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日記 1/1〜 三日坊主にはなってくれるな

1/1(日)

朝飯:赤飯、お雑煮
昼食:明太フランス
晩飯:あんこう鍋、鰤の照り焼き

謹賀新年。元日だからこそ、今年の模範となるような一日を過ごそうと思い立つ。理想の一日の使い方としては勉強7:読書3ぐらいの配分。だが実際は勉強2:読書8と真逆の結果になってしまった。後悔はしているけれど、昨日読み始めたばかりの村上春樹 柴田元幸「翻訳夜話」を読了できたのでまあ良しとする。音楽は藤井風「死ぬのがいいわ」だけを死ぬほど聴いていた。昨日の紅白を見て改めて思ったけれど、藤井風と太宰治は似てると思う。特に骨格が似ているような気がする。

今年の抱負は、自分を律して一日一日を大切に過ごすこと、勉強と読書にありったけの愛を注ぐこと、そして誇り高きマッチョボディを手に入れること。変な完璧主義を拗らせているので、たとえこれらの指針から逸れてしまうことがあっても腐らずに頑張りたい。日記はできれば毎日書こうと思っている。その日食べたものを最初に記しているのは、武田百合子「富士日記」の影響。三日坊主にはなってくれるな。

1/2(月)

朝飯:赤飯、お雑煮
昼飯:今出川ブラック(らぁ麺 今出川)
晩飯:鳥もも肉の塩焼き

2年ぶりに京都・一乗寺にある恵文社を訪れる。普段行く書店ではあまり見かけないような目新しい本たちがずらりと並べられており、店のお洒落な雰囲気と相まって、いつもなら手に取らないような本を買って帰りたくなる。何かは買おうと決意するもなかなか買う本を決められず1時間半ほど滞在した。ノートパソコンやフィルムカメラが入ったリュックを背負っていたため足がかなり疲弊した。こういう本屋に来るときは必ず軽装を心掛けるべし。

小一時間悩んだ末に中島岳志「思いがけず利他」と平岡直子川柳句集「Ladies and」の二冊を購入。前者は、自身のことばかり考えてしまう自分をどうにかしたくて、24歳にして未だ学生であり社会との繋がりが希薄なことに悩む自分を救いたくて手に取った1冊。後者は、最近俳句や川柳といった簡潔な表現形式が持つ、豊かなイメージを喚起させる力に惹かれ始めているので選んだ。自分の中の何かを変えてくれる言葉を求めて、今年もたくさんの本を大切に読もう。

1/3(火)

朝食:焼肉、目玉焼き
昼飯:マクドナルド てりやきチキンフィレオセット
晩飯:キムチ鍋

家族で地元の神社と祖母の家の近くにある神社に参った。市にあるか町にあるかで、神社に参拝しに来る人の数には明らかな差があるものだ。市の神社は駐車場がいっぱいで、参拝するのに時間がかかるし何だか落ち着かなかった。町の神社の方は閑散としているんだけれど、宮司さんと焚き火で暖を取りながらお話しできたり、みかんをもらったりと温かい交流があった。神社参りを済ませた後、今後読み返すことがないであろうと思われる本(主に大学一年生の頃に買ったもの)を売りにBOOKOFFへ行った。バイトとして一度働いていた経験から100〜200円ぐらいの値がつくであろうと予想していたのだが、意外にも555円で売れた。英語のリスニング教材が割と高くついた。そしてそのお金で、昨日に引き続きまた本を買ってしまった。いや、買ってしまったという言い方は良くないな。しっかりと自分の意志で買わせて頂いた。村上ラジオ2、高村光太郎「智恵子抄」、夏目漱石「私の個人主義」、萩原朔太郎詩集、プラトン「プロタゴラス」。かなり満足のいく買い物ができたと思う。今年の自分はすごく良い本たちに巡り会えている。

1/4(水)

朝飯:筑前煮
昼食:なし
晩飯:寿司、蕎麦

他研究室でのアルバイト初出勤。MacBookProとiPadが支給された。論文を読むにも紙に印刷して書き込みをしたい自分にとって、今のところiPadは無用の長物だが有難く頂戴した。研究室には初対面の人が多くいて少し緊張したが、みんな優しい人たちばかりで何だかんだ上手くやっていけそうだ。6時間しっかり勤務した。今日の読書は小島秀夫「創造する遺伝子」。まだ読みきっていないけれど、早速2023年のベスト10入りが決まったかもしれない。それぐらい良い本。小島秀夫の人生観や好きな作品への思いを語る上で選び抜かれた言葉や表現がものすごく心に響いた。小島秀夫の紹介を受けて、自分の好きな作品である安部公房「砂の女」や宮本輝「錦繍」の魅力が一段と増したような気がする。自分もこういう言語化ができるようになりたい。

1/5(木)

朝食:豚の塩焼き
昼食:弁当
晩飯:牛丼、ニラ玉、サーターアンダギー

研究室出勤。最近足の爪の付け根あたりが痛い。一日中靴を履いているから蒸れてばい菌でも入ったか、それとも冬なのにスケスケのサンダル靴を履いているから浅い凍傷にでもなったか、そのどちらかだと思う。それと新年を迎えると同時にYoutubeのアプリをスマホから消去しているのだが、案外なくても困らないものだな。その分音楽を聴いたり本を読んだり、本当にしたいと思うことをする時間が増えた。

今日の読書は、萩原朔太郎「月に吠える」の序文に衝撃を受けた。

「詩は神秘でも象徴でも鬼でもない。詩はただ、病める魂の所有者と孤独者との寂しいなぐさめである。」

萩原朔太郎「月に吠える」

ピースの又吉さんが自身のYoutubeチャンネルで紹介していたためこの一文だけは知っていたのだけれど、序文に書かれていること全てが本当に良くて、自分の中で詩のコペルニクス的転回をもたらしてくれた。今までの自分は詩の表層的な部分(意味や概念)を読み取ろうと躍起になっていたが、これからはもっと感情の震えを味わおうと思った。それも言葉だけではなく、リズムによる以心伝心で。

1/6(金)

朝食:牛丼
昼食:弁当
晩飯:鳥の唐揚げ

研究室出勤。樺沢紫苑「アウトプット大全」を読んで学んだ「全てのメモを一冊のノートにまとめる」というやり方がすごくしっくりきている。論文を読んで調べたことや日記、読書メモ、打ち合わせスライドの構成案などを時系列順に何でもノートに書き殴る。続けていると不思議な快感を味わえて良い。以前まで読書ノートや語彙ノートなど何かテーマを決めて一冊ノートを使っていたけれど、たいてい最後まで使いきれずにいることが多かった。けれどこの「一冊のノートにまとめる」という方法を実践すれば、ノートを無駄にしなくて済むし、何やらアイデアも湧いてくるような気がする。タイピングと手書きじゃ働いている脳の部位が違ってくるのだろうか。今後はなるべく手書きでメモを取ることを心がけたい。

家に帰ると金曜ロードショーで「ハウルの動く城」をやっていた。何度も見ているのにテレビでしているとつい見てしまう。荒地の魔女とソフィーが階段を上っている場面が特に好き。結局あれはどういう話だったんだろ。大人になった今でも雰囲気だけで楽しんでる。

1/7(土)

朝食:七草粥、ぜんざい
昼食:牛丼
晩飯:焼きそば、寿司、なめこ汁

ぐーたらday。土曜も研究を進めようと思っていたのだが、やはり外に出ないと集中して勉強ができない。昼ぐらいには抗うことを諦めて、好きな本を読んで好きな映画を観て過ごすことにした。読んだのは先日恵文社で買った中島岳志『思いがけず利他』。「思いがけず」というフレーズが良い。利他には利己的な一面が見え隠れすることもあると思うから、それをどう解消してくれるのか楽しみ。今日は一章を読み終わり、「人間の業を肯定する」落語の魅力と、仏教の「無我」「変わりゆく私」について学んだ。映画はヴァルディミール・ヨハンソン監督『LAMB』を観た。何度も反芻したくなる奇抜で悲しい脚本とアイスランドの広大な自然の映像美が特徴の映画で、人間のどうしようもない傲慢さが行き着く結末に胸が締め付けられた。観終わった後しばらく茫然としていたが、じわじわと遅れて「ああ、好きだったなぁ」という感触がやってきた。最後の衝撃的な展開をどう受け止めるかでだいぶ好みが別れると思う。

終わりに

一週間だとそこまで苦労することなく日記を書き続けることができた。けれど書いた内容を振り返ってみて、ほとんど読書日記になってしまったなぁと反省。まあでも自分の好きなことをこれからも雑多に書いていこうと思うので、もし読んでくれている人がいたらこの日記がいつまで続けられるのか是非見守っていただきたい。砂肝でした。

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