ひろむ

なんか、書いてます。

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廻る その4

 あかん。なぜか笑ってしまう。元相方、川島敬。享年25歳。 今、俺の目の前で浮いている。 「おい、何わろてんねん」 「いや、不謹慎なんはわかってんねんけど、知ってる…

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3年前
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廻る その3

 俺と川島が初めて出会ったのは中3の時。1年の頃から、俺らの学年にやばい奴がおることはどこからともなく知っていた。最初に交わした会話を今でも鮮明に覚えている。 「…

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3年前
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小さくて、大きい。

夕日。街。ビル。人。車。信号。窓。サラリーマン。OL。学生。おじいちゃん。おばあちゃん。妊婦さん。座席。つり革。ため息。生ぬるい。 黄昏。黄昏。携帯。通知。写真。…

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3年前
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廻る その2

  17年前― 「優くん、いつまでもお母さんを守ってあげてね。ずっとそばにいるからね。」 俺のおばあちゃんが最後に遺した言葉。俺の家は母子家庭でおばあちゃんが毎日…

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3年前
2

廻る その1

「これは、実際に僕が体験した話なんですけど…。」 「はいカットー!」 今日も一日が終わった。最近は霊感がある芸人として、夏の風物詩の番組に呼ばれることが増えてい…

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3年前
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『すぐに』

「ご注文をお受けしてから発送し、すぐにお届けいたします!」   ウソや。もう注文してから二週間や。注文してすぐに送られてきたメールでは、       「現在の配…

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3年前
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廻る その4

廻る その4

 あかん。なぜか笑ってしまう。元相方、川島敬。享年25歳。
今、俺の目の前で浮いている。

「おい、何わろてんねん」
「いや、不謹慎なんはわかってんねんけど、知ってるやつが浮いてんの、なんかおもろいなと思って。」
「お前どんな笑いのセンスしてんねん。もっとあるやろ!感動的な再会とか!別にお前笑かすために俺来たんちゃうねん。とりあえずどっかで話させてくれ。」
「わかったわかった。ほんなら、とりあえず

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廻る その3

廻る その3

 俺と川島が初めて出会ったのは中3の時。1年の頃から、俺らの学年にやばい奴がおることはどこからともなく知っていた。最初に交わした会話を今でも鮮明に覚えている。

「おい!お前、お化け見えるらしいな!ちょっと俺になんか憑いてへんか見てくれよ!」
「えぇ。あぁ…何も憑いてへんで。」
「ほんまか!実はなぁ、俺も見えんねん!お前みたるわ!せやなぁ…ざっと色んなお化けちょうど百体憑いてるわ!」
「いや、俺イ

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小さくて、大きい。

夕日。街。ビル。人。車。信号。窓。サラリーマン。OL。学生。おじいちゃん。おばあちゃん。妊婦さん。座席。つり革。ため息。生ぬるい。

黄昏。黄昏。携帯。通知。写真。こども。笑顔。返信。まぶた。あつい。

時計。窓。月。アナウンス。つぎ。人。ドア。集まる。ホーム。階段。改札。夜風。冷たい。

外灯。鳴き声。虫。歩く。家。匂い。お魚。カレー。肉じゃが。歩く。もうすぐ。家。窓。音。笑い声。明るい。こころ

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廻る その2

廻る その2

  17年前―

「優くん、いつまでもお母さんを守ってあげてね。ずっとそばにいるからね。」

俺のおばあちゃんが最後に遺した言葉。俺の家は母子家庭でおばあちゃんが毎日働きに出ていたおかんの代わりをしてくれていた。本気で「おばあちゃんが大好きな人」でギネスに載れると思っていたくらいおばあちゃん子だった。その俺にとって、おばあちゃんの死は、地球がひっくり返るくらいのこと。毎日泣いては、おばあちゃんを探

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廻る その1

廻る その1

「これは、実際に僕が体験した話なんですけど…。」
「はいカットー!」

今日も一日が終わった。最近は霊感がある芸人として、夏の風物詩の番組に呼ばれることが増えている。小さい頃から、人には見えないものが見えて、何回もお化けを見てきたけど、そろそろ話のネタがなくなってきた。このままじゃ、霊感がある芸人としても、テレビに出られなくなる。
「おい、原山!いやぁ、今日の話も怖かったわぁ。お前、最近よう呼ばれ

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『すぐに』

『すぐに』

「ご注文をお受けしてから発送し、すぐにお届けいたします!」
 

ウソや。もう注文してから二週間や。注文してすぐに送られてきたメールでは、       「現在の配達日数の目安は七〜十日間となっております。」って書いてたやん。        このメールは注文して「すぐに」送られてきた。もう秒で。それが「すぐに」ちゃうんか。  

いや、まあな、海外からの発送やからな、わからんでもないねん。国内よりも

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