WBSとガントチャートの違いとは!?
今回は、WBSとガントチャートの違いについて書きます。
どちらもプロジェクト管理の世界ではよく聞く言葉ですが、それぞれにはきちんとした目的があり、別物になります。
しかし、実際の現場では違いをあまり意識せずに使っていることが多い印象です。WBSに日付情報が付与されたものがガントチャートといったように毛が生えた程度の違いで認識されていたりします。
この記事でそれぞれの目的を理解し、違いについて解説します。
WBSとは
WBSはプロジェクトのスコープを明確にし、スケジュールやコストのインプット情報となるものです。以下の記事で詳細をご紹介していますのでご覧ください。
ガントチャートとは
目的:ステークホルダー間でコミュニケーションを図るため。
利点:作業のスケジュールが視覚的に確認できる。
注意:必ずしもすべての作業を表現しなくてよい。
説明:
PMBOKの世界では、バーチャートと呼ばれ、スケジュールマネジメントの知識エリアに属しスケジュールの作成プロセスのアウトプットにあたります。そして以下のように記載されています。
バーチャートは、縦軸にアクティビティ横軸に日付を示し、アクティビティの所要期間が開始日と終了日に応じて配置された水平バーで示される、スケジュール情報を描く。(中略)。管理者や経営層のコミュニケーションには、マイルストーン間、あるいは依存関係のある複数のワークパッケージにわたってより広範かつ包括的な集約アクティビティが使われ、それはバーチャートにより報告される。(引用元:PMBOKガイド第6版 P.217)
つまり、アクティビティという作業に対して日付情報を付与し、線表にしたものがガントチャートです。
そしてコミュニケーションを取る相手に応じて情報を集約した概略版でも構わないということです(作業レベルだと細かすぎるからですね)。
実際には詳細スケジュール<概略スケジュール<マイルストーンスケジュールのように粒度の違うスケジュール表を用意し、相手に応じて使い分けることが一般的です。(メンバーとは詳細スケジュール、経営層とは概略スケジュールなど)
WBSとガントチャートの違いまとめ
それぞれWBSとガントチャートについて説明しましたが、整理すると以下のようになります。
【WBS】
成果物を表現したもの(作業タスクは表現しない)。プロジェクトのスコープを明確にし、スケジュールやコストのインプット情報となるものです。
【ガントチャート】
作業タスクに日付情報を付与したもの。ステークホルダーとコミュニケーションを図るためのものです。
これらからWBSとガントチャートは別物になります。
ただし、間接的には依存しています(WBSから作業タスクを洗い出し、その作業に対して日付情報を付与し、それをガントチャートとするため)
WBSに日付情報が付与されてガントチャートとしている場合は、以下の3つが原因として考えられます。
・作業レベルが集約されてガントチャート上に表現されていない。
・WBS自体が作業で構成されている。
・WBSにそもそも作業が考慮されていない。
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