ランドセルを放り投げて、かかとの潰れたスニーカーで飛び込んだきらめき。
1997年、わたしは小学生だった。
あの頃といえば、ノストラダムスの大予言とか、2000年問題とか。なんともいえない独特な空気があったいわゆる、「世紀末」。
“地球滅亡”なんて不穏なワードが飛び交う中
毎週木曜日が、わたしの世界を興隆させていた。
ゆとり世代。
そういわれる私たちはまさにゲーム黄金世代なのではないだろうか。
わたしが小学生の時には土曜日はまだ登校日だった。
半日授業を受け、お昼には帰宅し、ごはんを食べ、午後から友達と遊ぶ。
そんな日常の中に突如飛び込んできたのは、今だに続くモンスターコンテンツ。
ポ ケ ッ ト モ ン ス タ ー だ。
老若男女、日本、いや世界でだって知らない人はいない「ポケモン」。
1996年に発売のこのゲーム、なんともう24年も前のもの。
それがいまだに続いているだけでなく、第一線でゲーム業界を引っ張っているというのだから驚きである。
当時小学生でこのポケモンブームに乗りまくっていた私。
そして現在は私の息子も、ポケモンにドはまりしている。
同世代なら懐かしく感じてくれると思うのだが、あの頃はいまの比ではないくらいにゲームハードが乱立していた。
「ポケモン」という一つのソフトだけでも
・ゲームボーイ(でかい)
・ゲームボーイポケット(初代GBより一回り小さくて本体のカラーバリエーションがあった)
・ゲームボーイカラー(フルカラーではないが今まで白黒だったのでとても感動した)
の3つがあった。(驚くなかれ!乾電池で動くぞ!)
その後GBAやDS、DS2でもポケモンは発表されるけれど、当時はGBという携帯型ゲーム機が大人気で最先端だったのだ。
そんなご時世に発表された「ポケモン」は瞬く間に大人気になり、ポケモンを持ってない子なんていなかったし、通信ケーブルを持っている子はどのグループにも引っ張りだこだった。
「はじめまして!
ポケットモンスターのせかいへようこそ!」
ゲームが始まるワクワク感はいまだに覚えている。
最初に選ぶポケモンはいつもお決まりでヒトカゲだった。
(進化後のリザードンがわたしの推しだったのだ。)
思えばゲームの世界にどっぷりハマるということを経験したのも、ポケモンが初めてだったように思う。
ハマりすぎて、ポケモンの中でバトルして貯まる所持金と現実の自分の所持金の誤差に違和感を感じたり、夜、家族が寝静まってから布団の中にGBと懐中電灯を持ち込んでポケモンをプレイしたりしていた。(GBにはバックライトがなくて暗闇ではプレイできなかったのだ…。)
はじめて買ったCDは「めざせポケモンマスター」だったし
「ポケモン言えるかな?」は死ぬほど練習した。
スーパーに行けばポケモンのパンを買い、カードダスをした。
いまもゲームは好きだけど、如何せんそんな時間はない。
息子のswitchを借りてめちゃくちゃ久しぶりにポケモンに触れてみた。
「すご~い。いまこんなポケモンがいるんだね。」
グラフィックもサウンドも操作性能も、GB時代とは全く違う。
でもいまわたしがプレイしているのはあの頃と変わらぬ「ポケモン」だ。
、、、、、なんか、違うな。
そっとswitchを息子に返した。
昔、ポケモンのアニメは木曜日に放送されていた。
今日は、木曜日。
20数年前。
「今日ポケモンの日じゃん!」
「はやく宿題おわしとこ!うちくる?」
なんて言いながらランドセルを背負っていた帰り道。
あの頃よりも楽しい木曜日には、もしかしたらもう、出会えないのかもしれないな。
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