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ADHDを隠してきたキャリアを振り返る(リモートワーク下の働き方)

僕はADHDである。しかし誰にも明かさずに働いている。色々思うことがあって、せめてネットだけでは本当の自分を残したいという気まぐれで、自分のキャリアを振り返った。
今回は大学院に通学しているときの、僕の働き方について振り返った。
※下記の記事の続きです。


転職して1年でリモートワークがメインに

僕は大学院入学の1年前に、転職している。当然、ADHDであることは隠している。詳しくは言えないが、IT企業だ。
入社から1年後。丁度その頃からコロナが流行し始めた。そして、リモートワークがメインの働き方に変わったのである。
リモートワークは、ADHDである僕にとって、大きなメリットとデメリットがあった。

リモートワークは隠しながら自分らしく働ける

何より、自分のペースで働けることが魅力だ。
僕はオープンオフィスというやつが、非常に嫌いであった。周囲の物音が、気になってしょうがないのだ。
一般的に感覚過敏はASDの特性と言われるのだが、僕は人の物音が大の苦手。
笑い声、怒鳴り声、貧乏揺すり、行き交う人々の目線、タイピング音・・・
そんな他者が生み出すノイズに左右されずに働けるのは、本当にありがたい。

また、「いつ服用がバレるか」という不安も無くなった。
以前は職場付近で朝食をしてから薬を飲んでいた。
しかしバッグの中にストラテラとコンサータを入れることで「誰かに見られてしまうのでは」と毎朝ドキドキしていた。
さすがに社会人になってバッグの中身を見る人なんていないが、チャックを開いてバレてしまうのが怖かった。
毎日、薬を飲み込む瞬間が、一番緊張した。
そんな恐怖から開放されるだけで、毎日安堵して働ける。

止まらない過集中

デメリットは、死ぬほど働いてしまうことだ(ケアレスミスの多さは、もはや諦めている前提)。
僕は飽きっぽいくせに、好きなことはぶっ通しで取り組める。発達障がい界隈では「過集中」とも呼ばれる。
酷いときは、食事はおろかお手洗いにもせずに、1日中仕事ができる。

仕事ではないが、ある調べ物をして朝の9時から翌朝の9時まで、ほぼずっとPCで作業をしていたことすらある。

そんな特性もあってか、残業時間は常に36協定ギリギリ。体重も成人男性なのに40kg台である。

過集中の対処法

ただ、幸か不幸か、人事労務という仕事はやるべきことがたくさんある。
うっかり夢中になって締切を過ぎたり、ケアレスミスをしたりしたら、許されない業務まみれだ。
そのため、僕はメモ帳(PCか本当のメモ帳かは、内緒)を開き、常に目につくときに開いている。こうすると、ギリギリ普通のビジネスパーソンに戻ることができる。

ともかく、リモートワークならではのメリットを活かし、デメリットをほんの少しだけマシにすることで、働きながら大学院を卒業できた。

このシリーズの過去の記事です

①ADHDを隠して働いてきたが耐えられずカミングアウトする話
https://note.com/summaset_roumu/n/nc2ead0a3bc1b

②ADHDを隠してきたキャリアを振り返る(診断まで)
https://note.com/summaset_roumu/n/n0a7e21e256c5

③ADHDを隠してきたキャリアを振り返る(人事労務への異動)
https://note.com/summaset_roumu/n/n497094a6b76c

④ADHDを隠してきたキャリアを振り返る(転職と社会保険労務士の受験の決意)
https://note.com/summaset_roumu/n/n1eb19bdc2be8

⑤ADHDを隠してきたキャリアを振り返る(転職まで)
https://note.com/summaset_roumu/n/n43cc5191b909

⑥ADHDを隠してきたキャリアを振り返る(大学院入学)
https://note.com/summaset_roumu/n/n4a01b4eaf49f

⑦ADHDを隠してきたキャリアを振り返る(父の死)
https://note.com/summaset_roumu/n/nd867b6973625

⑧ADHDを隠してきたキャリアを振り返る(MBA取得へ)
https://note.com/summaset_roumu/n/n47c36f16b4ad

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