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サーフボードを乗せて


思いがけない人からの連絡。

「超久しぶり〜」

「元気にしてるかな?」
「もちろんサーフィンはしてないよね?」


突然、連絡をもらった。
3年ぶり?5年ぶり?

驚いたけど、覚えていてくれたことも
こうして話しかけてきてくれたことも、
素直に嬉しい。


連絡があるなんて、あまりに突然すぎる。
きっと、何かあるのだろう。
どうしたのかな?

それを心に置きながら、
久しぶりに会話を楽しんだ。


サーフィンをしていたあの頃を思い出す。
一緒に遊んで楽しんだ時間が蘇る。


サーフィンを初めたばかりの私と幼馴染。
新参者で初心者の私たちに、
声をかけてくれて、親切にしてくれて、
いろいろ教えてくれた。

頼りにしていた存在。

彼らがいたから、
安心してサーフィンを楽しめた。




サーフィンをしたのは、6年前。

当時の私は、絶不調の中にいた(笑)

母と旦那と子どもと同居と
ストレスフルな環境に心身が疲弊していた。


このままでは自分が潰れてしまう……
自分が楽しめることをしていきたい。

悩みを抱えながらも、
楽しみを見出そうとしていた。

かといって、自ら向かえるほどの
体力や気力が出ない。

それほどまでに、ストレスに疲弊していた。
当時、常に考えていたことは、
この状況や環境からの打破!

だけど、動けるほどの力が働けずにいた。




そんな頃、幼馴染から
思い切ったお誘いを持ちかけられた。

一緒にサーフィンを始めない?


「私は、かなり本気よ!ボードも買った!」
「ウェットもいいのがあったから見たいんだ」
「ねぇ、一緒にサーフィンやらない?」
「これからボード取りに行くから、一緒に行かない?」
「体験もしたいと思ってるから、ゆうゆう一緒にやろうよ♪」


いきなりだった(笑)
すでに本気モードの彼女の誘いにびっくりもしたが、
その勢いとやる気に満ちた彼女の明るさに、
吸い寄せられていった。

これはチャンスかな?!

自然に流れてきた出会い。

何だろう、チャンスや機会というのを
目の前にぽんと、差し出されたような気持ちになった。




私の頭と心と身体は、スキャンをされているように
考えがぐるりと巡っていった。


何かをしたいけど動けない今、
果たして私は行動していけるのか?

サーフィンをするほどの余力はあるのか?

今の状況から、自分自身として、
本当にサーフィンをしたいと思えるのか?


ぐるぐる考えが駆け巡る。

49対51

できるかなぁ……
う〜ん……どうだろう……
そう思う気持ちの方が上回っていた。

そう私が悩んでいると、
やる気に満ちた彼女は言う。

「やろうよ〜やろうよ〜」
「一緒に始められるなら嬉しい」
「まぁ、無理にとは言わないけど、
せっかくだから一緒にと思って声かけたの」

そう思ってくれることは、何とも嬉しく、
有り難い✨


だが、う〜ん……

確かにやるなら一緒の方が楽しいな。
一緒に始めるのは、スタートが一緒で嬉しいな。

サーフィンは一生のうちにやってみたいことの一つ。
でも、自分からサーフィンをやろうとまでにはならない。

こんな風に誰かに誘って貰えなければ、
きっと、ずっとやらないだろうな(笑)

チャンスではある。
何かをしたいと思っていたところだし。

だけど……できるかな……


私の揺れる気持ちを見て、
彼女は背中を押す。

「ゆうゆうならできるよ」
「私は本気だけど、やるだけやってみたらいいんじゃない?」
「体験もできるみたいで、体験やろうと思ってるから、
一緒に体験してみようよ」


あ〜!それなら良さそう♪

サーフィンやりたい気持ちはあるけど、
続けられるかわかないし、
まだ、同じ気持ちまでにはなれていないから、
体験ならやってみたい✨


彼女は目を輝かして、
「やったー!」
「やろうやろう♪」

51対49

気持ちがひっくり返った。

彼女の明るさの波に乗り、
私たちは、サーフィンを体験した。




初ライド!


1本目から乗れちゃった!(笑)

気持ちがいい✨

数本、波に乗って楽しさを味わった♫


楽しかったーーー!
誘ってくれて、ありがとう!!


ね、ね!
楽しいでしょ!
一緒にやろう〜♪

彼女の勢いが止まらない。

買いたてのボードやウェットと彼女を見ながら、
私もボードとウェットを眺める。

彼女の勢いの波に乗ってしまった私。
彼女と同じく、ボードとウェットを即決してしまった。

これは、やるしかない!(笑)


自分で動き出せない私にとって、
彼女のような存在は、とても有り難い✨

チャンスを運んでくれて、ありがとう!❤️

その夏は、
サーフィンをたくさん楽しんだ🏄‍♀️





サーフボードとウェットを即決した私を見て、
夫の言葉は、

続けられるかわからないのに、買ったの?
バカじゃない!
どうせ続かないよ。金の無駄遣い。

酷い言い草だった。
当時、夫婦間も険悪だったしね。


夫が言っていることもわからなくはない。
自分も続けられるかなんて、そんなのはわからない。
性格的に、続かないだろうなと自分でも想像できる。

だけど、それでもいい。
手にしたかった。
思い切りたかった。

自分を行動させていけるように……


絶不調の中にいて、
もがいて、打破を考えていたあの頃だったから。

自分では動き出せない、
気力と体力だったから。


私は、他力を借りて、
自分の中を変化をさせていきたかった。


続かなくたって、後悔なんてしない。

今のその瞬間を楽しむために、
私は私へ投資したんだ。

どう思われたって構わない。
私自身が納得していれば、それでいい。


私は、2シーズン
自分のサーフボードとウェットで
サーフィンを楽しんだ💕

サーフボードはその後ずっと
部屋に飾られていた。


そんな夏の思い出✨




彼女は今でもサーフィンを続けている。
本当に好きなんだろう。
続けていることがとても素敵だ。

私はほんのひとときだったけど、
本当にサーフィンを楽しんだ✨

一生のうちにやってみたいこと。
その願いが叶えられた!


サーフィンを始めたばかりの頃
彼女はサーフィンの友達をたくさん作ろうとしていた。

その時に出会った彼らと時々サーフィンを楽しんだ。



「もちろん、サーフィンはしてないよね?」

「サーフィン……してないよ(笑)」


久しぶりの会話。
あの頃の話や近況を話す。


「ボードもう使わないの?」

「サーフィンをやる体力はなさそ〜(笑)」


「ボード売るとしたら、いくらくらい?」


うん、それだよね。
きっと、それかなと思ったよ♪

ずっと飾っていたサーフボード✨
使っていただけるところへ向かわせる時がきたようだ。

今まで、私を楽しませてくれてありがとう💕


「もし良かったら今度見せてもらおうかな〜」

「いいよ〜♪今度見せます」


お別れだね!

私のサーフボードちゃん✨✨

元気でね♫



「わ〜状態いいじゃん!」

「でしょ〜♫」


「お茶しよう〜奢るよ〜」
「わ〜い、ありがとう〜」




久しぶりに、サーフボードを乗せて
車を走らせた。

なんだか懐かしい。
これからサーフィンへ向かうみたいだ。

こうやって走っていたっけ。


サーフィンをしないけど、
サーフボードを乗せて走っているだけで、
気分はサーファー♫

音楽もかけて
海沿いを車で走る。

休日を充実しているような気分。
心が満たされた✨


思いがけない幸せ💕


今年も夏が始まる……




〜夏の思い出と〜




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