巖谷士元の休日(夏祭り編)
朝の決まったルーティンを終え、橋本駅への電車に乗る。
橋本駅の利用頻度の低い路線、相模線に乗って降りた駅前には、お世辞にもにぎわった駅とは言えない―――スーパー、銀行、コンビニエンスストアと申し訳程度の飲食店等の最低限のインフラで構成された商店街が広がっていた。
巖谷が感じた違和感はそこではない。喧騒から離れた住宅地にはありふれた光景にはひとつだけ大きな違いがあった。
車道は封鎖され歩行者天国となっており、人に溢れているのだ。
照りつける日光と、それに応じて熱を帯びるメイン