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セカンドオピニオンで、大学病院へいく│#6

心から信頼できる主治医との出会い

うつ状態を自覚して2ヶ月が経ったころ。メンタルクリニックでもらうたくさんの薬の効果はほとんど感じられず、生理は月に3回もくるようになっていました。

「ほかの病院で診てもらったほうがいいのでは」と悩んでいると、仲よくしてもらっていた後輩のお父さま経由で、大学病院の精神科医を紹介してもらえることになりました。

それが、その後のわたしの支えになってくださる、心から信頼できる主治医との出会いでした。


先生は、宇宙飛行士をはじめとする異常環境で働く人たちのメンタルケアを専門にされていたので
はじめは「地球ですら上手く生きられない自分は論外なのでは……?」と緊張しましたが

診察室に入ってカウンセリングがはじまると、親しみやすくて温かい、いわゆる「親戚のおじちゃん」のような雰囲気でほっとしました。

(ちなみに、大学病院を受診するときは原則として紹介状が必要になります。
基本的にはどの医療機関でも発行できるそうなので、持参することをオススメします。

紹介状がないと、初診料のほかに5,000円ほど費用がかかってしまったり、病院によっては待ち時間が長くなってしまったりするそうです)


「自分のために生きる」を学ぶ

わたしが一通り自分の性格や生い立ち、体調のことなどについて説明すると、先生はうんうんと頷きながらある質問をしました。


「あなたは洞察力が鋭いし、客観的に自己分析ができているね。これまでもきっと、優等生としてがんばってきたんでしょう。

でもさあ、人間って何のために生まれてくるか分かってる?


「え、何のためにって……たとえば誰にも迷惑をかけずに仕事をしたり、社会貢献したりするため……とか?」


「なーに言ってんの! ほんとうに真面目だねえ。

そんなの、幸せになるために決まってるでしょ。

生まれながらに仕事を与えられている牛や馬じゃないんだから、もっと人生たのしまなきゃ。リラックスしなさいよ。」


予想外の回答に面食らった表情をしていると、続けてこう説明してくれました。


「世の中にはね、あなたの父親みたいな他罰的な人と、あなたみたいな自罰的な人が居るんだよ。

父親は平気で周りの人を傷つけて、反省もせずにやりたい放題やってきたわけでしょ?
それなのにあなたは、何でも自分が悪いとか、自分の責任だとか思い込むでしょう。

彼のようになる必要はないんだけどさ(笑)ちょうど中間地点に立てるといいんだよ。

そうじゃないと、自分がかわいそうだしすぐ病気になっちゃうよ」


先生のたとえは的確で、分かりやすいだけでなく
患者の性格や状態に合わせた言葉掛けがほんとうに上手で、ひとつひとつのアドバイスが心に刺さりました。


なるべく薬を使わずに治療する

1時間のカウンセリングが終わると、軽い抗うつ剤と胃薬と睡眠薬が処方されました。

「あなたは芯が強いから大丈夫だよ。薬はお守り程度に考えてね。あとはカウンセリングで治るよ。」

副作用がつらかったのと、身体のためにもなるべく薬を飲みたくなかったので、その言葉を聞いて安心しました。

もちろん、一時的に症状を抑えてくれるので苦しいときには助けられたし
必要とされている方もたくさんいらっしゃるとおもうのですが

薬を飲むのはあくまでも「対処療法」という認識だったので、カウンセリングで自分の根っこの部分にアプローチできるのは、大変ありがたかったです。

こうしてわたしは、2週間に1回程度、先生に会うために大学病院に通うことになりました。

たいへん励みになります!心のなかでスキップをしつつ、チョコとアイスを美味しくいただきます!