「喧しい蛍」

 夜の街を蛍光色の車が走る。爆音で音を流しながら、かけていく。それを見る周囲の目は冷たく、侮蔑すら伺えた。

 誰も目も法も抜き去っていく。その姿にかつての自分を重ねた。無論、あの日々を綺麗なものだけで終わらせるつもりはない。迷惑もかけた。傷つけた。その清算のために働いている意思すらある。

 途端に携帯が鳴った。連絡先から娘の写真が送られて来た。そして、この二人のためにもっと前に進んでいこうと思う。
 


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?