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数学の実力を上げる方法-東大生の後悔-

どうも、東大生のカピバラです。
突然だが、皆さんは数学をどのように勉強している(た)だろうか。
多くの人がまず網羅系参考書で基礎固めを行い、その後演習に入るという段階を踏んでいることだろう。私もそうだった。高1から塾に通い、網羅系参考書を解ききり、プラチカや赤本で演習を積んだ。そのおかげで高2までは数学の成績は順調に伸びた。

しかし、高三になると成績が上がらなくなった。それどころか下がっていった。結果として現役時は数学で失敗し、六点差で東大不合格。数学さえ平均程度とれていれば十分合格できたはずだ。なまじ数学は好きで、東大模試でも数学偏差値65をとっていたことから周りよりは数学ができると考えていた。

それだけに当時は何がいけなかったのか分からなかったが、浪人を経て原因に気付き、大数の学力コンテストでも何度も賞を頂けるまで成長できた。今回はその反省を共有させて頂きたい。
これを読んで数学の伸び悩みや苦手意識を打破してくれる受験生がいたらうれしい。

基礎の甘さ

まず気が付いたのは基礎学力の低さだ。東大に落ちた私はすぐに浪人を決意し、予備校の入学試験対策をすることにした。様々な学力レベルの受験生が受けるためかなり簡単に作られた予備校入学試験の過去問を解いたところ、なんと6割程度しか解けなかった。当時は出来の悪いギャグにしか思えなかったが、私は一般的な受験生とほとんど変わらない程度の基礎力しか持っていなかったのだ。

それもそのはず、網羅系参考書はやったとはいえ一周した程度だったうえ、二次試験で点をとるのが大事と決め込んで、共通テストレベルの問題などほとんど解いていなかった。

その結果、もろい基礎の上でほとんど効果はない難問演習を積み上げた気になって最後まで基礎不足に気付けなかったのである。

参考書選択

これは基礎の甘さから直結する話題だが、自らの基礎力を勘違いしていた私は当然ながら参考書選びも不適切に行ってしまった。本来はプラチカも満足に解けないのにも関わらず、上級問題精講や大学への数学の参考書に手を出した。

東大の過去問もきちんと理解しないまま解き進めていき、周りよりも難しい問題を解いていることに優越感すら感じていた。結果としてほとんど身につかないまま時間だけを無駄にしていった。

浪人期に基礎の甘さに気付いた私は、参考書選択を見直し、網羅系参考書を一から徹底して取り組んだ。しかし、現役のときもしもう一度網羅系の参考書に取り組んだり、一対一対応などを選んでいれば受験結果は違ったかもしれない。今となっては後の祭りだ。

総じて私は己の学力を客観視出来ていなかった。周りが解いている問題ではなく、謙虚に自分の実力を見つめて分析するべきだったのだ。

数学の捉え方 ※最重要

これまでは数学の勉強過程についての反省だったが、最後はもう少し実践的な反省で、一番伝えたいことである。
数学の点数はどのように向上していくものだろうか。私は以下のようなプロセスで向上するものだと考える。

ステップ1:その分野の基本的な定理、考え方の 
      理解
ステップ2:基礎的な問題演習によるステップ1
      の習熟や使いどころの学習
ステップ3:様々な分野の組み合わせ、論理性の
      向上
ステップ4:本番で点をとるための実戦的な演習

それぞれのステップが有意義なものとなるかは一つ前のステップにかかっており、順番に積み上げていくことが重要である。私の場合は2が不十分であったため3がうまく機能しなかった。ではなぜ2が不十分になってしまったのだろうか。

それは私が数学は暗記をしない科目だと考えていたからである。

巷でよくいわれる、「数学は暗記じゃない」という言説を真に受けて、暗記ではなく、思考力で勝負するんだ、と考えていたのだ。
当然のことながら、定理や性質など数学には暗記が必要なものがそれなりに存在するし、その部分はそれなりに憶えていた。

しかし、それに加えて実は網羅系参考書にのっているようなレベルの問題の解き方を憶えて置くことが非常に大切だったのだ
言い換えれば、ステップ2とは、網羅系参考書にのっているような標準レベルの問題の解き方を憶えることそのものなのである。

数学には確かに思考力や発想力が必要である。しかし、それらが効果を発揮するのは基本的な問題を全て解ける力を持っているときである。浪人期に改めて基本的な参考書に取り組んだ私はこのことに気付き、発展問題にも対応できるようになった。

高校生のころはこのように数学を誤って捉えていたため、基礎が身につくことなく参考書を解き散らし、悲惨な結果に終わってしまった。

点数を最大化する

蛇足になるが、試験本番での戦略についても書こうと思う。
基礎を固めて、きっちりと演習を積めば、後は点を取るだけだ。試験には練習と違って明確な制限時間がある。その中で点を取るためには、とにかく思考過程を記述することと、問題の取捨選択が重要である。全ての問題に完答することは難しいので、確実に解ける問題を選んで、思考過程を丁寧に書くことである。
この2点を意識すれば本番で点数が取れるようになっていくはずだ。

まとめ

私は数学を暗記しない科目だと勘違いして難問ばかりに取り組み、基礎が固まらないまま本番を迎えてしまった。現役のときに自分の勉強方針の誤りに気付くことができていれば浪人することはなかったと思うと非常に後悔している。私の後悔が皆さんの糧になればうれしい。


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