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読書ノート

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本屋の息子なので、読書は今でも道楽の王道。 iPad のヘビー・ユーザーなので、僕のスタイルは、すべての本を裁断して、電子書籍化。 いつでもどこでも、マイiPad をスワイプしな…
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2024年6月の記事一覧

読書「イニシエーション・ラブ」乾くるみ

読書「イニシエーション・ラブ」乾くるみ

ん?ん?ん?

え? いったい何が起きた?

正直申して、これが本作を読了した瞬間の偽らざる感想でした。

キツネにつままれたような気持で、さらにページをめくったら、もうそこに本文はありません。
僕が読んだ「ミステリー・リーグ特別限定版」では、作者による「11年目のあとがき」になっています。
もしや、これを読んだら「答え」の解説があるかもとおもってのそのまま読み進めましたが、書いてあるのはファンな

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読書「ジェリーフィッシュは凍らない」市川憂人

読書「ジェリーフィッシュは凍らない」市川憂人

本作は、2016年に発表された、第26回鮎川哲也賞受賞作品です。

そういえば、飛行船てみなくなりましたよね。
昭和の頃には、まだ企業宣伝用の飛行船がゆっくりと空を浮遊していた記憶があります。
日立の「キドカラー号」、ブリジストンの「グッドイヤー号」などなど。
たぶん、有人ではなかったと思います。
Wiki してみたら、今はメットライフ生命保険の「スヌーピーJ号」が、桶川の河川敷を本拠地にして稼働

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読書「名探偵のいけにえ-人民教会殺人事件-」白井智之

読書「名探偵のいけにえ-人民教会殺人事件-」白井智之

さて、今回はまだWiki にそれほどデータが出そろっていない若手推理作家の、最新作をチョイスしました。
著者の白井智之氏は、1990年生まれといいますから、今年34歳の若手作家。
もちろん本書を手にするまでは、存じ上げない作家でした。
デビューが2014年で、処女長編が「人間の顔は食べづらい」。
その後に続く作品が、「東京結合人間」「おやすみ人面瘡」。
すべて未読ですので、あくまで印象ですが、ミス

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読書「アクロイド殺人事件」アガサ・クリスティ

読書「アクロイド殺人事件」アガサ・クリスティ

本書は、アガサ・クリスティの長編ミステリーの6作目。
彼女がミステリー作家として、認められることになった記念すべき作品です。
エルキュール・ポワロが活躍する小説としては、これが3作目に当たります。
執筆されたのは、1926年。ですから、今から、ほぼ100年前ですね。
実家が書店でしたので、ミステリーにはまっていた学生時代に、何度か手に取ったものの結局未読のままでした。
今にして思えば、なぜあの時に

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読書「葉桜の季節に君を想うということ」歌野晶午

読書「葉桜の季節に君を想うということ」歌野晶午

21世紀になってからの、日本ミステリーはかなり盛り上がっているようです。
1970年代後半から、ピタリとミステリーとはご無沙汰になってしまった老人ですので、最新のミステリーで読むべきは何かを選ぶのには、読書系のYouTuberの推薦動画を素直に参考にさせていただきました。
ミステリーは好みもありますが、概ねどの動画でも推薦されていることが多かったものが本書でしたね。

「見事などんでん返し」
「絶

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