探求テーマを追求する:起業の教科書

探求テーマを追求する

ここまでで、事業の骨格となる部分を作って来ました。
ここからは付随する、広告宣伝のやり方、マーケティングのやり方、キャリアを積み重ねて資本を拡大していく方法について解説していきます。

専門性と探求テーマの違い

専門性と探求テーマの違いを図で表してみました。

専門性と探求テーマの違い

この図にある通り、
・専門性とは、既に持っているものであり、商品サービスになるものです。お金に換えやすいものですね。
・一方、探求テーマは、自分の興味関心のあるものになります。こちらは追求している最中のものなので、それがそのまま商品サービスにはなりません。ですが、追求していったものはやがて、血となり肉となり、経験や知識、技術、人脈、設備といった形で資本へと変わります。

探求テーマは人を惹きつける

マーケティングと広告宣伝の違いを簡単にお伝えすると、
・広告宣伝は、商品サービスそのものについて伝えること
・マーケティングは、信用を作って仲間を増やすこと
だと思ってください。

皆さんはYouTubeとか見ますでしょうか。
何か答えを求める時は、そのものズバリの答えが載っているサイトだったり、動画を見ると思いますが(例えば、肉じゃがを作りたい時には、レシピが載っているサイト)、そうではなく、ついつい見てしまうもの、定期的にチェックしているものは、その人が試行錯誤している動画だったり、その中でその人が学んだことを発信している動画だったりしませんか。

動画でもブログでも何でも良いのですが、発信側としては、まとまったものだったり、見ている人の役に立つものじゃなきゃいけないと思っていませんか。

でも実は、間違ってても失敗しても良いので、その人の挑戦している”過程”を人は見たいのです。
そうやって見続けてくれる人は、同じ価値観を持ち、応援してくれる仲間となります。

そして、探求テーマであればネタが尽きることがありません。
自分が興味関心があって日々取り組んでいることを発信しているだけですから。そんな風にしてできた仲間に、自分が食堂をやっていることを伝えたらどうでしょうか。
もちろん、食べに行くときは「この人の食堂に行こう!」って思いますよね。

この食堂をやっていることを伝えることが広告宣伝になります。

発信する探求テーマと事業は違って良い

食堂をやっている人が、美味しい料理を探求して発信するのも、当然アリですが、全く関係のないものでも大丈夫です。

例えば、猫をモフモフしている動画を発信している食堂でも良いのです。

マーケティングで大事なのは、同じ価値観の人と繋がることです。猫をモフモフしている動画を見ている人は、猫のモフモフ感が好きな人で、そのモフモフ感を求めて、ご飯を食べたいときには、あなたの食堂を選ぶわけです。

一方で、世の中の人にあなたの食堂がある、ということを知らせなければいけないので、広告宣伝も大事になります。でも、その中で「どこの食堂にしようかな」って選ぶ際には、猫のモフモフ動画が選ぶ基準になります。

(ワーク)あなたの探求テーマをリストアップしてみよう!

質問1:あなたが興味関心のあることを書き出してみましょう(時間は約5分)。思い付いたら随時追加していってください。

キャリアを積み重ねて行く

キャリアを積み重ねて行くとは、自分の専門性や資本を増やしていくことです。
専門性とは、得意分野だったり得意なこと、才能、知識、経験のことと言いました。また、資本とは、人脈だったり、お金だったり、設備、道具だったり、持っている物のことと言いました。

探求テーマと専門性とは密接に繋がっていて、探求テーマを追求することで専門性が増えていきます。

私は生まれも育ちも名古屋市内です。比較的郊外でしたので、家の前でボール遊びをしたり、ラジコンを走らせたりできましたが、川遊びをしたり、森の中に秘密基地を作ったりしたことはありません。
そんな私でしたが、大学時代にサイクリング部に入り、テントで泊まりながら旅をしたり、登山をすることで経験を積み重ねて、今やアウトドアの講師をするようになりました。

探求テーマ:テント泊や登山、自転車の旅
獲得した専門性:アウトドアスキル

起業に関しても、社会の仕組みや経済について、興味を持って調べていったら自然と身に付いてしまったものです。

探求テーマ:社会の仕組み、経済
獲得した専門性:起業、ビジネス

コラム:成長は勝手にしてしまうもの

働くということについて、
会社に勤めているのであれば、より多く、より早く、といった生産性の向上や、成長が求められます。起業し、人を雇うようになると「私みたいになんでできないかぁ。」と思ったり、「もっと勉強してくれよ。」って思うこともあると思います。
このように、仕事に関わる上では当たり前のように、成長を求めたり、求められます。
頑張って、英会話教室に通ったり、セミナーを受講したり、資格を取得したりしている方もいらっしゃると思います。

しかし、この成長って結構プレッシャーではありませんか。
私も何か追い立てられるような感じで成長を求めていた時がありましたが、今は、実は成長っていうのは勝手にしてしまうものじゃないかと思っています。

話を簡単にするために、生産性の向上について考えてみます。生産性の向上とは、より早く、より上手くできるようになることです。

例えば、あなたは鶴を千羽折る仕事をしていたとしましょう。
初めは、折り方が分からないので、いちいち本を見たり、動画を見たりするので一羽折るのに30分ぐらい掛かるでしょう。
ですが、二羽目は一羽目より早くできるでしょう。
そして、段々と折り方も覚え、手の動かし方も慣れてきます。
そうすると一羽一分ぐらいで折れるようになるでしょう(たぶん)。

始めたばかりの時から比べると、生産性は実に30倍になります。

この成長は、やっているうちに慣れてきた、から勝手に起きてしまったものです。何か特別なことをしたわけではありません。
もちろん、人によって差はあるでしょう。幾らやっても一羽2分の人もいると思います。でも、その人自身で比較すれば、必ず人は勝手に成長します。

「人は勝手に成長してしまう。」

こんな風に捉えると見方が変わりませんか。

コラム:商品作りは二種類の経路がある

私はこの教科書で、最も大事なことは需要に応えることとしてきました。

一般的に世の中で言われている商品作りの方法は二種類あって、
・需要に応えるもの(マーケットイン)
・商品作りから始めるもの(プロダクトアウト)
と言われています。

どちらでもやりやすい方から発想していけば良いと思いますが、人に提供するものなので最終的には需要を捕まえる必要があります。
そういった意味でいくと私は、需要を見付けることを最初にやる方がやりやすいんじゃないかと思っています。

最初に顧客が見付かっているので、作る商品サービスの善し悪しの判断基準が明確になります。
また、作れば確実に売れることが分かっているので、安心して開発に取り組むことができます。

昨今クラウドファンディングが流行っている理由の一つは、これじゃないかと思います。
作る前から売上が手に入って、後から経費が掛かる仕組みなので、開発に集中できる。

商品作りの2種類の経路

(続く・・・)

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