かけられる期待と応えたい気持ちと

誰かに相談されたり、意見を求められたとき、
すんっとした顔で、いいこと言いたいと思う。

バスがなかなか来ない。
時刻表通りに来るとは思ってないけど、雨も強くなってきて。
気になるのは、紙の袋に入った大阪のお土産。誰かに持って帰りたくなるカヌレ堂の8種入りのギフトボックス。せっかく大事に持ってきたのに、濡れたら嫌だなぁと思う。

カッコつけたいだけで、誰かのことを思っているわけではないから、いいことなんて言えるわけないんだけど。

もう歩いてしまおうかとも思うけど、ここまでせっかく待ったのにとか、気持ちがふらふらして、落ち着かない。
並んでる前の人が腕時計とバス停の時刻表を見比べるたびに、マンガみたいな大きなため息をついていて、なんだかおかしい。一緒にやりたくなる、はぁ〜ぁ。

かけられる期待と応えたい気持ちは、すれ違うことが多くて、応える方は、とても苦しくなったり。

お土産の紙袋が濡れないように片手で抱えるように持って、もう一方の手は、カバンを肘にかけながら傘を持って、雨の日のバス停は、いつも手がもうひとつ欲しくなる。
そういえば、suicaのチャージはあったかな？

応えたい気持ちは、カッコつけたくなって、いいことばかりを言いたくなったり、いい結果だけを見せたくなったりで、自分のことばかりになっちゃって、誰かのためなら、もっと頑張れることもあるのになぁと思うけど。

曲がり角から、こちらに向かってくるバスが見えた時は、並んでいる前の人と自然と目が合って、会釈を2回ほど。うん、うん、良かったですね。
バスに乗る時は、傘をたたんだり、カバンの中からsuicaを出したり、お土産の紙袋が傘にあたらないようにしたり、だいぶごちゃごちゃしたけど。
バスの窓から強くなる雨を眺めて、バスを待ってよかったなぁと思う。

問いが同じなら答えなんて誰でも大体同じになるから、かけられる期待は、結果よりも、たどり着き方だったり。
だから、そんなにカッコつけなくてもいいのに。

色が変わるくらいに紙袋は濡れちゃったけど、カヌレの入った箱は、なんとか大丈夫そうで良かった。あの人が喜んでくれるといーけど。

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