使ってくれた時間を想う。

プレゼントそのものも嬉しいけど。
あれもいいけど、これもいいし、どれにしようかなぁ？と迷って。そういえば、あの時こんなこと言っていたなぁ？と思い出したり。きっとこれ似合うけど、あんまり好きそうじゃないよなぁと弱気になったり。

とても丁寧なメールをいただいた。
「本来であれば、そちらに伺ってお願いをするのが礼儀だと思いますが」
2年くらい前に、一緒に仕事をしたことがあるひとから。
「職場の方に、とても忙しいと伺ったので、メールをさせていただきました」
そのひとは、随分と年上なのに、いつも敬語で。
こっちが話をしているときは、こちらを見て、うなづきながら最後まで話を聞いてくれる。
「こちらの都合で恐れ入りますが、打ち合わせさせていただきたい事がございます。」
身長が高くて大柄で、イスに座るときは両手を前に重ねて肩を小さくして申し訳なさそうに座る。なんだかおかしかったけど、人柄が出ているような座り方が素敵だなとも思ってた。
「ついては、もし時間をいただけるようであれば、ご都合をお聞かせいただけませんでしょうか」
１度だけ飲みに行ったことがあって。お魚が美味しいお店だったから食べてもらいたくて、お刺身とか焼き魚のお奨めをいろいろ頼んで、その時は喜んでくれていたように、勝手に思っていたけど。
他の人から、実は海のものが苦手だったことを後から聞いて、その場で穴を掘って埋まってしまいたいくらい恥ずかしかった。
「都合をつけていただくことが難しい場合には、ご返信には及びません。どうか無用なお気遣いをなさらないようお願い申し上げます。」
この後は、くだけた文章で近況がいろいろ書かれていて。猫を飼うはずが犬を飼うことになったとか、年末にお風呂の栓が閉まらなくなって、手でおさえながら入ってたとか。

このメールを出すまでに、いろいろと考えていただいた時間を想って、きちんと向き合った返事をしないとなぁ。

目に見えるものだけだと毎日はルーティンになってしまうけど、誰かのこととか、これからのことを考えたり想ったりする、目に見えないことに使った時間が、毎日を違うものにしたりするから。
正解がわからないことでも、考えたり、想ったりしながら毎日を重ねることは意味があることだなぁと思う。

プレゼントそのものも嬉しいけど。
使ってくれた時間を想って、感動するよなぁ。

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