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『どんなに頑張っても』

よく眠れなくて気が滅入る朝。いやなニュースが耳に入ってくる。「どんなに頑張っても」という言葉が口癖のように浮かび上がって、ぽわりと消えていくのがちょっとつらくて、私は自分に外出を許しました。

どんなに頑張っても、の続きはなんだろう。報われない。わたしなんか。消えたいとか、死にたいとか、具体的な企図なんて1回もしたことがないはずなのに、自分で自分を大切にすることを意識しないと、あっけなく全て手放してしまいます。

疲れ切っていた朝のわたしは、音楽を聴こう、そう思いました。眠れてないぼんやりした脳でただ、癖になったほど打ち慣れたアーティストの名前を検索して。

流れてきた歌は何度も、何度も、自然と口が動いちゃうくらい繰り返して聴いた歌でした。ああ、なつかしいな。唇が動く。この曲を聴くと絶対に眠れて、わたしのヒーローだって抱きしめて、ひとりじゃないって言い聞かせて目を閉じた。昔から変わらない想いで不器用に彼に縋りつつ、新しく覚えた『自分のなかにつくった自分の居場所』もちゃんと機能して、私はやっと息ができるようになる。

苦しむことは、すこし減りました。感情がお天気みたいに移ろうものだと分かりはじめたから、今日はお天気悪いなあ、で十分なのだと知りました。大切なことを教えてくれた身近な大人に感謝しつつ、一人暮らしの小さな部屋で朝食を作り、同時進行で電気を使いすぎてあっという間にブレーカーが落ちて、慌てて電気を復活させて、あれ、停電じゃなかった、何だか今日は自分のいる世界だけお天気が悪いなあと、またため息をついて苦笑したりして。

ひとと比べることが多いけど、本当は意味なんてないんだなと思います。自分のペースでしか進めないし、過程をすっ飛ばした結果なんて、手に入れたって何の意味もない。少なくとも私にとっては、意味がない。

お天気がよくなったら歌をうたおうかな。しあわせが満ち溢れる世界が好きだけど、そう上手くいくことばかりではないので、今日は寝る前に美味しいチョコレートをひとかけら食べたいです。

読んでくださって、ありがとうございました。

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