Chiho-Sun

10代の頃から「食べるとは何か?」を自問自答し続けています。様々な視点、切り口の「食本…

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10代の頃から「食べるとは何か?」を自問自答し続けています。様々な視点、切り口の「食本」を通じて食のインナートリップを楽しみたいと思ってます。

最近の記事

食本Vol.15『歴史を変えた6つの飲物』トム・スタンデージ

☆今では”フツー”な飲物たちの知られざる歴史と人類に及ぼした影響に思わず唸ってしまう本 ビール、ワイン、蒸留酒、コーヒー、お茶(緑茶でも紅茶でも)、コーラ。この6種類の飲物の中で今日飲んだ飲物は? わたしは毎朝必ずコーヒーを一杯。食事の後にはだいたい緑茶。 ビール、ワインはうーん。。。最近は飲まなくなったなぁ~ と、言う事で 今ここに挙げた6つの飲物は今やスタンダードな飲物。 味や香り、フレーバーや産地やマリアージュなどについて語り合う機会はあっても「そもそもビールっていつ

    • 食本Vol.14『キッチンの悪魔』マルコ・ピエール・ホワイト

      ☆一人の天才三ツ星料理人の生き方を通して人間の食への貪欲さを知る本 いきなりですが、 私はミシュランの星を獲得したレストランに行ったことがありません。 興味がない、というわけではありません。メディアなどで取り上げられるミシュランの星を獲得した様々なレストランを見るにつけ、シェフの料理に対する情熱や料理、店舗の雰囲気、サービスに至るまで、きっとメディア越しに見ているだけより、行って味わってこそ素晴らしい経験となるのだろうなぁと思います。 ただ、超庶民の私としてはなかなかの決心

      • 食本Vol.13『全国もなかぼん』オガワカオリ

        ☆日本中のもなか250点が集結したもなかだらけの本 たまにはティーブレイク的な食本を取り上げてみようかと本棚から引っ張り出してみました。 と言っても、私自身、もなかが大好物、というわけではなかったのです。 いや、むしろ、子どもの頃はもなかをおやつにいただいてもちょっと苦手。 もしかしたら「あるある」ネタかもしれませんが、パクっと口に入れた途端に上あごにへばりつくあの何とも言えない感触... やっぱりこどもにはもなかの奥深い味わいはわからなかったのだな~と子供の頃の記憶をうっす

        • 食本Vol.12『伝統食の復権』島田彰夫

          ☆日本人の”失われた食文化”の復権を常に伝え続けた一人の学者の本 先日、あるニュース番組でこの1年間でパックごはんの売上が急激に伸びていると報じていました。 主な理由は次のようなことだそうです。 その1:炊飯の手間暇の省略、時間短縮 その2:保存食防災食としての備蓄量の増加 その3:1回当たりの米の消費量の減少 日本人のコメ離れが進んでいると言うニュースにもはや驚きはありませんが、ごはんを炊くことを「面倒」と思うような時代になっているということには何か寂しさを感じます。

        食本Vol.15『歴史を変えた6つの飲物』トム・スタンデージ

          食本Vol.11『イカの心を探る』池田 譲

          ☆イカ目線の”世界”を知ることができる本 いきなり旨そうな写真ですみません。以前旅をした静岡県賀茂郡西伊豆町ローカルグルメの『イカ様丼』です。西伊豆町はスルメイカが特産で、仁科漁港から水揚げされたスルメイカをすぐさま捌いて醤油漬けにしたものとそのままのもの2種類をごはんの上にドカッと乗せたイカ様丼が名物です。 イカ好きにはたまらない一品です。 そして私はイカが大大大好きです。 と、いうことで今回の食本はイカが主役です。 そして、イカを人間の”食”として見る本ではなく、タイ

          食本Vol.11『イカの心を探る』池田 譲

          食本Vol.10『フードテック革命』外村仁

          ☆食産業の「今」と「すぐそこにある未来」を俯瞰で捉える事ができる本 2020年7月20日初版発行の本です。 世界中がコロナ禍に見舞われ、困惑、不安、閉塞感が人々の生活や身心をむしばみ始めていた頃です。 本書のタイトルである「フードテック」におけるムーブメントはその前から主としてアメリカから始まっていました。 本書の著者、監修者の皆さんは2016年のアメリカ シアトルで開催されたSKS(スマート・キッチン・サミット)が自分たちにとってあまりにも衝撃的な出来事であったと書かれて

          食本Vol.10『フードテック革命』外村仁

          食本Vol.9『デザートの歴史』ジェリ・クィンジオ

          ☆デザートへの向き合い方が変わってしまうかもしれない本 どんなモノやコトにも生まれてきた理由や歴史があります。 でもこの”デザート”についてはあまり歴史を意識しないモノだったと思います。この本に出会うまでは。 だって、目の前にデザートが現れた途端、ついテンションが上がってしまい、無心になって至福の時に浸ろうと思ってしまいますから。 でも実はデザートが今のような位置づけになるまでには波乱万丈の歴史があったのです。 表紙からもうあま~~い。 ☆それは中世から始まった デザート

          食本Vol.9『デザートの歴史』ジェリ・クィンジオ

          食本Vol.8『地域の誇りで飯を食う!』真坂昭夫

          ☆地元を隅々までもう一度見直してみようと思うきっかけをくれる本 今回の食本は「食う」という意味が今までの食本の「食べる」とはちょっと違う切り口です。 潔い!と思える、どストレートなタイトル。 本書は簡単に言えば、とある小さないなか町の町おこしの物語です。 でもただの物語ではない。隅から隅まで誇張も美辞麗句も出てこない、ノンフィクションです。 岩手のてっぺん!岩手県二戸市。本書の”主人公”となった地域です。 ☆”何もないまち”を変えた奇跡の物語 本書は岩手県二戸市、とい

          食本Vol.8『地域の誇りで飯を食う!』真坂昭夫

          食本Vol.7『江戸の食卓に学ぶ』車 浮代

          ☆今日から使える!江戸庶民の知恵がいっぱい詰まった本 これは本当に偶然だったのですが、久しぶりに書棚からこの本を引っ張り出してページをめくってちょっと驚きました。 そうですね。福引でティッシュじゃない、その次の賞品がもらえた時ぐらいの驚き。 この本の「はじめに」の書き出しがちょうどTOKYO2020が決まった!という内容の書き出しだったのです。 一瞬、まるでタイムスリップしたような気分でした。 著者がなぜTOKYO2020について触れていたのか、というと、この年~201

          食本Vol.7『江戸の食卓に学ぶ』車 浮代

          食本Vol.6『バール、コーヒー、イタリア人』島村菜津

          ☆バールとはなんぞや?を通してイタリア人のアイデンティティを知る本 自分でもなぜこの本を買ったのか、が思い出せないのですが、初版発行日を見ると2007年3月20日。2007年の日本の大きな出来事の中で”食”に関わる事をたどって見ましたら「各地で食品偽装発覚」「中国食品への安全性問題深刻化」などに注目が集まっていた年でした。 また、”不都合な真実”のゴア氏がノーベル平和賞を受賞した年でもあったようですね。 今から14年前、のことになるわけですが、私自身もご多分に漏れず、食

          食本Vol.6『バール、コーヒー、イタリア人』島村菜津

          食本Vol.5『月と農業』ハイロ・レストレポ・リベラ著

          ☆月が人間の食に関わる営みに必要不可欠であることを再認識する本 昨今では民間ロケットの宇宙旅行実現で月ビジネスという言葉が聞こえてくる時代になってきましたが、多くの人間にとって月とはまだまだどこか神秘的であり、詩的な存在です。 夜空に煌々と光を放つ満月を仰げば、ささやかな願いをつぶやきたくなりますし、三日月のあの細い曲線と鎮かな光には安らぎを感じたりします。 このように都市型の生活の中では月というものはどこか抽象的で”お守り”的な存在なのではないかな、と思います。 ですので

          食本Vol.5『月と農業』ハイロ・レストレポ・リベラ著

          食本Vol.4『シネマ&フード』CUEL(料理)

          ☆「映画を食卓に連れて帰ろう」 サブタイトルがこの本の全てを表している、と思える名サブタイトル。 私自身、映画が大好き(雑食です。~ジャンル問わず、映画自体が好き)で食べることも好き、という者にとっては「待ってました!」という本です。 表紙からもうわくわくします ロスト・イン・トランスレーション(2003年)。フランシス・コッポラの娘ソフィア・コッポラの2作目。「ヴァージンスーサイズ」で衝撃の監督デビューをした彼女の次の作品として大注目されてましたね。 ロスト・イン・ト

          食本Vol.4『シネマ&フード』CUEL(料理)

          食本Vol.3『ふぐの本』海沼 勝著

          ☆一人の研究者がただただひたすら真剣にふぐの全てを伝える本 神保町古書店街をぶらぶらしていた時に、とある書店先に「特価本」として積まれていた本の中に埋もれていた本です。 タイトルのシンプルさと「なぜふぐで一冊???」ということと、価格が300円ということで思わず買ってしまいました。初版発行日が昭和50年12月1日となっています。 装丁はこれ以上のシンプルさはないというぐらいのシンプルさ。書体も好きです ブックケースもこんな感じ。「ふ」が少し切れている所が気に入ってます

          食本Vol.3『ふぐの本』海沼 勝著

          食本Vol.2『食の名言辞典』平野雅章・服部幸應他 編

          ☆世界の名だたる偉人たちが残した食の名言740 ひと口に食と言っても切り口によって全く異なるし、人によって思い描く内容は様々でしょう。 それを一冊の辞典にしてしまったというのがこの本。 しかも一つ一つの名言は名だたる哲学者、芸術家、経済学者、政治家、小説家、物理学者、時の将軍、詩人、作曲家。。。 時代も国もジャンルもオールフリー! よくぞ集めました。740項目。 さらにまたそれを分類。 サイズ感もまさに辞典です。 厚さ5cmぐらいかな。机に置いて見ないと手首が疲れますw

          食本Vol.2『食の名言辞典』平野雅章・服部幸應他 編

          食本Vol.1『食の歴史』ジャック・アタリ

          ☆食とか食べるとか。 はじめまして。 note初投稿者のChiho-sunです。 10代の頃からなんとなくですけれど「食べるってどういうことなんだろう」という事が常に頭の隅っこにありました。 だからと言って研究者になるとか専門家になるとか、そんなことは考えたことは無かったのですが、実際の人生は「食」に関わるお仕事にずっと関わらせてもらってます。 でも。 「食」とひと言で言ってもあまりに広いし深い。 連日様々なメディアで取り上げられている「食」は食を語る上ではほんの一部でしょう

          食本Vol.1『食の歴史』ジャック・アタリ