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「最高の人生の見つけ方」



ジャックニコルソンとモーガンフリーマンのタッグによるThe Bucket List、日本語で「最高の人生の見つけ方」だ。(日本語版の方ではない)

余命宣告をされた老人2人が死ぬ前にやり残したことを実現しようとする。そんな話。

余命宣告をされた人間がやり残したことをやろうとする、という構図は本当に幾度となく繰り返されてきたもので、日本の有名な作品で言うと「君の膵臓をたべたい」や「君は月夜に光り輝く」、「四月は君の嘘」なんかは全部その類だ。全部 君 って付くのが少し面白い。こう言った“不治の病もの”とでも言うべき作品群は、普遍的な価値を持つ。人はいつか自分の死を前にするし、その前に何度も何度も他人の死を前にする。不治の病ものの見方にはその二通りがあると僕は考える。”死にゆくもの”としてどう作品を受け止めるかがひとつ。そして”死を見届けるもの”としてどうあるべきかを考えるのがもうひとつ。

今回の作品で言うと、モーガンフリーマン演じるカーター・チェンバーズはその両方を備えていたと考えられる。自分自身が死に行く身でありながら、同時にエドワード・コールの死を見届けるものとしての役割も果たすのだ。この二つの見方を同時に考えさせられるようなキャラクターは「ナルキッソス」の主人公なんかが当てはまるだろう。

もっとも普遍で本質的なテーマとして、僕はいつも「死」と「家族」と言う二つの言葉を挙げている。今回の作品はその両方をしっかりと持ち合わせていた。僕にとってはそれだけで作品を見る価値があると言える。むしろ、人生なんてその二つだけを追いかけているようなものだと、そう思えさえしているのだから。

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