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東京の森を経済林から文化林へ

皆さんこんにちは。菅原(@sugamori2)です。本日は私が仕事として携わる林業について。

・日本の国土の約7割が森林
・東京都の森林率は約4割
・東京都の森林の約6割がスギ・ヒノキ

以上のことを皆さんご存知でしたか?
僕はこの仕事を始めるまで、奥多摩にいながらも知りませんでした。

戦後焼け野原になった日本を復興させるために行われた拡大造林の資源が今まさに使える状態にあるが、価格は下落し、ピーク時の1/3程度でしか売れなくなっています。

僕はこの森のことを「経済林」と呼んでいるんです。奥多摩の山奥に住んでいるお爺さんに昔の山里の暮らしを聞いたら、「昔は冬になると葉っぱがなくなるから、山の向こうに鹿が歩いているのが見えたんだ」など、今とは違う森の風景について語ってくれました。

今の奥多摩の森は一年中深緑の葉がついているので、一見すると森が豊かに見えますが、実際は木の畑。人が植林して管理している森です。今では木材価格の下落によって管理できない放置林が増え、森林が荒廃していくことが全国的に問題になっています。

だからこそ、森を木材としての経済的な価値だけで捉えるのではなく、森そのものの価値を見つめなおし、人と森との関係性を考える文化的な側面から森林の価値を捉えなおす必要性に迫られているのが今なんじゃないかと思うんです。

経済林から文化林への転換。それは、スギ・ヒノキの針葉樹だけの森ではなく、広葉樹も入り混じった遊べる森を目指した森づくりです。
森は木材としての利用価値以外にも、観光やレジャーなどでの空間価値や、キャンプなどをすることで森での時間を楽しむことができるエンタメ価値、緑のダムと呼ばれる水源涵養機能などもあります。

昔の人は森を見るとお金に見えたのかもしれませんが、僕らの世代は森を見てワクワクしたり、癒しを感じたりするので、新たな価値を見出していきたいものです。

ちなみに、僕は「林業のエンタメ化」を目指しているのですが、この話の続きは長くなりそうなのでまだ今度にしますね。

▼林業のエンタメ化を目指す僕の挑戦記です。▼

著書:自分の地域をつくる ワーク・ライフ・プレイ ミックス

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