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Kの向くままにおススメ映画『晩春』ネタバレあらすじ感想日記

こんにちは。潔癖なKです。今回は『晩春』。一言で表すと「親離れと子離れ、そして壺の映画」です。



こんな人におススメ 

◎大女優、原節子の輝くようなおおらかな(多少不自然な)笑顔!
◎大女優、原節子の襲い掛かってくるような般若の様な怒り顔!怖いよ…
◎三者三様《壺》問題に挑戦しよう!
心温まるお話
家族で観ても安心ですよ


要注意点まとめ 

▲白黒映画です。色が好きな人は×


こんな映画です 

広津和郎の短編小説『父と娘』が原作。
巨匠、小津監督は「娘が結婚する話」を複数撮っていますが、一つおススメするならコレ。

戦後の東京、紀子は病気が快方に向かいすっかり元気。病気のせいで婚期を逃していたのも気にしていない様子。父もあまり気にしていない。母は亡くなっており、お互いこの《親離れ子離れ》しない生活がずっと続くように思っています。
しかし叔母さんは紀子の結婚を気に掛けていて、お見合いの話を持ってきます。当然、紀子は乗り気ではありませんが、ある事をきっかけに結婚を考えるようになるのです。


もう少し詳しく 

色々気が利く叔母さんは紀子がお嫁に行くと父が困ると思い、何と父にもいい人を見つけてあげるのですが…紀子はそれに大激怒!しかし何だかんだ説得され(騙され?)ラストはまんざらでもない感じでした。

そして《》ですよ、『晩春』と云えば。終盤の父と紀子の京都旅行、その旅館で不自然にアップで映る《壺》。世界の小津作品でこんな意味不明なカットは「問題のシーン」と論争になってもおかしくはないですけど、少なくとも批評家が分析するような「性的な意味合い」という解釈はどうなのかなー、と思いますね。。
では《壺》とは何か? Kの新提案!
そ・れ・は、、、「壊れる物の代表」なのです!!ほら、解り易いでしょ!この京都旅行を以って今までの親子の生活は終了するのです。
裏付けになるか判りませんが、対になるシーンとして序盤、《やかん》がやたら不自然に目立つカットがあります。ここは親子の関係が今後も変わらない、と言いたい場面。《やかん》とは、《壺》と同様に水を入れる道具としては「滅多に壊れない物の代表」でしょう。
コレさ、本気で正解なんじゃないの?
…だけどまあ、これも一つの解釈に過ぎません。観る人に依って色々と解釈できる《壺》でした。アナタはどんな壺?


観た後はこんな気分になりました 

紀子の結婚式が無事終わり、父は一人でハッピーターン帰宅!…と思ったのも束の間、林檎の皮を自分で剥かないといけないし、身の回りの事は誰がやる?…と、うなだれエンド…。「一生一代の大嘘」までついて結婚させたんだから少しは頑張れよ、お父さん!
ハッピーと寂しさが混ざった 和菓子+渋茶 のような後味(?)。リアルでも娘の結婚はこんな気分になるんだろうなー。


心に残ったセリフ 

紀子 :「小父さま、新しい奥様お貰いになったんですってね?不潔よ、きたならしいわ。」

何もそこまで言う事ないでしょうに、その言葉が次は自分の身に降りかかるのでした…。

邦画の名作、是非観てね!


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