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エッセイのようなもの

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日々のうれしかったこと、悲しかったこと。
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#向田邦子

寂しい一日

寂しい一日

今日はひどく淋しい日だった。昨日は「いい夫婦の日」だったはずが、結局喧嘩で台無しにしてしまった。私には特別な日に期待しすぎてしまう、ちょっと困った癖があるのだ。それに少し風邪気味でもあったし。結局、最低限の家事だけを済ませて、市販の薬を飲んでベッドに入った。

大人になると、小さな悲しみにも友達に連絡することを躊躇うようになる。友達もそれぞれに家庭を持ち、子育てや親の介護に忙しい。45歳になった私

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緑茶を一杯 向田邦子風エッセイ

緑茶を一杯 向田邦子風エッセイ

「病院は疲れる」とはよく言ったものです。今日は持病のために病院へ行ったのですが、待合室の椅子は私の名前を覚えているかのよう。病院の待ち時間は、まるで時間が止まったかのように感じられます。患者はただひたすらに時計を見つめ、針が動くのを待っています。しかし、この針はいたずらに人をからかうかのように、ゆっくりとしか動かないのです。

そして、やっとの思いで帰宅すると、今度はマンションのエレベーターが点検

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明日はきっと。向田邦子風エッセイ

明日はきっと。向田邦子風エッセイ

今日は、何とも言えない憂鬱な日でした。人との関わりは、時に難しく、言うべきことを言うのも一苦労。言った後は、相手の気持ちを思うと、心がずっしりと重くなります。そして、予定通りに進まないことが二つ三つ。生きていると、こういう日もあるものです。

でも、夕飯の支度をしている時、ふと孤独だった頃を思い出しました。今は、帰る家族がいる。それだけで、私は幸せだと感じます。明日はきっと、もっと良い日になる。そ

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向田邦子風エッセイ 愛犬との日々

向田邦子風エッセイ 愛犬との日々

私は、12歳の犬を飼っております。初めての犬でございます。仔犬の頃は、いたずらっ子でございまして、私は彼を上手く躾けられず、自責の念にかられ、愛犬に心を寄せることができませんでした。その時期を過ぎても、私は持病に悩まされ、入退院を繰り返し、家を空けることが多かったため、愛犬は私のパートナーにのみ心を開いておりました。

しかしながら、今年になり、彼は老犬となりました。そのせいか、私に寄り添うように

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