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世界のランニングあれこれ

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私が自分の目で見てきた世界の陸上・ランニングについて書きます。
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#陸上中距離

1972年(50年前)のデーブ・ウォットルから2022年のクーパー・ティアに至るまで

1972年(50年前)のデーブ・ウォットルから2022年のクーパー・ティアに至るまで

トップ画(Joe Haleより)

現在、Twitterにて以下のプレゼントの応募を受け付けている。このツイートは7月29日のもので明後日の9月5日中に締め切って当選者を決めたい。

ところで、このポスターがモノクロなのは、1972年に撮影された以下の一番左の写真のオマージュだからである。

The iconic photo of Sid Sink and Dave Wottle was take

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'22英連邦大会男子1500m王者オリバー・ホアの教え

'22英連邦大会男子1500m王者オリバー・ホアの教え

今年の男子1500mのベストレースを挙げるとしたら、以下の英連邦大会(2022年8月5日)の1500m決勝のレースだろう。

戦前は、ユージン世界選手権優勝のジェイク・ワイトマンや、東京五輪銅メダリストのジョッシュ・カーなどの※スコットランド勢が、同大会4位のアベル・キプサング、同大会銀メダリストのティモシー・チェリヨトのケニア勢との優勝争いを繰り広げるとみられていた。

※英連邦大会の時はサッカ

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ニック・ウィリス、前人未到の20年連続マイルサブ4に挑戦。

昨年の1月に19年連続の1マイルサブ4を達成したニック・ウィリス。5回目の五輪出場となった東京五輪は1500mで準決勝敗退に終わったが、現在38歳のウィリスは今もなお現役引退を発表していない。

ウィリスは現在もVery Nice Track Clubでミシガンの伝説的なコーチのロン・ワーハーストの指導を受け、同じくワーハーストに指導されているメイソン・ファーリク(東京五輪3000mSC全米代表)

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東京五輪エチオピア代表選考会と全米学生選手権1日目の雑感(強い選手たちと中長距離種目の高速化)

6/8にオランダのヘンゲロで陸上中長距離の東京五輪エチオピア代表選考会が開催された。エチオピアは高地にあるので、世界大会の前に毎回6月にこのヘンゲロの地で代表選考会を行っている。

エチオピアは2020年に内戦の影響で、トップ選手でさえも国外の試合にすら出れないということや、練習に支障が出るといったコロナ禍での影響があった。

エチオピア陸連はそういった影響から、代表クラスや候補選手をまとめてアデ

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男子1500mにおける好記録と世界との比較

男子1500mにおける好記録と世界との比較

4/10の金栗記念男子1500mでトラックシーズンの序盤にして好記録が続出した。

優勝した河村は3:38.83の日本歴代9位、4位の佐藤は高校生ながらPMの横田コーチについていき1:55台後半で800mを通過。最後は3人に抜かれたものの高校歴代2位の3:40.36の好記録をマークした。

その他、1,2,3組でも全体的に3分40秒台の好記録が目立った。

中長距離種目はこの1-2年で比較的記録水

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競技選手はスーパーシューズについて"正直に話したほうがいい"その③:メイソン・ファーリック🇺🇸 / ニック・ウィリス🇳🇿

競技選手はスーパーシューズについて"正直に話したほうがいい"その③:メイソン・ファーリック🇺🇸 / ニック・ウィリス🇳🇿

(写真:Instagram Mason Ferlic ©︎Johnny Zhang)

一昨日から始まったこのテーマの記事をシリーズとして毎日書いていく。

3回目は先日5000mで13:25.92の記録を出したメイソン・ファーリック(アメリカ)と彼のトレーニングパートナーのニック・ウィリス(ニュージーランド)について。

ファーリックは2月27日の5000mで13:25.92のPBを出した直後の

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【2022年版】アメリカの陸上中長距離プロチームまとめ。

【2022年版】アメリカの陸上中長距離プロチームまとめ。

(トップ写真:Googleより引用)

実業団という日本の中心的なチーム形態をカウントせずに、日本における「中長距離のプロチーム」を挙げるとすれば、TWO LAPS TCやブルックスがサポートする阿見ACのプロチーム(4名)が挙がるだろう。

このプロチームという響きは日本において、プロランナーよりも馴染みがないかもしれないが、ことアメリカにおいては各スポーツブランドがプロランナーで構成されたプロ

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コロナ禍でアメリカの大学スポーツが大打撃【名門ミネソタ大の男子陸上部が2020-2021年シーズンもっての廃部案の衝撃】

コロナ禍でアメリカの大学スポーツが大打撃【名門ミネソタ大の男子陸上部が2020-2021年シーズンもっての廃部案の衝撃】

(トップ画:出典:SPIKES MAG)

コロナショックは有名企業の倒産を国内外で引き起こしているが、スポーツの世界でも影響が出てきている。

西海岸の名門私立大のスタンフォード大が、11競技の廃部を決定。衝撃的なニュースは海を越えた私の耳にも入ってきたが、日本の大学は収益構造が違うこともあってか、まだこういったニュースが世間に広まることは現状ない(どちらかというと、部活動のクラスターがどうたら

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