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もう二度と彼にLINEを送ることができないなんて・・・
大切な人が亡くなった後。
故人宛にLINEやメールでメッセージを送り続けている人は多いのではないだろうか。
少なくとも、自分はそうだった。
送信内容は、日々のたわいのない出来事。
月が綺麗なこと。美味しいご飯が作れたこと。面白い小説を読んだこと。
そして、たまに・・・あなたに会えなくて寂しいこと。
それは決して開封されないし、既読マークがつくこともなければ、返信が届くこともない。
一
七夕の夜、父のことを思い出した
父が亡くなる前の年。
父と一緒に、父の生まれ故郷を旅した。
「生きているうちに親戚に会いたい」という、父の願いを叶えるため。
旅行したのは、ちょうど七夕の頃。
ホテルのロビーには立派な笹が飾られていて、短冊とペンが置いてあった。
せっかくだから…と、二人で短冊に願い事を書くことにした。
父は、「早く●●(母の名前)の体調が良くなりますように」。
私は、「いつも笑顔で過ごせますように」
「あなたのために伸ばした髪」をまだ切る決心がつかない
昨日読んだ本に、こんなことが書いてあった。
この気持ち、本当によくわかる。
ふと見上げた空に飛行機の姿を見つけると、「彼は海外出張に行っていて、今は会えないだけ」だと思ってしまう。
私の中で彼は死んでいない。
今も生きている。
私は、彼に「髪を伸ばさないの?長い方が好きだって、前から言っているのに。」とよく言われていた。
肩までは頑張って伸ばすものの、髪を切りたい衝動を抑えられなくなり
大切な人と「死」について話しておいて良かった
彼との永遠の別れは、突然訪れた。
難病を患う彼は、定期的に病院で検査を受けていた。
1ヶ月半ぶりに会った彼は、「主治医が驚くほど、検査の結果が良かったんだよ!」と誇らしげに語っていた。
それなのに・・・
会った翌日、彼は帰らぬ人になった。
検死した医師によれば、死因と持病とは直接的な関係はなく、ほぼ即死だっただろうとのこと。
「そうか…願いが叶ったんだ。苦しい時間が短くて、良かったね。
The most important thing is to enjoy your life – to be happy – it’s all that matters.
何より大事なのは、人生を楽しむこと。幸せを感じること、それだけです。
by オードリー・ヘプバーン