金と価値

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「あぶく銭」という言葉がある。

一過性で充実感の無い報酬はそんなニュアンスを持つ訳だ。
利権だなんだとそういう類の金を得るために多くの人間は躍起になる。
ならこれ、パチンコ屋でのコイン拾いとあまり変わりない。

「虚無」だ。

金の本質は価値があって初めて存在する。
価値の方を減らして、その薄まった金を多く得ようと頑張るなら、
やがて全ての金は虚無になるだろう。
生産性というのは価値の密度を上げる事で合って、逆じゃない。
多くの日本人は明らかにこれを勘違いしている様だ。

思い出せばいい。
子供の百円は大人にとっての一万円くらいの価値があった筈だ。
なのにどういうわけか世の中は、
医療だの添加物だの課金だのと、金の価値を希釈する努力ばかり。
このままじゃやがて一億円は１万円の価値しかなくなるだろう。
行きつくのは紙屑であって、かさばるだけのパルプ繊維だ。
無意味なスコアをインフレさせる、それを必死に目指す価値観。

それが「勝ち組マインド」だ。

喜びや感動にこそ価値があるのに、それを下げて金を得る。
金額のスコアを競って、他人を見下す事に充実感を得ると。

大谷翔平が大金を得るのは野球という本質的には無意味なモノに
彼自身が価値を与え続けているからだ。
価値というモノはそうやって発生するのであって、
クリエイター、生産者が金というモノに意味を与えているのだ。
本来上昇すべきは価値であって、金じゃない。

逆をやるなよ。
搾取者が生産者、クリエイターのモチベを奪っていくなら、
いずれ金に価値は無くなる。
あっという間転落し、気付くのに数世代かかるならよほどのバカだ。
当然正気を取り戻すのにも数世代はかかるだろう。

あくせくと人を騙していったい何がしたいのか意味が判らない。
金自体が意味をなさなくなる様に金を稼ぐならそうなる。
今の企業利益とギャンブルでのあぶく銭は何一つ変わらない。
こんなモノどう考えても優位性を誇示し、ただ単に見下したいだけだろう。
ただのサディズムが目的、行きつくのは性欲でありカニバルだ。
底辺も毒親も同じ。
スパルタも虐待もイジメも同じ、誰かを無意味に見下したいだけ。
現に日本という国自体、そうやって価値を下げている。
金を儲けようとして、むしろどんどん貧しくなってゆく。

格差社会という逆柱、本質の本末転倒。

真の愚民は同胞を見下してる貴族の方だというのにね。
彼等のマウントスマイルを観る限り、まだ判って無いんだろう。
自分がバカである事に。

もう結局は他人を食いたいだけだろう。

相対化させ自慢して、よほど他人が好きなんだな？
まるで同類、宮崎勤とおんなじだ。
まったく同じ。

やがて訪れるのはタイムマシンの描く未来世界だ。
そしてモーロックとはエリートの事だ。

クリエイターの予言なんてただニュアンスを嗅ぎ取ってるだけ。
大気中の本質を取捨選択するから読者への面白みに変わるのだ。
皆が気付いているからこそ、エンタメになり得るのであって、
人間のマップには「最初から」書き込まれているはずだ。

ただ自分で気付くか気付かないかの差でしかない。

そういう話。