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戸村飯店 青春100連発

はじめに

どうも、読書感想文企画第2回です。読書の習慣を付けたいという想いで始めたこの企画ですが、早くも読書にはまりそうです。今では、隙間時間に本屋まで足を運び、次に読む本を考えてばかりいます。私の性格上、読み出すと止まらない性なので、1週間もあれば読み終えてしまうことだけが懸念です。何かと出費のかさむ毎日を送っております、、、

きっかけ

第1回では、私にとってはずれの少ないミステリーを選びました。そこで今回は、ミステリー以外の小説を探していました。読み進めやすいという点で、自分自身と似た環境を舞台にした作品であればいいなとも考えていました。そんな中、瀬尾まいこさんの「あと少し、もう少し」という作品が目につきました。この小説は、小中学生の頃に呼んだ作品で、なんとなく面白かったイメージがあり、すぐ隣を見てみると、、、
        「関西弁」×「上京」×「人情物語」
を思わせる作品があるではありませんか。即決です。

あらすじ

例のごとく、まずはあらすじを紹介します。大阪の超庶民的中華料理店、戸村飯店の2人息子。要領も見た目もいい兄「ヘイスケ」と、ボケがうまく単純な性格の弟「コウスケ」。家族や兄弟でも、折り合いが悪かったり波長が違ったり。ヘイスケは高校卒業後、東京に行く。大阪と東京で兄弟が自分を見つめ直す、温かな笑いに満ちた傑作青春小説です。

兄弟の在り方

皆さんには、ご兄弟がいらっしゃいますか?男女による違い。年の差による違い。人数による違いもあり、家庭によって関係性は大きく違うのではないかと思います。そんな私は、一人っ子なんですけどね。この物語では、一見対極な性格に見える年子の2人兄弟が描かれています。本音を打ち明けきれず、すれ違いが垣間見えますが、読み進めていく中で、同じ屋根の下で成長した2人の心の奥に眠る「兄弟愛」を目の当たりにすることになります。私は、幼い頃から周囲の方にも恵まれ、寂しさを感じることが少なかったですが、時折、「兄弟愛」を感じたいと思ったりもします。

東京と大阪

兄のヘイスケが高校卒業を機に、上京します。関西の雰囲気に合っていないと感じ、東京での生活に挑戦するのです。東京と大阪の人情の違いを実感しながら、自身の成長に繋げ、将来を考えることになります。戸村飯店の長男として、実家をすぐに継ぐという選択肢もある中、一度社会を経験するという決断に至ったヘイスケ。就職活動を終えたばかりの私にとっては、深く考えさせられるシーンでした。私は、日本の首都である東京に身を置くという選択肢がありながらも選びませんでした。この決断に後悔はみじんもありませんが、日本の二大都市である東京と大阪には、数字やイメージだけでは分からない大きな違いがあるのだろうと常々考えます。

家族愛

「兄弟愛」については、先ほど少し触れましたが、それ以上の「家族愛」をこの人情物語から考えさせられました。私は、「人類みな自己中」を唱えます。こんな名前のラーメン屋が好きって話は、分かる人が分かればいいです(笑)結局は、自分のために、自分が楽しく生活するために生きるのだと思います。この物語でも、登場人物のそれぞれが自分のために動いているように見える行動も実は「家族愛」に溢れた行動であるように感じました。私も、18年間に及ぶ学生生活を終え、ついに社会に出るときが近づいています。社会人0年目の意識で親孝行に努めたいと思います。

最後に

「自己紹介」の投稿でお伝えしていなかったかもしれませんが、私は関西が大好きです。生まれて23年間は一度も関西以外で暮らしたことがありません。この物語の会話シーンはほとんどが関西弁です。やっぱり読みやすいし、感情移入がしやすく、存分に物語を楽しむことができました。兄弟愛や家族愛を強く感じたのは、関西弁の温かさ関西人の人情の厚さを身に染みているからなのでしょうか。関西人の皆さんもそれ以外の方も是非手に取ってみて欲しいです。



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