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徒然短編小説

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徒然短編小説 ブルームーン

夜の月に照らされた薄い雲の輪郭がやけにはっきりと見えた寒空の下、悴んだ手を温めるために買った肉まんを頬張りながら、先週のことを思い出していた。

「結婚ってなんなんだろう」

無意識に口から零れた言葉に戸惑いながら、自分の不安に意味を見出そうとする。

相手を幸せに出来るのだろうか、自分に結婚なんて似合わないのではないだろうか、そもそもどうして結婚なんてするのだろうか。

いやいや、結婚自体は

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