ニック・ウィリス、前人未到の20年連続マイルサブ4に挑戦。

昨年の1月に19年連続の1マイルサブ4を達成したニック・ウィリス。5回目の五輪出場となった東京五輪は1500mで準決勝敗退に終わったが、現在38歳のウィリスは今もなお現役引退を発表していない。

ウィリスは現在もVery Nice Track Clubでミシガンの伝説的なコーチのロン・ワーハーストの指導を受け、同じくワーハーストに指導されているメイソン・ファーリク(東京五輪3000mSC全米代表)やホブス・ケスラー(1500m全米高校記録 / 全米U20記録保持者: 3:34.36)らとトレーニングを行っている。

ウィリスが19年連続で達成している1マイルサブ4は、日本ではあまり馴染みのない1マイル走という距離での快挙。1マイルサブ4は1500mであれば3:42-3:43切りぐらいの記録水準であるが、そう考えると19歳から37歳までの19年間、その水準にあったウィリスはやはり伝説クラスの選手であり、五輪での2回のメダルもさらに輝いてみえる。

ウィリスは現在、トラックスミスのアスリートマネージャーの職についており、いわゆる会社に所属するアマチュアの選手である(彼はプロ時代は会社の保険適応がなく、いわゆるフリーランスの身であったことが現在と違うと話していた)

アメリカ東海岸を拠点にランニングに特化したアパレルの商品展開するトラックスミスは2021年の大晦日にニューヨークの室内トラックのアーモリートラックでのマイルレース(エリートからジュニアまで各カテゴリ)を行う予定だったが、COVID-19オミクロン株の影響で中止となってしまった。

そのイベントの最後を締めくくる予定だった、ウィリスの20年連続のマイルサブ4挑戦は、大晦日の年が明けた深夜に開催される予定だった。結局、イベントは中止になってしまったが、サブ4への挑戦はウィリスを含む4名のランナーによって行われた。

観客のいない静かな会場での記録挑戦はコロナ禍で見慣れてしまったが、トラックスミスのYouTubeにアップロードされたこの映像には何か新鮮なものすら感じた。これは大晦日から新年にかけての深夜で実際に行われたレースであるが、何か映画であるかのような壮大なチャレンジだったように思う。

ちなみに、ウィリスは去年の東京五輪で準決勝敗退に終わった翌日からYouTubeを始めている。

動画はおもに1500mという競技のレース展望を本人が語るもの。陸上中距離競技の解説者としてふさわしい豊富な経験と知識。このYouTubeを見ていて勉強になることがたくさんある。

最後に、ウィリスの今回の挑戦の様子と、彼のこれまでのキャリアについて振り返っているGQ SPORTSの記事を。


サポートをいただける方の存在はとても大きく、それがモチベーションになるので、もっと良い記事を書こうとポジティブになります。