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本棚ーなんども読むnoteー

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読みながら涙が出たnote、ニヤニヤが止まらなかったnote、誰かにおすすめしたいnote。本棚に並べておきたいnoteたち。
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記事一覧

お店を始めるきっかけとなった大切な事業を譲渡しました

求人サイトから生まれたお店僕らは、2019年に夫婦で東京都墨田区から兵庫県豊岡市日高町に移住し、2020年11月より全国各地の暮らしの道具を扱う「伝所鳩」というお店を始めました。もうすぐで丸4年になります。 お店をやっていると、お客さまや近所の方からなぜお店を始めたのかを聞かれることがよくあります。 話せば長くなるので、いつも端折って簡単に説明してしまうのですが、今日は順を追ってご紹介させてください。 伝所鳩というお店は、「すみだの仕事」という求人サイトがきっかけで生ま

拝啓「立ち上がれ、自分」

道を歩いていると、1人の少年に出会った。 その少年は自転車の前でしゃがんでいて、 近くにいるお父さんらしき人がなだめていた。 おそらく一度、こけてしまったのだろう。 その少年は、泣きながらも、がっちり自転車のハンドルを離していなかった。まだ乗りたいのだ、という気持ちがありありと態度にでていた。 僕はその姿を見て、素直に「がんばれ」と思った。 強くあれ、とか もう一回行ってみよう!とか そんな気持ちではなくて、 素直に「立ち上がれ〜、がんばれ〜。」という気持ちでいっ

新婚生活で自分を見失っていた私は、旅先でもらった言葉に救われた

「こんなはずじゃなかったのにな……」 新婚生活が始まって1週間が経った、ある夜のこと。 真っ暗な寝室のドアを開け、ひとり静かにベッドに潜り込む。 隣ですうすうと寝息を立てている彼の気配を感じながら、わたしの心は水を含んだ布団のように重く、濁っていた。 いまのわたし、全然自由じゃない。 新しい仕事も、生活も、彼との関係性も。何もかもがうまくいかなかった。 正確に言うとうまくいかないのは一部で、ちゃんと生活の中で大事にしたい瞬間や、前進していることもいくつかあった。

3/29 新刊がでます!再会を楽しみにがんばります🕊

日付が変わって、誕生日を迎えた。 すぐにFacebookに投稿をしたところメッセージが届いた。 2020年に連続講座の時間を過ごした企画生からのメッセージで、そこに書かれていたのがこのnoteのタイトル「再会を楽しみにがんばります🕊よき一年に」。それはそのまま僕の気持ちと重なった。 2023年3月7日 37歳になりました。 そして、2023年3月29日 ダイヤモンド社から 『あの日、選ばれなかった君へ  新しい自分に生まれ変わるための7枚のメモ』 という新刊が出ます

教師や警察官の子どもがグレることがある理由

私の父はいわゆる不良や非行少年の面倒を好んで見ていた。幼かった私から見れば気のいい兄ちゃんらで、私に乱暴したりちょっかい出したりすることはなかった。 父がふと漏らした言葉を覚えている。「教師と警察官の子は、どうもグレることが多いなあ」。 調べてみたが、教師や警察官の子どもが非行に走りやすくなるという統計は見当たらなかった。ただ、「不良塾」とも呼ばれた私の塾には、なかなかの問題児が集まっていたのだけれど、教師と警察官のグレたのが散見された。多いかどうかは分からない。しかし、グ

The Sauna卒業生が挑んだ『サウナ開業』の話

The Saunaのnoteについて、各方面から様々な反響をいただきました。マーケティング視点でサウナ施設の顧客戦略を分析するという筆者にとって初の試みでしたが、The Saunaが歩んできた軌跡を整理するという意味でも読み応えがあったようです。読んでくださった皆様、誠に有難うございました。 The Saunaが取り組んできた様々な施策についてフォーカスを当てましたがつまるところは「人こそが財産である」ということです。伸びる事業と組織には良き人材がいるということで、The

経験・知名度ゼロで始めた日用品と雑貨の店が2年を迎えられた話

伝所鳩は、2022年11月でひっそりと2周年を迎えました。これまでお越しくださったたくさんの皆さま、ほんとうにありがとうございます。 周年イベントなどは行いませんが、少しだけお店のことを振り返りながら、今後考えていることを少し綴ってみようと思います。 誰も知らないお店の始まり今から2年前。コロナ真っ只中の2020年11月に、伝所鳩はひっそりとオープンしました。コロナ渦ということもあり、盛大なオープニングイベントもなければ、宣伝も一切なし。ご近所の方への挨拶すらできず、むし

心が骨折したので、どすこいしんどみ日記

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飽きっぽいから、愛っぽい|エッセイを書くということ @パソコンの前で

キナリ☆マガジン購読者限定で、「小説現代9月号」に掲載している連載エッセイ全文をnoteでも公開します。 表紙イラストは中村隆さんの書き下ろし、今回が最終回です。 わたしはなんのために、エッセイを書いてるんだろう。 二ヵ月前、ちょうど暑くなってきたころから、途中で力尽きるように、書くのをやめてしまう原稿がどっと増えた。下手になったなあ、と落ち込んでしまう日もある。 最近、気づいたことがある。 いや、本当はずっと前から気づいていたけど、気づかないふりをしていたことが。

わたしが場所をつづけられているのは

2022年3月10日は、2年ぶりにゆっきーがカフェに来た。 彼女とは復興支援の高校生向け事業で出会って、そこからなんだか何回か、白河まで来てくれた。片道680円の東北本線。いまは国分寺に住んで美大生をしている郡山出身の20歳。 天気が良かったので、外に出たくなった。甘くしてくださいというリクエストを無視して、裏庭でコーヒーを入れる。相馬焼のカップにコーヒーを注いで、ビールケースをテーブルに見立てて座る。コーヒーは雰囲気で飲むものだから、たぶん今日みたいな日はブラックでも美味

井戸端会議の何気ない「瞬間」が僕に教えてくれたこと。

最初のお仕事は、高齢者へのアンケート調査から始まった。 僕は大学生の頃に、 地元の京都府丹後地域で、 同年代の大学生が立ち上げた、 まちづくり会社にインターン生として関わり始めた。 大学を卒業してから3年間の間で、 インターン生だった僕は、社員になり、 事業内容も採用や移住の支援、 クラフトビール事業も立ち上げ、 幅広くお仕事をやらせていただいている。 本当にありがたい。 そして周りの皆さんに支えられている。 さらに社員も毎年1人ずつ増え、来年には自社のビール醸造所を

開校決定までの光と影。神山まるごと高専、山川咲の視点で。

明日、6時台の東北に向かう新幹線に乗らなくてはならず、東京駅のホテルメトロポリタンの32階の角部屋にいた。明日の予定のこともあるけれど、今日はどうしても1人で過ごしたかった。時は、9月の終わり。それは私にとってひとつのとても大きな区切りみたいな月の終わりだった。 神山まるごと高専の開校が決定し、私の本丸であるイベントという場を通しての報告会が終わった月。クリエイティブディレクターとして創業メンバーとして、直走った私からのViewでこの学校を作った1年半、その光と影を、をここ

全速力で

8月12日は『茜雲忌』。  夏の夕暮れに茜色に染め上げられた白雲を指すような優しくうつくしい響きのこの言葉は、国内最大の飛行機事故である『日本航空123便墜落事故』を示すものだそう。夏のすこし寂しい夕暮れを写し取ったような響きの中に520名のひとびとへ鎮魂の祈りがあるのだと8月12日に縁ある私は知っていて、この日の朝にはまず御巣鷹山に眠る魂の安らかであることを祈ります。 さて私は11年前のこの日、私は真ん中の娘を産みました、  娘が生まれたのは早朝のことで、場所は里帰り

昔書いた、小説(のようなもの)

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