AIの考えたドブヶ丘の非実在バンド「ドブノイズ」が最高すぎたので、AIの力を借りて作曲した
0.概要
AIに架空のバンドを考えてもらったら最高すぎたが、当然架空のバンドなので音源があるわけもなく、だったら作ってしまおうということで勢いで一曲作った。
1.事の起こり
いつものようにBingAIでいろいろ試しているなかで、ドブヶ丘に存在するバンドを考えてみたくなった。しかし、音楽系の知識が乏しくいい案が思いつかなかったので、いっそのこと、存在からAIに出力してみてもらうことにした。
※ドブヶ丘については以下
2.ドブヶ丘を再認識してもらう
早速BingAI(会話スタイルは「より創造的に」)のお世話になるわけだが、いきなり「ドブヶ丘のバンドを考えてください」と指示を出すと、そもそもドブヶ丘を理解してもらえない可能性がある。そのため、最初は「ドブヶ丘について説明してください」などと質問し、BingAIにドブヶ丘を再認識してもらう。この回答は毎回変わるので、それっぽいのが出たなと思ったら、いよいよバンドを考えてもらう。
3.ドブヶ丘のバンドを考えてもらう
シンプルに「ドブヶ丘に存在するバンドを考えてください」だけでもよいのだが、多少なりともイメージはあったので、それらの要素を付けて指示を出す。
最高すぎる。
「メンバーのうち、1名は人間ではない」という指示に対して、人間ではないメンバーが2人もいるし、ボーカルが人間言葉を話せない。そして、人間のメンバーもやばい。
最高すぎる。
4.楽曲も考えてもらう
バンドイメージが最高すぎるので、続けて楽曲も考えてもらうために、シンプルな指示を出す。
この時点でもう味があるが、さらに深掘りしてみる。
音楽ジャンル=バンド名。最高すぎる。しかし、非常に残念なことに、音源は存在しないのだ。……こんなことが許されて良いのか?こんな最高のバンドの音源が存在しないという事実が。
……無いならば、作るしか無い。
5.曲の内容を考えてもらう
作るしか無いとはいえ、作曲経験すらろくに無い状態でゼロから一曲を作り上げるのは困難を極める。
実は、過去に3回ほど、BingAIとやり取りして歌詞やメロディを考えてもらったことがあるが、そのときは事前に歌詞が決まっており、楽器はピアノのみで、メロディとコード進行をAIがすべて出してくれたので、比較的楽に作ることができた。
1曲目:無立いない中学校校歌
2曲目:ドブヶ丘商店街のテーマ
3曲目:ドブヶ丘中学校校歌
今回は歌詞が決まっていないので、それもAIに考えてもらう。また、楽器がギター、ベース、ドラムなので、それらの演奏内容も考えてもらう必要がある。となると、曲を作るためには、以下の要素が必要であると整理できる。
・歌詞
・メロディ
・コード
・楽器の音色
・ドラムパターン
・その他(効果音など)
結構な数があるが、一つ一つ順番にやっていく。まずは作詞から指示を出す。
パワフルな歌詞が出力された。繰り返しが多い点も、打ち込みでコピペが使えるのでありがたい。
続いてメロディを出力してもらう。
ちょっと困ったことになった。別のやり取りではアルファベット形式でメロディを出力してくれたのだが、今回は全体的なイメージしか出してくれなかった。なので、コード進行と合わせてメロディを再度出力してもらう試みに出た。
だいぶ困ったことになった。まず、「CmはC-Eb-Gb-Bb-D-F-Abという9音の和音」と出力されたが、どう数えても7音しかない。ここはもう諦めて7音の和音とする。
次に、「FmとBbも同様に変化させています」と出力されたが、同様に変化させる方法がわからない。CmとGmがどういった法則で変化しているのかわからないため、これは追加質問する。
そして、肝心のメロディがざっくりとした出力となった。もはやこれ以上はAIに具体的な出力を期待するのが難しいので、自身のセンスで何とかするしか無い。非常に困った。だが、やるしかない。
とりあえず、コードFmとBbの詳細がわからないと先に進めないので、出力してもらう。
というわけで、この曲のコードは以下の通りとなった。
Cm(C-Eb-Gb-Bb-D-F-Ab)
Gm(G-Bb-Db-E-Gb-A-C)
Fm(F-Ab-Cb-Eb-Gb-Bb-Db)
Bb(Bb-D-F-Ab-C-E-G)
全コード7和音なので、7弦楽器が必要になる……。ギターって6弦じゃなかったっけ?ベースに至っては4弦だった気がするが、ドブノイズは楽器も全部自作なので、7弦ギターと7弦ベースだったとしても問題ない。ということにした。楽器のことは詳しくないが、弦を増やすことは不可能ではないだろう。
こうして最低限の材料は揃った。
・歌詞…AI出力
・メロディ…原案はAI出力、詳細は考える必要あり
・コード…AI出力
・楽器の音色…後でそれっぽい音源を探す
・ドラムパターン…「ドラムの犬が猛烈に叩きまくる」から考える
・その他(効果音など)…AI出力(爆発音とサイレン)
6.バンドのイメージをふくらませる
作曲に入る前に、更にイメージを膨らませていくために、いくつかAIと遣り取りをした。
7.イラストを描いてもらう
BingAIにはイラストを描いてもらうこともできるので、イラストも描いてもらう。ただし、指示は調整する必要があるので、色々と試しながら調整していった。そして出力されたのが、以下だ。
【ボーカル:ゴミ袋】
【ギター:魂売り】
【ベース:緑髪】
【ドラム:犬】
全員集合
最高すぎる。ここまででAIとのやり取りは終りとなり、ここからは人の手で作曲していくことになる。
8.作曲する
作曲作業は手探りで行ったため、混乱を極めた。
8.1.音源用意
基本的なツールとしては「Cakewalk by BandLab」と「VoiSona」をインストール済みのため、ここにギターとベースとドラムの音源を追加していく。いろいろ調べて、無料で使える以下のプラグインをインストールした。
・Standard Guitar
・Standard Bass
・MT Power Drum Kit 2
インストール方法は以下を参考にした。
インストールして音を鳴らしてみたところ、ギターとベースの音が安っぽく、なんか変だなと思って調べたら、アンプを繋いでいなかった。エレキギターとエレキベースは、アンプに繋がないとギュワオーンみたいな音が出ない。いろいろ調べて、以下を参考にいくつかのアンプ設定を試して調整した。
8.2.とりあえずコードを打ち込んでみる
導入した音源で、とりあえず以下のコードを入力し、音を鳴らしてみた。
Cm(C-Eb-Gb-Bb-D-F-Ab)
Gm(G-Bb-Db-E-Gb-A-C)
Fm(F-Ab-Cb-Eb-Gb-Bb-Db)
Bb(Bb-D-F-Ab-C-E-G)
すべてが不協和音ですごい。長時間聞いていたら体調が悪くなるかもしれないと感じたくらいの凄まじいノイズだが、同時にドブヶ丘らしさを感じられた。この音なら行けるという、根拠のない自信が溢れ出した。
8.3.リズムを考える
ドブノイズの曲はほぼ全てが変調子ということなので、変調子のリズムを先に考えて、そこにメロディを乗せるという方法にすることにした……。変調子の曲ってどうやって作るんだ?こちとら作曲ド素人なので、4/4拍子の曲ですら作ったことがないのだ。しかし、いい方法も思いつかないので、「ドブヶ丘の夜はいつも爆発する」という歌詞から、強引にリズムを作ることにした。
「ドブヶ丘の夜はいつも爆発する」を一旦ひらがなに置き換え、「どぶがおかのよるはいつもばくはつする」とする。これをなんかいい感じに区切ると、以下のようになった。
|どぶが|おかの|よるは|いつも|ばくはつ|する|
もうこのままでいいのではと思い、3/8→3/8→3/8→3/8→4/8→2/8拍子ということにした。……これで変調子になっているよな?という不安はあったが、とにかく、拙くても曲を完成させたかったので、押し切ることにした。
ここで問題になったのが、コードは4つを繰り返すという点だ。コードを繰り返すためには、歌詞ひとかたまりを、4つか8つに分けなければならない。現状だと6つに分けられているので、コードが溢れる。
溢れるなら、詰め込めば良いのだ。ついでに、完全に忘れていた息継ぎポイントの休符も入れ、最終的には以下のようになった。
|ど/ぶ/が|お/か/の|よ/る/は|い/つ/も|ば/く|は/つ|す/る| / |
最後の休符も含めて、3/8→3/8→3/8→3/8→2/8→2/8→2/8→2/8拍子となり、コードが2週する。
ここまできたら、あとはこれをベースにすべての歌詞にリズムを割り振っていく。
|ど/ぶ/が|お/か/の|よ/る/は|い/つ/も|ば/く|は/つ|す/る| / |
(3/8→3/8→3/8→3/8→2/8→2/8→2/8→2/8拍子)
|が/す/か|ん/が|は/れ/つ|し/た/り|こ/う/じょ/う/が|え/ん/じょ/う|し/た/り| / / |
(3/8→2/8→3/8→3/8→5/8→4/8→3/8→3/8拍子)
|ど/ぶ/が|お/か/の|よ/る/は|い/つ/も|ば/く|は/つ|す/る| / |
(3/8→3/8→3/8→3/8→2/8→2/8→2/8→2/8拍子)
|く/る/ま|が/しょ|う/と/つ|し/た/り|は/な/び/が/ |ぼ/う/は/つ|し/た/り| / / |
(3/8→2/8→3/8→3/8→5/8→4/8→3/8→3/8拍子)
|ど/ぶ/が|お/か/の|よ/る/は|い/つ/も|ば/く|は/つ|す/る| / |
|だ/け/ど|そ/れ/が|お/れ/た|ち/の/い|き/る|あ/か|し/だ| / |
|ど/ぶ/が|お/か/の|よ/る/は|い/つ/も|ば/く|は/つ|す/る| / |
|だ/け/ど|そ/れ/が|お/れ/た|ち/の/あ|い/す|る/お|と/だ| / |
(3/8→3/8→3/8→3/8→2/8→2/8→2/8→2/8拍子)×4
|ど/ぶ/が|お/か/の|よ/る/は|い/つ/も|ば/く|は/つ|す|る|
|ど/ぶ/が|お/か/の|よ/る/は|い/つ/も|ば/く|は/つ|す|る|
|ど/ぶ/が|お/か/の|よ/る/は|い/つ/も|ば/く|は/つ|す|る|
|ど/ぶ/が|お/か/の|よ/る/は|い/つ/も|ば/く|は/つ|す|る|
(3/8→3/8→3/8→3/8→2/8→2/8→1/8→1/8拍子)×4
最後はスピード感を出したかったので、休符無しとした。一見すると無茶苦茶だが、歌詞ひとかたまりが休符も含めて8つに分解されているので、4つのコードを繰り返せるようになっている。リズムは無茶苦茶であるが、ここまで来ると、もはやどんな無茶苦茶になっても、ドブヶ丘らしさになってくる。
ついでにイントロも合わせて考えた。ここはシンプルに「各コードをベースで7連打しながら、ギターで音階を上がっていく」7/8拍子×4とし、さらに演奏開始の合図として「ドラムで7回リズムを取る」7/8拍子×1を追加した。
8.4.メロディを考える
リズムができたので、次はメロディを考える。今回は、ここが一番難しかった。なにせ、AIが出してくれた情報が以下しかないのだ。
幸いなことに、使う音は決まっているので、色々なパターンを試してみて、それっぽくなるように調整していく。
あとは自分の感覚に従って、各歌詞で使用するコードを以下のように割り当て、そのコードの7音でいい感じになるように、音階を割り振っていく。
Cm|ど/ぶ/が|お/か/の|よ/る/は|い/つ/も|ば/く|は/つ|す/る| / |
Gm|が/す/か|ん/が|は/れ/つ|し/た/り|こ/う/じょ/う/が|え/ん/じょ/う|し/た/り| / / |
Cm|ど/ぶ/が|お/か/の|よ/る/は|い/つ/も|ば/く|は/つ|す/る| / |
Gm|く/る/ま|が/しょ|う/と/つ|し/た/り|は/な/び/が/ |ぼ/う/は/つ|し/た/り| / / |
Cm|ど/ぶ/が|お/か/の|よ/る/は|い/つ/も|ば/く|は/つ|す/る| / |
Bb|だ/け/ど|そ/れ/が|お/れ/た|ち/の/い|き/る|あ/か|し/だ| / |
Cm|ど/ぶ/が|お/か/の|よ/る/は|い/つ/も|ば/く|は/つ|す/る| / |
Bb|だ/け/ど|そ/れ/が|お/れ/た|ち/の/あ|い/す|る/お|と/だ| / |
Cm|ど/ぶ/が|お/か/の|よ/る/は|い/つ/も|ば/く|は/つ|す|る|
Gm|ど/ぶ/が|お/か/の|よ/る/は|い/つ/も|ば/く|は/つ|す|る|
Fm|ど/ぶ/が|お/か/の|よ/る/は|い/つ/も|ば/く|は/つ|す|る|
Bb|ど/ぶ/が|お/か/の|よ/る/は|い/つ/も|ば/く|は/つ|す|る|
メロディが決まったので、次はドラムとかだ。
8.5.ドラムとかを考える
ドラムに関しては、今回は「ドラムの犬が猛烈に叩きまくる」というヒントしかないので、ドラムマニアのプレイ経験から、それっぽいやつを作っていく。基本方針は以下のようにした。
・各小節の最初にハイハットを叩く
・全拍子でスネア、ハイタム、ロータムのどれかを叩く
・バスはなんかいい感じに叩く
・2/8拍子と1/8拍子では、スネアとバスとシンバルを叩きまくる
最後は効果音だが、爆発音とサイレンと犬の鳴き声を、以下からダウンロードして使用した。
爆発音は「爆発する」の歌詞に合わせて配置し、それを追いかけるようにサイレンを配置した。犬の鳴き声はAIの指示には無かったが、せっかくバンドメンバーに犬がいるので、イントロに追加した。
これでひとまず、曲は完成だ。
9.動画にする
ツイッターに投稿する上で、音源のままでは不可能なので、動画にする。ついでに、歌詞とメロディと各楽器のコードなどを載せたかったが、情報量が多くて収まらなかったので、ボーカル有りとボーカル無しの2バージョンを作り、情報を分割した。
動画編集には「ゆっくりMovieMaker4」を使用した。
ゆっくりMovieMaker4は、文字通りゆっくり解説動画の作成に特化した編集ソフトで、テキスト表示と読み上げの機能が手厚い。今回はテキストを紙芝居のように移していく動画になるので、テキスト表示が手厚いソフトは相性がよい。
そして完成したのが、冒頭のツイートにある動画だ。
10.最後に
BingAIのアシストを受けて作曲したのは今回で4度目だが、回を重ねるごとに、少しづつ作曲経験は積まれていき、確実に身についていると思われる。今後はしばらく時間が取れなくなるため、作曲は難しいが、もし時間ができれば、他の曲も作ってみたいと思う。
また、もし可能であれば、これを読んだ人にも、独自のドブノイズ楽曲を作ってみてほしい。自分は作曲のド素人であるため、今回の曲が精一杯だった。しかし、作曲慣れしている人や、あるいは歌える人が作曲したら、また違った曲が生まれるかもしれない。もちろん、自分と同じような作曲未経験者にも、ぜひ挑戦してみて欲しい。
(※ただし、BingAIの出力については「本契約、Microsoftサービス規約、コンテンツポリシーの遵守を条件に、オンラインサービス以外の場所で、個人の合法的な非商業目的のために作成物を使用できる。」と記載されているため、商用利用は避けた方が無難か)
AIを使用した創作物は、様々な物議を醸しており、問題視されている側面もある。しかし、AIはあくまでも道具であり、道具とは、使い方次第で如何様にも姿を変える。
これからも、道具はうまく使っていきたいと思うと同時に、道具がうまく使われる世界になっていくように願いたい。
サポートされると雀botが健康に近づき、創作のための時間が増えて記事が増えたり、ゲーム実況をする時間が増えたりします。