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研究 (+論文化前)のアウトライン 【テンプレート】


▶︎このnoteを読む前に理解しておいて欲しいこと

natural-RQ → process-RQへ

▶︎process-RQ ▶︎ 研究のアウトラインの作成へ

RQが明確になったあとに、具体的で詳細な研究計画を策定していくことになります。

その最初のステップが、予測因子、アウトカム、目的母集団を含むprocess-RQを明らかにすることでした。

その後には、以下、3種類の文書を作成していく必要あります。

①アウトライン
②研究計画書
③実施マニュアル

今回は、研究のアウトラインについて、その意義と具体的な記載項目を考え、テンプレートを共有したいと思います。

▶︎研究のアウトラインを作成する意義

意義としては、process-RQを立てる意義と類似しますが、以下のようなものがあると思います。

①自らの考えを整理することに役立つ
②他者に助言を求めることが可能となる
③研究チームを編成しやすくなる

まず、研究のアウトラインは、いわば臨床研究に必要な事項を最もシンプルに表した「見出し(index)」です。
建築物でいえば、骨組みに相当するでしょう。
この骨組みを立ててみることで、自分にとっては考えが整理され、事前にその研究の強みや限界を知ることができます。
そして、この整理された骨組みと、強みや限界が文書として明らかになっていることで、他者に対しては、助言や研究チームへの招待を求めることが可能になります。

一方、論文化前のアウトラインは、その役割が違ってきます。
その役割の大きな1つとして、『論文化する意義を有するか』を論文執筆前に判断することです。
論文執筆とは、言わずもがな、大変な労力を必要とする営みです。
その論文執筆において、最後の最後に、「これ、新奇性に乏しいから論文化する意義ないね、やめよう」となったら、やりきれません。
だからこそ、執筆を開始する前に、共著者や指導者に対して、「こんな感じ(アウトラインをツールとして用いて)で論文を執筆しようと思うんだけどどうかな?」と共有した上で『これは論文化の意義があるね。Goしよう!』となれば、そこから全力で論文化に入る、この流れが重要だと思います。

もう1つ、論文化前のアウトラインで重要なことは、第一投稿雑誌を決めておく、ということです。
なぜなら、投稿雑誌によって、投稿規定が違います。具体的には、文字数も違えば、求められる書式や図表の形式も異なります。
それを後から直すことは、些末なことではありますが、コストです。
さらに、『ここを目指すんだ🔥!』という立志の役割もあるため、重要です。

▶︎具体的なテンプレートの共有_2024年8月9日ver

研究のアウトライン(下部に論文化前のアウトライン)に含まれるべき項目の見出しは、以下の通りです。

▶︎ 研究題目:
▶︎ Research Question (process-RQ)
    -Primary:
    -Sub:
▶︎ 背景・巨人の肩:
▶︎ Knowledge Gap:
▶︎ 研究デザイン:
▶︎ 対象者
    -包含基準と除外基準:
    -サンプリング方法:
▶︎ 介入内容・比較
    -コントロール:
    -介入:
▶︎ アウトカム(方法)
    -Primary:
    -Sub:
▶︎ 主たる差なし仮説:
<ここから先は論文化前のアウトライン>
▶︎アウトカム(結果)
    -Primary:   
 -Sub:
▶︎結論
→ 臨床的意義
▶︎第一投稿雑誌

分かりにくそうな単語だけ、説明を加えておきます。
巨人の肩:先人たちがこれまで築いてきた先行研究の軌跡
Knowledge Gap:クリニカルクエッションの中からどのようにリサーチクエッションを厳選するのか?参照


参考資料
1)【木原雅子/木原正博】医学的研究のデザイン - 研究の質を高める疫学的アプローチ
2)【福原俊一】臨床研究の道標
3)【近藤克則】研究の育て方 ーゴールとプロセスの見える化ー

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