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#短編小説

鏡の中の自分

鏡の中の自分

口の結び目と頬の間の線が
なんだか濃くなったなと思い始めてから
見た目の変化が気になり始め
もう若いカテゴリーからは
外れていたんだなと実感した。

薬局へ行ってクリームを買ったり
顔のマッサージを検索したり
美顔器の口コミを眺めてみたり。

小さな抵抗をしている自分に
美意識があったのかとびっくりした。

顔のマッサージをして
工程がたくさんある美容クリームをのって
リラックスできるハーブティー

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はじめはソ♯から

はじめはソ♯から

暖かな日差しが差し込み
植物たちがそよ風に揺られダンスする。
まるで日光浴を心から楽しんでいるよう。

小さな生きものがトテトテと枝先に集まってきた。

澄み切った地中海ような青い顔や
しっくり落ち着いた竹のような緑色
お日様の温もりを十分に浴びた赤オレンジや
キラキラ輝く黄色の飾りがついたの鳥たちが
小枝の間から顔を出す。

小さな葉がシェイクダンスを始めると
周りの木々もつられて葉を揺らし

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刹那的に生きる

刹那的に生きる

枝先につけた
小さく平らな葉の集まりが
そよ風に揺られ
青々しい黄緑から黄
そして赤へと変わっていく。

刹那的に生きる。

その言葉を聞くたび
目の前に紅葉が浮かぶ。

たまに会うその人は
幾度ともなく変化する。

どの時も美しく
この瞬間を逃すまいと
神経を一点に集中させる。

次はいつ会えるのか。

私も同じように
すこしは美しく
変化しているのだろうか。

≪落ち葉になる前に≫

瞬きから小さな星が飛ぶ

瞬きから小さな星が飛ぶ

歌を歌うように話す貴方。
その言葉はもうすでに用意されていて
口に出す時、その言葉は過去なのかもしれない。

ずっと同じ時間を共有できていない
同じ地点を過ごせないんだと気付かされる。

ただ、言葉を一つ残らず聞き逃しはしない
と心に決め、口元を真剣に見つめる。

どんな表情だったのかと
ふと気になって視線を上げると
目があってしまった。

じっと見つめる貴方の瞳に見惚れて
頬が赤くなる自分に気づ

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装いがほどけていく

装いがほどけていく

君と話をすると、体がじわーっと暖かくなる。

考えるよりも先に言葉が口から溢れて
息継ぎも忘れて言葉を紡ぎ出す。
思ってもみなかった興奮した自分がそこにいる。

「実は前から興味があったんだ。
少し始めて見たら
思っていたより難しくてね。

ただ、始める前の悩みとは
また別の悩みで楽しいよ。

次は違う方法で挑戦してみようと思うんだ。」

ああ、打ち明けてしまった。
密かに始めていたことなのに。

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