCS

FCSは近距離型(FC-006 ABBOT)と近中距離型(FC-008 TALBOT)があるが、基本的には近中距離型を選択することになると思われる。

とはいえ、近距離型は重量が50軽く、EN負荷が36低いため、高速機体や極接近機体ならば、近距離型を積むという選択肢は十分ある。

パーツ考察:ジェネレーター

大豊ジェネレーターは、霊台(DF-GN-02 LING-TAI)、明堂(DF-GN-06 MING-TANG)、三台(DF-GN-08 SAN-TAI)の三種類で、それぞれ能力差が大きい。

霊台はかなり癖が強いジェネレーターで、NE容量が全ジェネレーター最低の2000しかなく、すぐにEN切れになる。また、EN出力も全ジェネレーター最低のため、エネルギー武器が無い大豊娘娘杯でもEN不足になることが多い。このため、搭載武器を絞った高速機体くらいしか選択できないが、重量が3860とかなり低いため、霊台を積んだ機体は大豊娘娘杯で圧倒的な速度を得る。

明堂は大豊ジェネレーターの中で最もバランスが良い。最初にこれを積んでみて、他のジェネレーターに変えるか考えるのが良さそう。

三台は全ジェネレーター最大のNE容量4420を誇り、爆撃娘娘で飛行する場合や、ABを多用して接近離脱を繰り返す機体を組む場合に頼もしい。しかし、重量が10060とかなり重いため、速度低下は免れない。

パーツ考察:ブースター

ブースターは制限がないため、自由に選択ができる。これについては個々の好みによる部分が大きいので、色々試して自分にあったブースターを選択することになる。

雀botの機体紹介

練習試合を経て、様々なアセンを試し、アリーナでミシガンやヴォルタなどを相手に練習を繰り返した結果、たどり着いた機体がこれだ。

はじめて本格的にデカール触った

最初期の大豊娘娘イラスト(下記ポスト)にヒントを得た、赤チャイナ服黒ソックス銀髪ツインテール機体「Silver Twin Tails」。アセンブル30分、大豊エンブレム作成1時間、デカール作成2時間の大作である。

一見するとネタ機体だが、一応まともに戦えるアセンになっている。

バズーカとグレネードでツインテールを表現

基本の戦い方は、ガトリングガンを打ちながら近づき、太陽盾でスタッガーを取って大豊バズーカでAPを削るという戦法になる。太陽盾と大豊バズーカは撃ったらすぐに持ち替えることで、リロード時間をあまり気にせずに左手武器を撃つことができる。
また、左手武器を小刻みに撃つことで、自然とガトリングガン連射が止まり、オーバーヒートを意識しなくてもよい仕組みになっている。
相手がスタッガーしたとき、もしも左手武器が両方ともリロード中の場合でも、右手の大豊グレネードをぶっ放せるため、チャンスを逃さない。

欠点として、全武器を大豊製品にした結果、あまりにも重量が重くなり、飛行性能は壊滅的に低い。そのため、グレネードを撃つとき以外は地に足をつけて戦うことが前提となる。

(実は、練習試合で唯一勝ち星を上げたアサルトライフル二丁娘娘を出そうとも思ったのだが、一回戦を勝てる自信がなかったので、インパクト一発出オチ枠としてこちらを採用)

結果は様相通り、一回戦0-2の完敗だったが、出したい機体を披露できたので個人的には満足。
ついでにおまけのチーム戦でアサルトライフル二丁娘娘も出せたので大満足。

大会の様子はこちらから(雀botの試合は1:23:30あたりから、おまけのチーム戦での別機体登場は3:44:40あたりから)

おわりに

AC6の対人戦大会は初めて参加したが、練習試合からとても良い雰囲気で楽しめた。使用パーツが制限されることで、普段はあまり使わないパーツを見直すよい機会となり、アセンも楽しかった。大豊娘娘杯だけとは言わず、次もなにか変速アセン大会があったら、参加したいと思った。

おまけ

雀botの大豊娘娘機体と、「大」「豊」漢字エンブレムの共有IDを公開しています。ご自由にお持ち帰りください。

おまけのおまけに


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