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学校に行かないという選択。「我が家の裁縫男子たち。」


タスマニアに住んでいる私の友人が帰国の際に、産まれたばかりの末娘のお土産に選んでくれたのは、ラベンダー色のクマのぬいぐるみだった。

末娘は、他のぬいぐるみには、鹿には「シカさん」、犬には「ワンちゃん」など、そのままの名前をつけているのだが、このラベンダーベアにだけ、「メェメェ」と名付けている。ぬいぐるみの中でも、特に気に入っており、寝る時にも、欠かさず布団に連れて行く。

以前から、末娘に、ラベンダーベアの洋服を作って欲しいと言われていたのだが、然程、裁縫が得意でない私は、なかなか末娘の要望に応えられずにいた。

昨日も、「お母さん、メェメェの洋服、いつ作ってくれるの~?!」と言われたのだった。

う~ん、今からやるしかないか、と思っていると、二男が、「作ってあげようか?」と申し出てくれた。

小学校で裁縫セットを購入するのは、5年生になってからだ。

長男は、ずっと私の裁縫セットを使っていて、5年生の時に、学校のカタログを見せてもらったものの、裁縫箱のデザインに気に入ったものがないからと購入しなかった。

学校には行っていないが、裁縫セットは、これからも使うだろうし、本人も欲しいと言うので、インターネットで裁縫セットを探した。長く使えるデザインでコンパクトなものがいいという希望だった。

検索していると、横から二男がパソコンを覗き込む。長男が裁縫をする様子は今までも見ていたので、興味があるのだろう。

「裁縫セット、使う?」と尋ねると、
「うん!」と即答したので、二男の裁縫セットも一緒に購入した。

学校では〈5年生〉と決まっているようだが、実際は、子どもが興味を持ち、やりたいと言ったタイミングが、始める時なのだと思う。

裁縫セットを買ったその時、二男は1年生になったばかりだった。

二男は、裁縫セットを買ってから今まで、自分のぬいぐるみの服や、すみっこぐらしのマスコットなどを作りをしていた。自分でやりたいという気持ちが強い二男は、私が何か教えようとすると、嫌がる。とにかく、自分でやりたいように、自分のやり方でやりたいのだ。

それはとても大事なことでもあると思う。

最初から誰かに教わることも悪いことではないが、まず、自分でやってみたいという気持ちを損なってはならないと思っている。

思うように行かないときや、失敗した時に、誰かの助けが必要だと子ども本人が感じ、声を上げた時に手伝えば十分なのだ。


「ピンクがいい!ボタンも着けて〜!」

「あと、手袋も!!」

「帽子も作ってほしい!!!」

と、次々に注文する末娘に、イヤな顔ひとつせず対応する二男。

母は、二男を尊敬している。この対応力、見習いたい。


長男は、友だちから借りた漫画
「鋼の錬金術師」のロイ・マスタング大佐の手袋の刺繍を始めた。

こちらがロイ・マスタング大佐。


私は、裁縫がそれほど得意でない。難しいことは教えられないなぁ、とつい尻込みしてしまうこともあるだが、子どもたちにとっては、それは問題にもならないのだ。

子どもたちは、自分でやりたいから、どんどん進んでいく。

どうしてもわからない、難しい時には「手伝って」と声がかかるので、その時には、一緒にやるようにしている。

私の方から手伝う?と声を掛けるなどすると、長男は、「自分の経験値上げたいから自分でやる。」といい、二男は、「自分でやれるから大丈夫。」という。


やはり、私に、出来ることは、邪魔しないことだけなのだと、子どもたちの姿から日々、感じるのだった。

二男が作ったお洋服と手袋。
長男が刺繍した手袋。


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