スーダンとパプアニューギニア

1回目の協力隊の時(スーダン)は赤十字と一緒に活動先に働きかけを行っていた。

赤十字のオフィスを一緒に使わせてもらっていて、どのように改善していくかの会議にも出席していた。しかし赤十字のスタッフということもあり、聞き取りやすいアフリカ人の英語とは違い、流暢で早い英語に全くついていけず、居心地の悪さを感じていた。

結局、活動先では満足のいく影響は与えられなかった。そのため活動範囲を広げた結果、2大学の理学療法学科の学生合計200人に対する授業で日本の理学療法の考え方を伝えられた。

活動先でももう少し活動にやっていきたいと思いながら、2回目の派遣(パプアニューギニアPNG)

スーダンは首都派遣、PNGは田舎派遣ということもあって、前回と比べて患者が少なく慌ただしさはない。

気候的にも働きやすく(スーダンでは最高気温50℃まで達する)、食料が豊富なことや宗教(イスラム教には年上の人の言うことには従うという教えがある)も関係してか、年上であっても話をちゃんと聞ける人が多い印象。

理学療法士に関して、歴史は2国とも同じくらい(約10年前)で、PNGは理学療法学科のある大学が1校しかない(スーダンは5校)。

私が出会った人の中では、PNGの方が知識や良い考え方を持っている。しかし良いと言っても足りない部分はあり、彼らは複数解答のある問題(例えば腰の痛み)に対して、答えを1個(腰痛体操)しか持っていない。だからその1個の答えが当てはまらない症例には治療できないのだ。つまり、治療の選択肢を持っていない。

同僚のやる気や新しいやり方を受容できるかどうかは協力隊にとって非常に重要な点だ。今のカウンターパートは前任の協力隊が「この病院に来れば協力隊が派遣されるかもしれない」と伝えていて、協力隊を待ち望んでいたのだ。

協力隊は派遣される前に要望調査票を確認できるが、作成されてから半年〜1年以上後に派遣されるため、組織が変わることもある。そのため協力隊を必要としていない配属先さえある。印象として必要とされる配属先の方が少ない気がする。

スーダンではベテラン理学療法士が多く自分なりのやり方を曲げようとしない人が多く、その人たちには何も関与しなかった。

だからといって協力隊事業を否定する気はない。

そんなうまく活動できなかった活動先でも学んだことがある。現地の人にとって必要なことは何なのかを考えることと、自分に出来そうなことを探してまずは行動してみる大切さだ。

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