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”天才達の隠れ里” ~世界一周旅日記~ バングラデシュ編 【第六章:第10話】雲と地平線の間

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インド、シッキム州。
標高1500M。
坂の町、ガントク。

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坂の町ガントク


驚いた。
なんて綺麗な街並みだろう。


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綺麗な町


道端に設置されている、
公衆トイレ、
ごみ箱。

"ガントクの町を綺麗にしよう"という看板。

ここがインドの一部だとはとても思えない。


最初、この町に到着した時、
雨が降っていた。
そして、僕は道に迷った。

「モダンセントラルロッジというゲストハウスに行きたいのですが知っていますか?」

近くを歩いていた1人の若者に道を聞くと、


「ちょっとここで待っててください。」

彼は、そう告げ雨の中をどこかへ走り去った。


5分ほどして、ハァハァと肩で息をしたがら、
走って戻ってきた彼は、

「正確な情報をつかむため、もう少し待っててください。」

そう告げ、また走り去った。

少し時間が経過し、再度戻ってきた彼は、

「目的地までは距離があるのでタクシーをひろいましょう。」

そう提案してきた。

「いや、タクシーには乗らないで、歩いて行きたいのですが。」
と躊躇する僕に、

「心配しないでください。タクシーのお金は僕が出しますから。
僕の家もそこの近くだから一緒に行きましょう。」


モダンセントラルロッジに着くと、
彼は、
「シッキムへようこそ。」
と握手をして、雨の中、どこかへ消えていった。

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ガントクの町並み



ここの人達は英語をとても上手に使いこなす。
売店のおじさんでさえも。

「すいません。その英単語の意味を僕は知らないのですが。」
僕がそう聞き返すことが、度々ある。

バングラディシュでは、英語を話せる現地人が少なく苦労したことを思い出す。

顔もインド人のような、
濃ゆい顔ではなく、
日本人のようなモンゴロイド顔で、
どこか親近感がわく顔立ち。


モダンセントラルロッジに到着した僕は、
談話スペースで疲れた体を休めていると、
スタッフの1人、ビジューという人が話しかけてきた。


彼の第一声はこうだった。

「僕はたくさん日本人のガールフレンドがいる。」

彼は4年間ロンドンで勉強をし、
その後、ロンドンのクラブでDJをしていたらしい。


ロンドンで、できたイギリス人の彼女。
そのおじさんがそのクラブの経営者だったらしい。

「ロンドンは忙しすぎるから嫌いだ。」

彼は、いとも簡単に、皆があこがれるロンドンを否定した。

と、日記を書いていたら、
今、
ビジューが、
「何を真剣に書いているんだ。」
とからかってきた。


談話スペースの壁には8点ほどのサイケな絵が飾ってある。

「いい絵ですね。」
とビジューに言うと、

「お兄さんが描いたんだ。」
と言う。

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サイケな絵
  


「お兄さんはプロの画家ですか?」

「いやアマチュアで趣味で描いているんだ。」

「個展とかひらけばいいのに。」

「そのつもりはないと思う。」

「でも、才能を持っている。」

「Yes,but,He don't want.(そうだね。でも彼は、望んでいない。)」

そう言ってビジューは静かに笑った。

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サイケな絵
  


モダンセントラルロッジの別のスタッフの1人が、
「君のギター。貸してくれないか?」
とたずねてきた。

流れるようにギターテクニックが披露され、
僕のギターが、
本来の力を発揮できることを喜ぶかのように、
僕が出してやることの出来ない音を、
気持ちよさそうに発しだした。

「ボンボコボンボン、ボンボコボンボン」
ビジューがタブラーという太鼓を叩きだした。

タブラーからはじきだされる低音のリズムが、
ギターの高音とシンクロする。

ここ、シッキム州は、
外国人は入域許可証を持っていないと
入ることはできない。


才能を持った人達が住む、
インドの中の特殊なエリア。

シッキムとはそういう場所なのかもしれない。


『汝に与えられた生命の時間を生きよ。
力の限りに。』
(モダンセントラルロッジの情報ノートより)


<次号の旅日記は1月29日です!>

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