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カナダのトロントのサマーキャンプに6歳の息子と母子短期留学 (番外編)アメリカのテネシー州ピジョンフォージ タイタニック博物館 前編

今回、アメリカ旅行についての記事を書きます。
思ったよりも長くなったので2つに分けます。
肝心のサマーキャンプについては、こちらの記事に書いてます。


アメリカ旅行のきっかけ

姉から、トロント滞在中の観光先としてアメリカへの旅行を勧められました。
どうやら、アメリカニューヨークとカナダトロントはかなり物理的に近い距離にあるので、トロントに旅行しがてらニューヨークにも足を伸ばす人が多いようです。
私のニューヨークのイメージは子連れ向けよりも大人向けの印象が強く、勧められはしたものの消極的でした(実際は子供向けの博物館もあったりして楽しいよー!と後に当スクールのニューヨーカーに言われました)。

6月の雨の日、ちょうどアザラシのように横たわりながらテレビでyoutubeを見ていた息子に、トロント行ったらついでにニューヨーク行く?と聞いたものの、なんで行くの?とのつれない言葉が返ってきました。ひどい。
ニューヨークにはあまり馴染みがないのかなぁと思いながら、ふと息子が見ているyoutubeを見ると、タイタニック博物館の紹介が流れていました。
そう、息子はタイタニックが大好きです。
息子が3歳のとき、地上波の金曜ロードショーでタイタニックが上映されました。その時に見た映像が衝撃的だったのか、それ以来、今に至るまでタイタニックにハマり続けています。
レゴでタイタニックのシーンを再現したり(最後は必ずお風呂に沈没させて終了)、
風呂場では常に一人二役で沈むところのジャックとローズ(毎日永遠の別れ。期せずして、最近流行りのタイムループもの)、
DVDでタイタニックを再生(衝突するところから沈むところまでの鬱展開をエンドレスリピート)、
船が氷山に衝突するところからクルーが逃げ出すところまで完全に再現可能です。正しく一人金曜ロードショー。

来る日も来る日もタイタニックのイラストを書き続けている息子に、ぜひ本場のタイタニックの博物館を見せてあげたい。
そう思い、「タイタニック博物館にいく?」と声をかけたら、「行く行く!」と食いついてきました。
その食いつきの良さに、しめしめとタイタニック博物館をスマホで検索したところ、出てきた結果に呻くはめに。

実はタイタニック博物館は世界にいくつか存在します。
タイタニックが作られた地であるアイルランド、最後の出港地イギリス。そして、アメリカには2つ存在します。1つはテネシー州、もう一つはミズーリ州。
Googleマップでトロントからタイタニック博物館の経路を検索したところ、トランジットは必至とのこと。
まぁかろうじてトロントからはテネシー州が近いかな?ということで、テネシー州のピジョンフォージ に行くことに決めました。

息子が4歳の時にレゴで作ったタイタニック出港のシーン。奥にある港に見立てたレゴにいる人と、手前のタイタニックに見立てたレゴにいる人たちが手を振っています。
ちなみに、息子自体はタイタニックをパニック映画だと思っている節があります。情緒はどこへ。

当初の私の感覚的には東京観光ついでにちょっと千葉の外房に行くかーくらいのノリでした。
しかし、この時を振り返った姉夫婦曰く、
「私たちですら聞いたことのない街に母子2人でよく行くことに決めたよねと思った」
とのことでした。
そういうことは早く言ってくれ。

謎の街ピジョンフォージ 

さて、ピジョンフォージ と聞いて何を思い浮かべますか?
おそらくほぼ全ての人が、どこそこ?だと思います。
ですよね、わかります。

テネシー州と聞いた祖母(93)が、戦後すぐにGHQが闊歩する商店街でちんどん屋がテネシーワルツ流してたわ〜と言ってましたが、ほぼすべてが死語。
気持ちが戦後に戻ってカムカムエブリバディを歌い始めた祖母は置いといて、ピジョンフォージ があるテネシー州はアメリカの中東部にある州です。州都のナッシュビルすら日本での知名度は怪しく、ましてやそこから郊外に車で3時間半も走らせたピジョンフォージを知る日本人はほぼ皆無といって良いと思います。

当スクールのアメリカ人教師にピジョンフォージに行く予定なんだと伝えると、彼はすぐにFacebookで友達から情報を集めてくれました。ナイス行動派。
すると、彼の友人達の中に実際にピジョンフォージに行ったことがあるアメリカンがおり、その人曰くレンタカーをしないのであればピジョンフォージはあまりおすすめではないとのことでした。加えて、その近くのガトリンバーグという街は栄えているし、便利でおすすめとのこと。

ちなみに、その友人からは、”その人たち母子だけで遠路はるばる何しにいくの?”と質問されたらしく、タイタニック博物館だけを見に行きたいみたいだよと返したところ、なかなかクレイジーだね!と返事が来たみたいです。良い意味のクレイジーと捉えておきましょう。アメリカンジョーク。

集まった情報を眺めると、ピジョンフォージやガトリンバーグは、テネシー州やその周辺のケンタッキー州などから、グレートスモーキーという山脈を目当てにバカンス目的で人が集まる場所のようでした。9割はレンタカーか自家用車。
基本的には自然観光がメインのようです。
もはやピジョンフォージについても、ましてやガトリンバーグについてもちんぷんかんぷんでしたが、経験者の言うことには従うべしということで、ガトリンバーグのホテルを予約しました。

飛行機はもちろんトロントから直行便などないので、行きはニューヨークで乗り換え、帰りはアトランタで乗り換える便を選択しました。

航路

① トロントピアソン国際空港(カナダ) → ラガーディア空港(アメリカニューヨーク州)

トロントからは早朝に出発しました。
まずカナダからアメリカに入国する際には、入国事前審査を受けなければなりません。荷物検査や身体チェックも厳しく、まるでタイタニックに乗船する時のしらみ検査を受けている気分でした。気持ち移民。まさかのカナダにいる時からタイタニック気分。

入国審査官は体格の良い男性。威圧感たっぷりで、どこに行くのか、何日行くのかといったことを聞かれました。圧迫面接気味。
どこに行くのかと審査官に尋ねられた時、息子が隣でアメリカに行くよー!と返事しました。
うわー!アメリカに入国するための審査なんだからアメリカなのは当たり前でしょうが!しかもすでにこの人不機嫌そうだからさらに怒られるわ!
と思ったら、無愛想だった審査官が急に猫撫で声を出し、
アメリカ行くの?いいね〜♡楽しみ〜?♡とマッチョすぎる体をぎゅうぎゅうに押し込んで屈みながら、息子に顔を向けてデレデレで会話をしてました。
子供と犬には優しい国アメリカ。まさにこのことですね。
トロントからニューヨーク便は特段トラブルもなく飛びました。ただし、この母子旅行、一筋縄では行きません。

トロントピアソン国際空港の出発ゲート。
平日にも関わらず結構混んでいました。

② ラガーディア空港(アメリカニューヨーク州)→ノックスビル空港(アメリカテネシー州)

到着したNYの空港は、ニューヨーク北部にあるラガーディア空港でした。
最近改修工事を経て新しくなったようで、とても綺麗でした。そして、広い。ウキウキで息子と2人で歩いていましたが、基本周りの人たちは皆忙しそうに小走りで移動していました。トロントから到着したゲートとテネシーに出発するゲートは空港の端と端に位置し、その距離徒歩15分ほど。

綺麗な上にその広さにも驚きました。
ちなみにこの後息子は華麗に転び、手に持っていたポップコーンの袋が宙を舞い、中身があたりに飛び散りました。まさかのニューヨークで落穂拾いならぬポップコーン拾い。
タイタニックに乗る移民から腰を屈める農婦にジョブチェンジする母。

時間に余裕を持たせつつも到着した出発ゲートの近くの売店で偶然売っていたタイタニックの雑誌を買い、意気揚々と二人で飛行機に乗り込みました。
しかし、待てど暮らせど飛行機は動かず、ようやく滑走路まで移動したと思ったのも束の間、機内アナウンスが流れました。
曰く、ストームが来てるので飛べません。みんな降りてね!とのこと。
理解するまもなく、ぞろぞろ降ろされる乗客達。
もちろん物見遊山な不運な母子も例外ではなく、今日は欠航なのかな〜と途方に暮れつつも飛行機から降りる準備をしていると、マダムCAが横からニョキっとあらわれました。
「まだ希望あるわよ!今日私と一緒に飛行機に乗りたかったら諦めないで空港で待機して!」となんとまぁ励ましてくれるではありませんか。
間髪入れず、「私は事務方じゃないから責任持てないけどね!」とウインクつきで言われました。
さすが訴訟大国アメリカ。リスクヘッジもしっかりこなす。

そんなこんなで空港で待機してましたが、6時間後にようやく飛び立つことが決まりました。
ちなみに飛び立つ際に、機内ではピューピュー指笛がなり、拍手が沸き起こりました。知らない人ばかりのはずなのに、何故かこんな時には中学生の修学旅行の団体のように一致団結して盛り上がるアメリカ人が好きです。

余談ですが、再度乗った飛行機には先ほど励ましてくれたCAはいませんでした(いないんかい)。代わりに、ゴミ袋をトリックオアトリート♪と言いながら持って通路をうろうろしているCAがいました(ちなみに季節は真夏)。
デルタ航空のCAのみなさんそろって濃い。濃いけどクセになる。
ふと昔食べたドリアン味のハイチュウを思い出しました。
もちろん褒め言葉です(リスクヘッジ)。

ストームが襲来していたラガーディア空港。このあと無情にも降ろされました。
保険には入っておきましょう…。

③ノックスビル空港(テネシー州)→ガトリンバーグのホテル到着

テネシーの空港についたのは午後10時過ぎ。あたりは真っ暗、空港内の全ての店が閉まっていました。

Uberは壊滅的に存在しない地域なので、タクシーを予約していました。
その名も、ファンクマスター。
向こうの人気オンラインカジノスロットの名前です。
日本で言うなら、個人タクシーがパチスロ北斗の拳という名前で活動しているようなものでしょうか。
なかなかジョークが効いてる国アメリカ。

当初の予定より6時間も遅れてましたが、パチスロ北斗の拳に泣きついて迎えに来てもらいました。でなければ、空港で夜を明かしたことでしょう。
空港からガトリンバーグまで、ほぼ山の中を1時間ほど車で走ってもらい、その日は無事ホテルに宿泊することができました。
ちなみにチェックインの受付をしてくれたスタッフのTシャツには、
”働く日々から逃亡しよう!”
という文字が書いてあって二度見しました。テネシー自由すぎる。嫌いじゃない。

珍道中について書いていたら、肝心のタイタニックに辿り着けませんでした。このままではタイトル詐欺になってしまうので、後編では、タイタニック博物館とその他ガトリンバーグで経験したことについて書きます。


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