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イラスト映画劇場

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大学生の頃は、授業にも行かないで、情報雑誌「ぴあ」を片手に、関東一円の名画座を巡っていました。 サラリーマンになってから30年は、映画からは遠ざかっていましたが、定年退職後は、そ…
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#寅さん

第13作「男はつらいよ 寅次郎恋やつれ」1974年松竹

第13作「男はつらいよ 寅次郎恋やつれ」1974年松竹

第13作「男はつらいよ 寅次郎恋やつれ」1974年松竹

さて、第13作です。

本作のマドンナは、第9作「柴又慕情」に引き続き、吉永小百合。
寅さんシリーズには、複数回登場のマドンナが、合計7人います。
ざっと紹介すると、まず浅丘ルリ子が松岡リリー役の6回で、ダントツのトップ。
後藤久美子も、及川泉役で6回登場していますが、彼女は寅さんではなく、満男のマドンナでした。
寅さんのマドンナで言えば、

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第14作「男はつらいよ 寅次郎子守唄」1974年松竹

第14作「男はつらいよ 寅次郎子守唄」1974年松竹

さて、オープニングの夢のシーン。
昔々、ある村に働き者だけれど、子宝に恵まれない夫婦がいたというお話。もちろん、博とさくらのこ先祖様(?)です。
夫婦が来る日も来る日も、産土(うぶすな)の神に、お百度を踏んでいると、その満願の日、その社に後光が射し、なんとその先に赤ん坊が泣いています。
すると、妙なる楽の音が。
現れた四角い顔をした産土の神が、二人に告げます。
「よきかな、よきかな。名は寅次郎と命

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第15作「男はつらいよ 寅次郎相合傘」1975年松竹

第15作「男はつらいよ 寅次郎相合傘」1975年松竹

さて、第15作目です。

今回のマドンナは、吉永小百合に引き続き二度目の登場となる浅丘ルリ子。
もちろん彼女が演じるのは、前回同様ドサ回りの歌手松岡リリーです。
ファンからの人気も高かったのでしょう。
山田洋次監督のインタビュー映像を、YouTubeで見たのですが、マドンナに浅丘ルリ子を起用するにあたって、監督は最初、農婦の役を考えていたそうです。
しかし、そのマドンナの概略説明を浅丘ルリ子にした

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映画 第12作「男はつらいよ 私の寅さん」1973年松竹

映画 第12作「男はつらいよ 私の寅さん」1973年松竹

さて、第12作です。

まず、これは言っておかないといけないでしょう。
「男はつらいよ 寅さん読本」によれば、シリーズ全50作品の中で、観客動員数でトップという記録を保持しているのが本作です。
ちなみに、観客動員数54万人でスタートした本シリーズは、右肩上がりで記録を更新し続け、本作ではなんと動員数241万人。5倍近くにまで膨らんでいます。
観客動員数が100万人の大台に乗ったのが第8作目でしたが

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映画 第9作「男はつらいよ 柴又慕情」1972年松竹

映画 第9作「男はつらいよ 柴又慕情」1972年松竹

さて、シリーズ第9作目です。

いよいよマドンナには、吉永小百合が登場。
終戦の年生まれの彼女は、本作公開時27歳ということになります。
吉永小百合といえば、やはり日活の清純派女優のイメージが強烈で、浜田光夫とコンビを組んだ一連の作品群で、サユリストと言われる熱烈な固定ファンをハートを掴んでいました。
彼女の青春映画に、サユリストたちが胸躍らせていた60年代は、残念ながらこちらは、まだ怪獣特撮映画

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映画 第7作 「男はつらいよ 奮闘編」1971年松竹

映画 第7作 「男はつらいよ 奮闘編」1971年松竹

さて、第7作目です。

公開が、1971年の4月ですから、第6作目からわずか3ヶ月後。
寅さん映画というと、その公開時期に合わせて、真夏の暑い盛りと、暮れから正月にかけての風情が描かれていることが多いという印象でしたが、本作は、随所に桜や花見などの春の風情が切り取られていて、寅さん映画としては珍しい季節感の作品かもしれません。
この時期の松竹は、まさに寅さんにおんぶに抱っこで、封切れば客の入りが見

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第6作「男はつらいよ 純情編」

第6作「男はつらいよ 純情編」

さて、6作目です。

公開は、1971年。僕は小学校六年生で、この頃にリアルタイムで見ていた映画は、怪獣映画ばかり。
寅さんとは、映画雑誌家、街角のポスターでしか会っていないはずです。
前作「望郷編」で、本シリーズは終わりにするつもりの山田監督でしたが、寅さんファンたちがそれを許しませんでしたね。
公開を重ねるごとに、観客動員は、うなぎ登り。
「男はつらいよ」シリーズは、完全に松竹の稼ぎ頭になって

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第2作「続・男はつらいよ」1969年松竹

第2作「続・男はつらいよ」1969年松竹

「もし人違いだったらごめんなさいよ。もしや、あなたはお菊さんとは申しませんか。」

映画冒頭の寅のセリフですね。
「お菊さん」というのは、寅の実母の名前。
設定としては、寅の父親が、葛飾の芸者に産ませたのが寅ということになります。従って、妹さくらとは腹ちがい。
その母親と寅の再会が、この続編の重要なテーマとなります。
冒頭のシーンは、寅の旅先での夢なのですが、そこで、「あなたは38年前に、玉のよう

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「男はつらいよ」シリーズ全50作初めから全部見ます宣言

「男はつらいよ」シリーズ全50作初めから全部見ます宣言

定年退職をしたら、やりたいことの一つがこれでした。

すでに、シリーズ全50作品のうち、49作まではDVDで、取り揃え済み。
過去の衛星放送で、「男はつらいよ」が放送される度に、マメに録画しておりましたので、この企画はいつでも、スタートできるように準備は整っておりました。
シリーズ最終の50作目だけは、まだDVDでは持っていませんが、Amazon プライムの有料コンテンツとしては鑑賞できるようなの

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