つとむ先生のひとりごと

好きな色は紫。 好きな食べ物はカレーパン。 福岡県の国公立幼稚園で唯一の男性教諭。 福…

つとむ先生のひとりごと

好きな色は紫。 好きな食べ物はカレーパン。 福岡県の国公立幼稚園で唯一の男性教諭。 福岡県幼児教育アドバイザー。 幼児教育に関する事柄をそこはかとなく書き連ねております。

マガジン

  • 幼児教育の基本

    「つとむ先生のひとりごと」の中から、幼児教育の基本についての記事をまとめています。

最近の記事

  • 固定された記事

幼児教育≠早期教育

 便利な世の中になったもので、#ハッシュタグを付けると、より検索にヒットしやすくなって、より見知ってもらえるのだそうです。  先ほど、初めての記事をこのnoteで投稿した際も、「#幼児教育」というハッシュタグを付けることができました。  ところで、noteのサイト上で、この「#幼児教育」で検索かけた記事を読んでみると、「幼児教育」をいわゆる「早期教育(就学前の段階で、例えば漢字や四則演算を教える教育)」と勘違いした内容が散見されます。  この手の勘違いは、保育士さんにされる

    • 偏食突破大作戦4 ~実践Ⅲ 食べる量を示す~

       これまで偏食「克服」大作戦、と銘打ってきましたが、よくよく考えてみると偏食の「克服」って大人でも難しいな~・・・嫌いだった食べ物が(大人になって)好きになることもあるけど、そうならないことも多いわけで、いかに「嫌いだけど(例えば出された分は)食べられる」的な、上手な付き合い方ができるようになってほしいのです。なので、「克服」はやめて「突破」にしてみました。その子なりの目標の突破に向けて、その子自身がどれだけ自分から「食べてみよう」と口にするようになるか、先生たちは様々な手法

      • 偏食突破大作戦3 ~実践Ⅱ 食べる環境を変える~

         先生たちの「食べてほしい」思いと、子供たちの「だって嫌なんだもん」が毎日のようにせめぎ合う食事時間。「食べましょう」で半ば強制的に食べさせるのではなく、幼児自身がいかに自分から「食べてみよう」と口にするようになるか、先生たちは様々な手法を使います。今回はその2つ目。  実践の紹介に行く前におさらいです。  「幼児の偏食の理由」として、①味覚が未発達だから、②トラウマがあるから、③食べず嫌いだから、の3つを挙げました。  また、ひと口に「嫌い」と言っても、子供たちによって

        • 偏食突破大作戦2 ~実践Ⅰ 味付けや大きさを変える~

           前回は、「幼児の偏食の理由」、そしてそれでも奮闘する「先生たちの思い」についてつぶやきました。  その中で、「幼児の偏食の理由」として、①味覚が未発達だから、②トラウマがあるから、③食べず嫌いだから、の3つを挙げました。  ひと口に「嫌い」と言っても、子供たちによってその度合いは様々です。 A:がんばったら食べられる B:時間を掛けたり少量ずつだったりしたら食べられる C:先生と交渉した分だけ食べる D:先生が口元まで運ぶと食べる(自分からは食べない) E:口の中で噛み

        • 固定された記事

        幼児教育≠早期教育

        マガジン

        • 幼児教育の基本
          6本

        記事

          偏食突破大作戦1 ~先生たちの思い~

           偏食・・・簡単に言うと食べ物の好き嫌いのことです。  小学校でも中学校でも幼稚園でも、「学校」であるからには、そこで行われる活動は何かしら教育に結び付いています。なので、子供たちにとっては楽しい食事の時間でも、先生たちにとっては休憩時間という訳ではなく、その時間中も「食育」という教育活動を行うことになります。  「食育」と言うと範囲が広いので、今回はその中でも「偏食」にテーマを絞ってつぶやいていこうと思います。  大人になっても多くの人がもっている食べ物の好き嫌い。皆さん

          偏食突破大作戦1 ~先生たちの思い~

          ツマグロヒョウモンチョウの初見お触り

           ツマグロヒョウモンチョウをご存知でしょうか?  「いや、そんな二度見しないと読めないような名前のチョウ知らないよ」というのが一般的なご意見でしょうか。上の写真(Wikipediaより)のような綺麗なチョウです。  では、ツマグロヒョウモンチョウのサナギをご存知でしょうか?  「成虫すら知らないのにさなぎなんて!」と言われそうですが、写真で見るとこんな感じです。  背中?の金色部分が光り輝いていて、これまた綺麗なさなぎです。  ではでは、ツマグロヒョウモンチョウの幼虫を

          ツマグロヒョウモンチョウの初見お触り

          ダンゴムシしか勝たん

           ダンゴムシ・・・これほど幼児教育に最適な生き物がいるでしょうか?  「ムシ」と言いながら、飛ばない・刺さない・速くないの3拍子が揃っているので、虫に抵抗がある子供にとっても「怖くない」につながりやすく、虫を捕まえる、親しむにはもってこいの生き物です。  そもそも『幼稚園教育要領』においては、領域「環境」の中で、幼児と生き物の関りについてその重要性が示されています。  このことを踏まえ、幼稚園の教育活動の中では、様々な生き物を飼育することがあります。飼育活動を通して、そ

          ダンゴムシしか勝たん

          基本的な生活習慣の習得と山本五十六

           法的には「学校」である幼稚園が小学校と大きく違うことの1つに、「(教育活動だけでなく)生活の中で子供たちが学び、育つ部分が大きい」、ということが挙げられます。  多くの子が、初めて親元を離れ、教師や友達と一緒に集団生活を送ることになります。そこでは、着替えたり片付けたり、食事をしたり排泄をしたりといったことを自分で(或いは自分たちで)行っていくことになります。  あれ?それって「自発的な活動」のこと?、とピーンと来た方。「ひとりごと」を読み込んでいただいてありがとうございま

          基本的な生活習慣の習得と山本五十六

          「当番活動」に自発性をもたせるには

           小学校以降の「係活動」や「委員会活動」のように、幼稚園でも「当番活動」が行われています。  私が勤める幼稚園では、昼食前後の台拭きや掃除、飼っているニワトリの世話、砂場のネットや玩具の出し入れなどを、子供たちが日替わり或いは月替わりで当番活動として行っています。  生活を送る上で、誰かが行わなくてはならない事柄があります。しかし、子供たちの自発性や主体性にばかり頼っていては、その事柄を特定の子や教師ばかりが行ってしまうことになります。と言うか、そもそもそんな事柄があること

          「当番活動」に自発性をもたせるには

          自由保育と設定保育

           多くの幼稚園において、保育は「自由保育」と「設定保育」で構成されています。今回は、この2つの保育形態についてつぶやいていこうと思います。 自由保育とは・・・  まずは言葉の定義を見てみましょう。 ん~・・・何だかちょっと分かりにくいでしょうか。どちらかというとこっちの方がここで言う「自由保育」に近いかも。 こちらは「自由遊び」の説明なのですが、どちらにしても自由保育とは、幼児が自発的に活動を選択し、取り組み、展開していく保育と言えます。  次の写真を見てください。

          自由保育と設定保育

          先生の個性が光る「教師の援助」

           「環境構成」と双璧をなす(大げさ)、幼児の自発的な活動(=遊び)を引き出すためのもう1つの先生の役割が「教師の援助」です。  これには少々いきさつがあります。  以前紹介した幼稚園教育の法律的存在『幼稚園教育要領』ですが、小・中・高等学校の『学習指導要領』と同様に、10年おきに改訂されます。令和5年現在は、平成30年度版の『幼稚園教育要領』が施行されていますが、ここ20年は、小・中・高等学校と比較して、それほど大きな改訂は行われていません。というのも、平成10年度版が非常

          先生の個性が光る「教師の援助」

          先生の腕の見せ所「環境構成」

           前回、幼児の自発的な活動(=遊び)を引き出すために、教師には大きく2つの役割があることをつぶやきました。1つは「環境構成」、もう1つは「教師の援助」です。  今回は、その「環境構成」についてつぶやいていこうと思います。 環境構成の種類  広い意味で、幼児の身の回りにあるものは全て「環境」と言えます。ただ、幼児教育において、教師はその環境に「教育的価値(学びの要素)」を含ませる必要があります。  となると、ある程度分類した方が分かりやすい。なので、幼児教育業界では一般

          先生の腕の見せ所「環境構成」

          「遊び」を引き出す教師の役割

           さてさて前回までは、幼児教育とは「遊びを通して行われる教育」であり、「遊び(=幼児の自発的な活動)」を通して幼児は(非認知能力を中心とした)たくさんのことを学んでいる、といったことをつぶやいてきました。  ここで疑問となってくるのが、じゃあ幼稚園では子供たちが好き勝手に遊んでいるのか?ということです。  答えはYesでありNoでもあります。  「どっちなの!?」と突っ込まれそうですが(笑)、正確に言うと、子供たちにとっては好きに遊んでいるのだけれど、それは教師による綿密

          「遊び」を引き出す教師の役割

          遊びの中の学び

           幼児教育は、「遊び」を通して行われる教育です。それだけに、「遊んでばかりでどこに学びがあるのか分からない」という意見がよく聞かれます。  それはもしかすると、「学び」というものを見えやすく、(得点化するなどして)認知しやすいものと狭義的に捉えているところからきているのかもしれません。でも幼児期の学びとは、そのような認知しやすいものよりも、むしろ認知しにくいいわゆる「非認知能力」を指すことの方が圧倒的に多いのです。  次の画像を見てください。  子供たちが「お店屋さんごっ

          つとむ先生のひとりごと

          「あっ!ひとりごとやん!」・・・そう思われた方、なんとネット上にも登場しちゃいました! 「何?ひとりごって??」・・・そう思われた方、初めまして。私、つとむ先生と申します。『つとむ先生のひとりごと』は、私が担任するクラスで、2週に1度発行されるクラス便りの裏面に不定期連載しているコーナーです。  このコーナーは、保育の裏話やそこに込めた思いを、何やら小難しく、面白おかしくつぶやいていくコラムめいたものです。なにぶん、好きなことはとことん追求(興味がないことはてんで知らない)の

          つとむ先生のひとりごと