見出し画像

誰のことも大切にできないから看護師辞めます。

寒いのが苦手な私にとって、最近あったかくて嬉しいな〜と思いつつも、暖冬かあ…という残念な気持ちも感じる今日この頃です。

プライベートでもまだほとんどの人に伝えてないけど、今年の7月に看護師を辞めることにしました。病院ではなく、看護師を辞めます。自分の中で「もういいかな。」って区切りがついたのと「もう無理かも。」と感じたからです。


看護師の仕事は、学生の時に想像していた以上に大変な仕事でした。
人の命を預かるという責任の重さ。急変があった時「あの時気付けていれば。」「もっとできたんじゃないか。」という罪悪感。認知症だとわかっていても、同じ説明を1分おきにするストレス。トイレの場所が分からなくて、退院したくて部屋から出てくる患者さんを転ばせたらいけない。転んだらスタッフの責任。そんな人を見ながら10人(夜勤なら20人)の検温に回って異常があれば対応しなければいけないプレッシャー。

もちろん、嫌なことばかりではありません。患者さんとのお話しは楽しいし「ありがとう。」と笑顔で言ってくれた時は嬉しいものです。すごく素晴らしい職業だと思います。


ただ、私にはもう限界でした。
「お願い、お願い、帰りたいの。帰らせて」と何度も言われた時。優しくしたいのに「馬鹿野郎。この野郎。」と、暴言と暴力に怯えながらケアに入らなくてはいけない時。もっとゆっくり話したいのに、他の人の検温やナースコールで退室しなければいけない時。「呼び出し?忙しいもんな、大丈夫だよ。」と言いながらまだ話したそうに、残念そうな顔をした患者さんの顔を見た時。

理想を言えば、早く仕事終わらせて時間を作ったり、記録を後回しにしたりすればいいのかもしれないけど、私にはできなかった。要領の悪さは素直に認めるし、自覚してます。検温だけじゃなくて記録してコストとって看護問題評価して。委員会の仕事もあるし、受け持ち患者の退院の準備もしなきゃいけない。それでいて、白衣の天使でいなくてはいけない。

1番のストレスは、看護師を嫌だなと思いながら仕事をしている事でした。私、このままだと誰の事も大切にできない。誰に対しても優しくなれない。それは患者さんにもだけど、自分に対しても。それが辛かった。

看護師が幸せになりたいと思う事、自分を大切にしたいと思う事はいけない事なのでしょうか?
白衣の天使だから。病院にお金払ってるんだから。国家資格なんだから。お金もらってるんだから。だからと言って、自分の気持ちを犠牲にしてまで働くのはおかしいと思った。私は看護師以前に人間なんです。

年明け師長さんに3月末で辞めると伝えた時「ダメだよ。あと1年後ね。」と言われました。じゃあ7月末でお願いしますと2回程お願いしてようやく受け取ってもらえました。今でも7月に本当に辞められるかは確定ではありません。

私の病棟の場合、次年度の教育係は私が担当という雰囲気だったため、師長さんや他のスタッフに迷惑をかける事は重々承知でした。希望して異動したのに、1年で辞めるなんて。身勝手すぎる、と思うのもわかる。


ただ、仕事と自分の人生を天秤にかけた時、大切にしたいと思ったのは自分の人生でした。私は元々自己肯定感が低くて、自信がなかった。変な自信(過信)は持ってたけど、看護師として働き始めて良くも悪くも打ちのめされた。私、看護師向いてないわ。って。

そんな時に色んな人に出会って話をして、色んな生き方がある事を知った。看護師だけが生きる道じゃない。人生で1回くらい好きに生きても良いじゃん。誰のためじゃなく自分のために生きたい。自分の事を大切にできないのに、他の人を大切にできるわけがない。優しくなんてなれない。

定年まで現役で病棟看護師やってる先輩、心の底から尊敬する。うちの母親も介護福祉士だったけど、子供3人養うために夜勤もしてました。今だからわかるけど、本当にキツかっただろうな。

辞めてみないとわからないけど、正職員の病棟看護師はもうやりたくない。正直、自信ない。


辞めてどうするの?って聞かれて留学か旅しようかなーと答えてるけど、本当はまだ何も決めてません。まずはゆっくり自分と向き合いたいのが正直な気持ちです。海見ながら太陽の日差しを浴びて毎日ボーッとしてたい。何も考えずに日々を過ごしたい。歯列矯正が終わったら、しばらく日本を離れて旅しようかな。英語も話せるようになりたい。


これは余談だし全然予定はないんだけど、もし結婚とか出産とかした時に「あの時…」って後悔したくないんですよね。「この人とあの時結婚しなければ。」「子供がいなければ。」って思ってしまいそうなのが怖い。そんなの悲しすぎるし、相手にも失礼だと思う。だから、やりたいと思った事は、今のうちにやろうと思う。今ならまだ私だけの責任だから。

1人で生きていけるほど強くはない。でも誰かに依存しないと生きていけないほど、弱くはなりたくない。よく「若いって良いね。」って言われるけど、若さはいつまでも続くものじゃないし、ずっとは言ってられない。自分が30歳になった時に、軸となるものをしっかり持っていたい。もう2月も終わってしまうけど、自分と向き合って自分を大切にできる年にしたい。中途半端は性に合わないから、7月まではとにかく仕事頑張ろう。