マガジンのカバー画像

砂肝の本棚

13
砂肝が読んだ書籍に関する記事を集めています。
運営しているクリエイター

2022年9月の記事一覧

志賀直哉「城の崎にて」

志賀直哉「城の崎にて」

来月城崎に行く予定があるので、志賀直哉「城の崎にて」を読み返した。わずか10ページほどの掌編。気が向いた時ササっと読める手軽さが良い。

作品のテーマは,ざっくり言うと「死」について。電車に撥ねられ生死の境を彷徨い、九死に一生を得た主人公が、療養のため城崎を訪れ、その土地で目にした蜂や鼠、イモリなど小さな生き物たちの姿を通して、自身の生と死に思いを馳せるといった内容。

文章の味わいはスッキリとし

もっとみる
小林秀雄 岡潔「人間の建設」 ~思索と言葉~

小林秀雄 岡潔「人間の建設」 ~思索と言葉~

「人間の建設」を読み返した。小林秀雄と岡潔、文系と理系の天才二人が繰り広げる知的な雑談を収めた対談集で、学問における「情緒」の大切さを説いた内容は、読み返すたびに背筋が伸びる思いがする。この本とは2年ほど前、スケザネさんという書評系Youtuberの方が紹介されている動画を通じて出会った。もうかれこれ5~6回は読んでいるほどの愛読書だ。そして自分の哲学、生き方を作り上げていく上で重要な一冊でもある

もっとみる