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フォームローリングの威力:感覚・筋力・パフォーマンス Up!

▼ 文献情報 と 抄録和訳

フォームローリングが肘のプロプリオセプション、筋力、機能的運動パフォーマンスに及ぼす影響

Ozden F, Yesilyaprak SS. Influence of Foam Rolling on Elbow Proprioception, Strength, and Functional Motor Performance. J Athl Train. 2021 Feb 24;56(10):1112–23.

[ハイパーリンク] DOI, PubMed, Google Scholar

[背景・目的] フォームローリングは、近年、柔軟性を高めるために頻繁に使用されている。しかし、フォームローリングがプロプリオセプション、筋力、運動能力に及ぼす影響はあまり知られていない。また、上肢に対するフォームローリングの効果を検討した研究者は非常に少ない。目的は健常者において、フォームローリングが肘のプロプリオセプション、筋力、機能的運動パフォーマンスに及ぼす影響を調査すること。

[方法] デザインは無作為化比較臨床試験。Dokuz Eylul大学の物理療法・リハビリテーション学部の運動実験室にて、健康な参加者60名(平均年齢=22.83±4.07歳)を対象として実施。介入方法は、参加者をフォームローリング群(FRG;上腕二頭筋を対象とした4週間のフォームローリング)と対照群(CG;フォームローリングを行わない)の2群に無作為に割り付けた。

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✅ 図. フォームローリングを用いた介入実施風景

主なアウトカムは、評価ベースライン時、4週目と8週目の終了時に、プロプリオセプション(関節位置感覚[JPS]、フォースマッチング)、上腕二頭筋の筋力、機能的運動パフォーマンス(修正懸垂テスト[MPUT]、閉鎖型運動連鎖上肢安定テスト[CKCUEST]、腕立て伏せテスト)を評価した。

[結果] フォームローリングにより、肘関節45°屈曲時のJPS、筋力、CKCUEST、腕立て伏せテストの結果が改善し、フォローアップ時にも改善が維持された(P < 0.017)。プロプリオセプションとCKCUESTの結果の群間変化は、3つの時点で同程度であったが(P > 0.05)、筋力は、FRG群がCG群(P = 0.004)と比較して、ベースラインから2回目の評価まで、およびベースラインからフォローアップまで(P < 0.001)向上した。FRG群は、3つの時点でCG群よりも腕立て伏せテストの結果が良かった(P=0.040、P=0.001、P<0.001)。その他のデータは変化しなかった(P値>0.05)。

[結論] フォームローリングは、肘のJPS、上腕二頭筋の筋力、および上肢機能運動パフォーマンスの一部を改善するのに有効であった。これらの効果は適用後4週間で維持された

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

機器支援軟部組織モビライゼーション(IASTM)は、主に筋膜に対する介入方法である。アメリカでは83%の理学療法士がすでに利用し、柔軟性を高める目的で実施されることが多い。

今回の論文では、IASTMの中でも「フォームローリング」にスポットライトを当て、柔軟性以外にも効果があるかを検証、感覚、筋力、パフォーマンスのすべてで効果を認めた。
素晴らしい威力である。
そして、驚嘆すべきは効果の持続性だろう(4週間持続)。
押入れで眠っている『My foam roller』を引っ張り出す時が、来た・・・。

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