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飲食店にとって最も大事なことはセールスです。確実にセールスを実行することで収益は確保できます。心理学に裏付けされた効果的なテクニックをお伝えします。

宇宙一外食産業が好きな須田です。

さて、8月はセールスをテーマにお話しをします。
どのビジネスにおいても、、最も大事なことはセールスです。

最も大事なことは集客という方もいらっしゃいますが、私は集客よりもセールスが大事と考えています。

それは、たとえ集客を果たしたとしても、効果的なセールスが実行されなければ、ただ人が詰まって終わってしまうからです。

逆に、集客は少人数であったとしても、確実にセールスが実行されたなら、必要な収益を確保することが出来ます。

何も買わない、誰も買わない大人数よりも、確実に買ってもらう必要最小限の方が収益は確保されます。

ですから、セールスは最も大事なことです。

先ず、このことを強く認識なさってください。
肝に命じてください。

セールスさえ的確に効率良く実行されれば、業績が厳しくなることは、まず、ありません。

集客も大事ですが、今、目の前にいるお客様に確実に商品を買って頂くことの方が大事と言えます。

そして、そのお客様が頻度高くリピートして頂き、そのようなお客様を毎日、毎月確実に少しずつでも増やしていけば、確実に利益は確保できるようになります。

ですから、セールスにキチンと向き合ってください。

前回飲食業に、食品販売業の考え方を取り入れましょうと、お伝えしました。
食品販売業の具体的な導入方法をご紹介する前に、今回はセールスに対するマイナスの心理を解消して頂くことをお伝えします。

さて、ここまで読んで頂いて、今、どのような心情でしょうか。

セールスと聞いてワクワクしていますか?
それとも、セールスかぁと、少しマイナスの感情でしょうか?


実は、日本人はセールスに対して非常に大きなマイナスの心情を持っています。
地域特性として、大阪の一部の地域の方々を除いて、ほとんどの方はセールスに対して、マイナスの感情があります。


このマイナスの感情があると、絶対に売れません。
断言しますが、先ず売れることはりません。

本日のおすすめをすることも、お得な商品を紹介することも出来ない人がほとんどです

では、なぜマイナスの心情が多くの方の心の奥底にあるのか、それは、セールスを押し売り、押し付けと混同しているからです。

合わせて、ご自身も押し付けられた経験や、売りつけられたと感じられる経験をしているので、セールスに対してマイナスの価値判断がこびりついています。

その結果、嫌な経験から感じた感情と価値判断が邪魔をして、セールスが出来ない結果になってしまいます。

過去に経験したことが原因でセールスに抵抗が出来来ていますが、それは間違いなく解消できる感情と思考です。


断言しますが、セールスはお客様の為にやらなければならない大事な作業です。
テーブルを拭くのと同じくらい、簡単で大事な作業がセールスです。

テーブルが汚れていたら、良くないことは理解できますよね。

衛生的にも、お迎え感としても良くないことはご理解頂けると思います。
それと同等なのがセールスです。

汚いテーブルはお客様のマイナス、不利益ですが、美味しい商品お得な商品を堪能してもらえないことは、お客様にとって、同等にマイナスであり不利益です。

この考え方を、心底理解してください。

その為に、正しくセールスを行うことは、確実にお客様の利益になることです。

先ず、そのことをお伝えしてきます。


では、そこをどうやって突破するのかがテーマとなります。

突破する方法は確実にあります。
確実に突破するその前に、セールスとは何かを分解します。

先ず売ることの前に、買うことを考えてみましょう。
買おうと考えて、買うと感じたことを分解してみましょう。

人は誰でも、買い物をするときに一定のパターンがあります。

それを知ることでセールスに対する恐怖が無くなります。

その為には、ご自身が買うことを決めた時の考えと感情を、少し思い出してみましょう。


先ず、第一の習性は、人は買いたい人から買うという習性があります。

思い出してください。

洋服や家電製品を買いに行ったとき、どの店員さんに声をかけようか、無意識に店員さんを選んでいませんか?

飲食店でも、声をかけるスタッフさんを選んだことはありませんでしたか。

私は、確実に声をかけるスタッフを選んでいます。

あの人は忙しそうだな、あの人は感じ悪そう、あの人は優しそうなど、無意識に非言語の部分で判断して、誰に声をかけるか決めてから、声をかけます。

ですから、セールスを成功させるためには、先ず声をかけてもらえる人に成る必要があります。

その為には、いつでも注意を外に向けて、お客様の声がかかることを大前提として存在することが大事になります。

その為には、常にお客様の表情を観て、テーブルの状況を見て、グラスの傾きを観察する必要があります。

注意をお客様に向けていると、その非言語部分が伝わりお客様から呼び止められる可能性が高くなります。

そもそも、声をかけたくない人物に共通していることは、注意がその人自身に向いているか、他の対象に注意が向いている時に、それ以外の情報を遮断する光線が飛んでいるので、あの人に声をかけるのは辞めようと感じてしまいます。


第二の習性は、欲しいと感じる前に、三つのマイナスの心理が発生します。

このマイナスの心理を理解していないと、セールスは絶対に成功しません。

この三つの心理を突破して初めて、人は買うという行動に移ることが出来ます。

その三つの心理とは、

損したくない、騙されたくない、後悔したくない、

この三つです。

買おうかどうかと思った瞬間に、ここより安いお店が有ったらどうしよう、この商品よりもっといい物が有ったらいやだなぁ、今ここで買う意味は本当にあるかなぁ、買ってから失敗したと感じてしまったらどうしようなどと、マイナスのことばかりを感じて考えています。


今ここで買ってもっと安い店があったら、もっといい商品があったら、本当に必要なのか悩んでしまい、買うことを躊躇してしまいます。


ですから、

損させません!
騙せていません!
後悔させません!

という、態度と情報と証拠と仕組みを提供する必要があります。

産地を伝えること、鮮度の良さを伝えること、出来たてを提供すること、お客様の声を表現することなどが必要になってきます。

ここを確実に実行することが、重要になってきます。


因みに、食べログが一気に消費者の支持を獲得した理由が、ここにあります。

自分と同じ立場のお客様の声を聴くことによって、この三つの心理に基づく確認と解消とを行っています。


第三の習性は、買うことを決める前段階で、多くの場合自己説得をすることです。

損しないなぁ、騙されていないぁ、後悔しなくて済みそうだなぁと感じ出すと、その証拠を自分から言葉にして話しをして、自分で自分を説得しだします。

これはどこどこ産で美味しいですよね、鮮度が良さそうだね、美味しそうな感じだなぁ、お得な感じだなぁなど、その商品の良い部分を解説しだします。

すると、自己説得が終わった段階で、ほぼ間違いなく買うことを決断して行動に移します。


この段階で大事なことは、自己説得の邪魔をしないことです。


多くの場合、自己説得が始まる前にちょっとしたサインを、お客様は出します。

それは、一瞬の沈黙です。

一瞬沈黙をしてから自己説得を始めますが、この一瞬の沈黙はスタッフにとっては非常に怖くて怖くて、ほぼ間違いなくその恐怖から、やってはいけない行動をとり、その結果、また今度にするねとなってしまいます。

この一瞬の沈黙になった瞬間、スタッフが考えることは、「疑われている、説得できていない、もっと魅力を伝えなければ、自分のやり方は間違っていたのか、などなど、まぁ、考えなくても良い無駄な考えを巡らせます。

すると、途端に購買意欲は急降下して、買わない結果になってしまいます。

余計なおしゃべりをしてしまい、沈黙をしながら三つマイナスの感情を打ち消しているのに、その大事な作業を邪魔してしまい、買って貰えなくしてしまっています。

ですから、一瞬の沈黙は絶対に邪魔をしてはいけない時間です。

沈黙の後の自己説得が始まるまでは、黙って注意を送りながら自己説得が始まるのを待つだけで良いのです。

自己説得が始まったら、自己説得を後押しするだけで勝手に売れていきます。

この段階では、絶対にセールをかけてはいけません。


この三つの習性を理解して、人が購買する段階を分析しながら待つことで、効果的に苦労なくセールスが実現されます。

さて、次にセールスで最も大事なことは、絶対に売らないことです。


売らないことがセールスになるということが、恐らく信じられないと思います。

でも、これは本当です。

売込に行くとほぼ間違いなく買ってもらえませんが、興味を持ってもらえると欲しいと思ってもらえる確率が格段に上がり、セールスが成立します。


売るのではなく、欲しいと思ってもらうことが最も大事なことで、売込をかけて売ることが大事なことではありません。

この売るためには、売込をかけなければならないと感じていて、考えているから、断られたときのことを考えて、拒否されたときの心理的なダメージを感じてしまい、セールスがおっくうになってしまいます。

たまたま、取引を断られただけなのに、人格否定とほぼ同義に感じてしまい、行動に移せなくなってしまいます。

商品を買わないことと、あなたを拒否していることはリンクしていません。

あなたは全く拒否などされていませんし、嫌悪感も持たれてもいません。
ただ、その商品に興味が湧かなかっただけ、食べたいと思わなかっただけです。


実は、セールスの極意は今お伝えした、興味が湧くかどうかなんです。

興味を誘発させられるかどうかなんです。

商品に興味が湧けば、自然と買っていただけます。

セールスの極意は売らずに、興味を湧かせることです。


その為には、一切の売込を排除して、その商品がいかに魅力的かを、ただ身勝手に話すだけで十分に魅力が伝わります。

逆に言えば、身勝手に商品の魅力を語るぐらいでなければ、的確に魅力は伝わりません。


これが、売らずに欲しいと思わせる唯一の方法です。


世の中には極稀に、セールスが嫌味なくできる方がいますが、ほぼこれは例外です。

何らかの経験に裏付けされた特殊技能とでも言えますが、訓練すれば多くの場合できると私は考えています。

ただ、それには時間とテクニックが必要なので、おすすめはしませんし、私自身もトレーニングとして導入したことは一度もありません。

それよりも、テクニックも特別なトレーニングの必要もなく、実現化出来て成功体験を積むことが出来る手法が、身勝手に好きな商品の魅力を語ることです。

ただ、好きな商品の魅力を楽しそうに語ることが、お客様の興味をそそり美味しそう、食べてみたいと感じて貰えます。

それが、お店にとってもお客様にとっても負担なくストレスなく楽しく商品消費を促すこととなります。

ですから、買うと、売るの心理的構造と、行動パターンを理解することで、セールスに対する自分自身の心理と思考をコントロールし、心理ブロックを解除する必要があります。

そこを突破してから、好きな商品の魅力を身勝手に語る手法を、会得することが出来ます。

次回は、その手法と実践的な導入法をお伝えします。

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