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カナダのトロントのサマーキャンプに6歳の息子と母子短期留学 (番外編)アメリカのテネシー州ピジョンフォージ タイタニック博物館 後編

やっと今回の目玉、タイタニック博物館に辿り着きました。
そこに至るまでの珍道中はこちら

すでに霞んでますが、メインのサマーキャンプについてはこちら


念願のタイタニック博物館に到着

翌日、ホテルに北斗の拳が迎えに来てくれました(北斗の拳については前編にて紹介。北斗七星の傷を持つガチガチマッチョではなく、パチスロの方)。
ガトリンバーグから車で15分ほど走らせた先にタイタニック博物館が見えて来ました。
タイタニック博物館は、外観がタイタニックになっています。勿論、本物と同じ大きさではないですが、かなり大きい。
そのスケールの大きさに驚きつつも、息子と2人で中に入ることに。

隣の氷山がいい味出してる

入館前に、スタッフからチケットを渡されました。
そこには、実際に乗客やスタッフとしてタイタニック号に乗っていた人の名前と、軽い経歴が書いてありました。
一枚一枚書かれている人物が異なり、どの人物のものをもらうかは運です。
私がもらったチケットには、当時新進気鋭のデザイナー!
・・・ではなくその御付きのもの、息子のものには、親に連れられてアメリカに帰る7歳ほどの男の子が書いてありました。両者とも一等客室に乗船したとのこと。生還率高め。
このチケットを握りしめたまま、博物館の巡回ルートの最後のコーナーに行くと、壁に乗客とスタッフの名簿がズラーと書いてあり、手元のチケットの名前と照合するとその乗客あるいはスタッフが生存したか死亡したかがわかります。
おいおいそんな不謹慎ビンゴみたいなことして遺族はええんかいなと思いながらも、もちろん不謹慎な母子はワクワクしてチケットを眺めていました。
楽しみをありがとうアメリカ。自由っていいな。

左隅に、チケットもぎりのお姉さん。館内のスタッフは全員タイタニック号の当時のスタッフの格好をしており、きちんと演じていました。

タイニック博物館の中

1階には、タイタニックが辿った航路だったり、実際に引き揚げられたお皿や、タイタニック号の設計図などが所狭しと陳列していました。
どれも大人にとってはすごく興味深いものばかりでしたが、息子は早く行こう!とほぼ素通り。気軽に行ける近所の植物園じゃないんだからさ…と思いましたが、親の心子知らず。

2階にはより体験型の展示が多くなっており、船のハンドルが置いてあり、それをぐるぐる回したり、どれだけ船が傾いたのかを実際に体験してみるコーナーもありました。

傾斜がつきすぎていて勢いよく滑り落ちる被写体を捉えられず。

1階での冷めた感じが嘘のように息子は大興奮でずっと遊び倒していました。
その間、フロアの隅にある実寸大の縦半分に切られた救命ボートに座って待つ母。30人は乗れるはずが誰も同席せずボッチ。たまにキッズが冷やかしで乗っていくだけ。
お喋りな可愛い9歳くらいの女の子が横にきて、これ知ってる?あれ知ってる?と絡んでくることも。
お嬢さん、信じられないかもしれないけど私は救命されてる乗客を演じるスタッフじゃないんです。
他人の親の心もちろん他人の子知らず。

タイタニックタワー〜キャッシュレス社会とボクと、時々、ジップロック〜

タイタニック館内を巡りつつ、子供をちびまる子のたまちゃんパパばりに撮影しまくっている不審な女を見かねたのか、素敵なマダムが、親子の写真撮ろうか?と私たち2人の写真を撮ってくれました。
マダムに限らず、ピジョンフォージやガトリンバーグに来ている観光客たちは全員優しかったです。

入館前、タイタニック博物館の入り口にペニープレスというアメリカの1セント硬貨をプレスして、記念にご当地デザインを刻印する機械がありました(よくポケモ○センターの前にあるやつ)。
息子がやりたいと言うので、トライ。はじめにプレス料金分のコインを投入するのですが、にっちもさっちもうまくいかず。
苦戦していたら近くを通りかかったダンディージェントルマンが、ちょっと見せて!と声をかけてくれて、コインをガン見。
3秒後に、これカナダセントだよーガハハと爽やかな笑顔で教えてくれました。
えーーまさかのカナダセント。
そこには、たしかに25セントの裏にムースが描いてありました。わかりにく!
ちなみにアメリカの25セントは州によって絵柄が異なっていて楽しいので、興味があったら訪れた州ごとに25セントを収集すると面白いと思います。
ムースがあったらそれは最北のカナダ州…じゃなくてカナダセントです!

ひえー!と思いつつも、ええい旅の恥はかき捨てだ!と思って、ジェントルマンに小銭が入ったジップロックを丸ごと渡し、その中からアメリカ硬貨を探してもらいました。
全力で優しさにおんぶに抱っこ。
ちなみになぜジップロックかというと、渡米前に、お財布だとスリに狙われるわ!との観点から財布からジップロックにお金を移し替えて持っていきました。仕切りもないので、カナダ硬貨とアメリカ硬貨は勿論ミックスで。
しかし、ジップロックから小銭をせっせと出してくれているジェントルマンの尻ポケットをふとみると、なんと無造作に10ドル札が数枚捩じ込まれているではありませんか。
ポケットからはみ出たくしゃくしゃの10ドル札のおっさんがこっちを見ていました。
誰だよガトリンバーグ観光地だからスリ気をつけろって言ったのは…!日本ですらやらないぞ!
渡米前に腹巻の中にお札を縫い付ける案を提案してきた祖母が見たら卒倒しそうな光景でした。
たしかに思い返すと、トロントではいそいそジップロックを取り出す私を、店員は哀れみを込めたような、それでいて警戒するような複雑な眼差しで眺めていました。
これから北米行く人に声を大にして言いたい。みんな普通に財布だったよ!

ちなみに現金を使ったのはこのペニープレスくらいで、あとはカードで全て払えました。北米は完全にキャッシュレス社会ですが、ペニープレスとガムボールマシーンをやりたい人は必ず現金を持っていきましょう!

北斗の拳からの牽制球


何はともあれタイタニック見学を終え、ホテルに戻りました。
タイタニック博物館があるピジョンフォージは、ドライブしがてらアトラクションを楽しむ街なので、子供向けのアトラクション施設が至る所にあります。
それを見ながら、道中、北斗の拳に、どうだったー?と聞かれつつ和やかに会話をしていましたが、ふと沈黙が流れました。
4時間もあってまさか他のアトラクションに行ってないなんてないよね?ちょっとクレイジーすぎるよ怖…となぜか真剣味を帯びた顔で言われたので、
時間余りまくって近くの逆さまハウスにも行ってめちゃめちゃ楽しんだよ!とハキハキ嘘をついておきました。
嘘を言う時の英語ほどスラスラ出るものはありませんね。
本当は私はずっとタイタニック博物館の救命ボートに座っていたよ、ケンシロウ。

最高すぎたホテルのプール

ホテルはリゾートホテルだったので、プールがついていました。ここが最高すぎて、アメリカ旅行のクライマックスはここです。

何が最高だったかと言うと、設備でもなく、水質でもなく、人です。
バカンスに来てるからか、みんな開放的で優しい。そしてアメリカ外からの観光客はおろか、アジア系すらほぼいない。全員アメリカン英語を喋ってるので、至る所からwanna wannaしか聞こえない。
すぐさま日本の学校で習った固すぎて消化不良のwould like to beを投げ捨て、早速インストールしたwannaにハマる愚直な意味でのワナビー母子(後日、スクールのアメリカンにwannawanna言いすぎて怪訝な顔をされる)。

なにはともあれ、そこでは日本語を喋ってるのが不思議な感覚に陥るくらい、英語空間でした。

プールにはなかなか立派なウォータースライダーが併設しており、スライダー好きな息子が何回も色々な角度で滑っていました。
が、しかし、数回目で溺れかけました。
というのも、なんとウォータースライダーの落ちる先が水深170センチほどあったのです。
私が慌てて普通の日本のプールの感覚で真ん中に寄ったら、頭の先までドボンしました。アメリカこええ。
あろうことか母子で溺れてると、ウォータースライダーの下にいたマダムが私に「助けても大丈夫?」と確認してくれて息子に寄ってくれました。
シュアと答えたはずが息継ぎに必死でフガフガ。
wanna?使う暇なし。
それでも意図を感じ取ってくれたスーパーマダムは颯爽と息子を抱き上げ、その後、「また助けてあげるからどんどん滑りなさいね!」と心強いお言葉と共に息子をスライダー側の縁まで運んでくれました。ありがとう!ついでに私も助けて欲しいマダム。

冗談はさておき、まず先に、触っても大丈夫?と確認するところはアメリカだなぁと思いました。日本だと知らない近所のおじさんが子供の頭を可愛いねと言いながらポンポンしたりしますが、アメリカ含む海外では御法度です。刑務所に連れていかれるのでやめましょう。

命からがら生還してゼーハーしてる私の横で、ウォータースライダーに飽きた息子はタイタニック博物館で買ったタイタニックのおもちゃで遊び始めました。
横には浅いプールの椅子の上で日光浴をしてる年配のご夫妻。
通りがかった5歳くらいの男の子が興味を示して、息子にタイタニックについてなんだかんだ聞いていました。美人ママも会話に加わりほのぼのと話してる横でまだゼーハーしてる呼吸が整わない母。
じゃあね、と親子で去っていった数分後に美人ママだけ戻ってきました。
曰く、美人ママのお子さんがタイタニックのおもちゃを欲しいと言っていたがどこに売っているの?とのこと。
それAmazonで売ってなくて、ピジョンフォージのタイタニック博物館に行ったらあるよ!と答えて、ここから大体車で15分くらいだよ!と教えました。
行ってみるとのことでしたが、お子さんは息子と同じ属性ぽかったので、きっと美人ママも救命ボートに3時間乗ったことでしょう。
周りを見渡しても、見知らぬもの同士でも袖振り合うは多少の縁なのか、皆
和気藹々と会話をしていました。
袖すらなくて水着だけどね。

最高に楽しかったプール。
しかし、塗った日焼け止めが薄すぎて肩が水脹れの日焼けになることはこの時まだ誰も知らない・・・。

デルタ航空最高

帰りはアトランタの乗り換えでしたが、飛行機酔いをしてダウンしていた息子を除けば南部の雰囲気も味わえて満喫しました。
空港だったからかなんなのか、牧歌的なテネシーとは違い、かなり混んでおり賑わっていました。
ちなみにデルタ航空のこれまた優しいCAが、コックピット見る〜?と誘ってくれて機長席に息子を座らせてくれました。
ちょうど席を譲ってくれた機長が、息子に対して、僕は飛行機の機長だけど君は船の船長だねと話しかけてくれていました。
息子を見ると、帽子に「TITANIC」のデカデカした文字が。
すみません、縁起の悪い帽子を持ち込みまして…。
ペコペコする母。出禁ものだろこれ。

軽い気持ちで訪れたテネシー州ガトリンバーグでしたが、子供に優しくて天国のようでいてプールは殺人的水位かつジップロックな財布が浮きまくる不思議な場所でした。
母子での短期留学はかなり戸惑うことも多いですが、結果として周りの人たちがかなり助けてくれるので、デメリットの反面メリットも多いかと思います。

事前準備は入念に、けれど、渡航した後はその地に身を委ねる気持ちで行くととても得るものが多いです。
ぜひ一歩踏み出してみることをお勧めします!

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