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2015年9月の記事一覧
『イノセント・ガーデン』 感想 ※ネタバレあり
思春期の少女が、世界に対する“自分”を確立していく映画。
鬼才パク・チャヌク監督のハリウッドデビュー作のサイコホラー。
狩り好きのお父さんに愛されて育ったインディアは、18歳の誕生日を迎える。
毎年お父さんは誕生日プレゼントを広い庭の何処かに隠していて、インディアはそれを探すのが楽しみだった。
著名な建築家の父は、インディアに自作の靴を毎年プレゼントしていたのだ。サイズはキッチリと大き
『クソすばらしいこの世界』 感想
若者が田舎者に酷い目に合わされる映画。
いわゆる田舎ホラーの傑作だし、監督には今度、日本を舞台に田舎ホラー撮ってもらいたい。
横溝正史との差別化が大変と思うけど。
って書くと、「あーはいはい、いつものアレね」とか思ってのんびりと構えてると、中盤ビックリするような出来事が起こって大変ビックリする。
基本的にはキチガイが斧持って追いかけて、若者がわーとかぎゃーとか言ってる定番のあれなんだけど、
『デビルズ・フォレスト 悪魔の棲む森』 感想
家族でキャンプに行ったのに、全然楽しくなくてやだなあ、って映画。
とても面白かったです!
キャンプ場版『シャイニング』とでも言えるようなパパヒステリー映画。そんなジャンルないけど。
とある家族が、文明としばしお別れしてキャンプをすることにより家族の絆を取り戻すのだ、と出かけるのだけど、そんな事を本気で望んでいたのは父親だけで、息子や娘は「携帯の電波が届かないなんてマジで最悪だよ」とか「PSPの
『ポゼッション』 感想
青空市場で買った汚え箱に悪魔が入ってて次女がえらいことになった、って映画。
面白かった!
エクソシストものとしてちゃんとお約束も踏まえてるし気味悪いし怖いし、何より悪魔にとりつかれる女の子がすごく可愛いのが素晴らしい! こうでなくちゃ!
少女悪魔憑きものとしてのお約束、家庭内の不和から始まり、少女のか細いメンタル、親の身勝手な生活(でも攻められない)もキチンと描かれてるし、罪のない人が悪魔に
『ホラー・シネマ・パラダイス』 感想
スター女優になれなかった惨めな映画館支配人が、やがてスターを夢見て輝いていく映画。
ジョン・ウォーターズが絶賛!
というコピーを見て、なるほど、と思った。鑑賞中、チラチラと『セシルB・ザ・シネマウォーズ』のことを思い出していたからだ。あと、ジョン・ウォーターズ作品常連のミンク・ストールが出てるし。
2010年にアメリカで作られたインディーズ映画なのだけれど、大変面白かったです!
幼いデボラは
『スプライス』感想 ※ネタバレあり
新しい生き物を人類の手で創造しようとしていた夫婦があらゆる一線を越えまくる映画。
『CUBE』で鮮烈デビューを飾ったビンチェンゾ・ナタリ監督。
未知なる生物が跋扈する閉鎖された空間、という前半のみのイメージを掬って、日本の映画会社は完全に『エイリアン』と同じ路線の宣伝イメージで飾ってきました(『スピーシーズ』も同じ路線)が、その内容はまるで違う。
強いて似てるところを上げるならば、男性器
『パンズ・ラビリンス』感想 ※ネタバレあり
女の子が夢を見る映画。
大傑作。
全ての登場人物、アイテム、設定のどれもが、物語を語る事に機能している。
何度も観れば観るほど発見のある素晴らしい作品。
物語は、ファシスト体制に揺らぐスペイン内戦を舞台にしている。
主人公オフェリアの義父、ヴィダルはファシスト政権の大尉であり、家庭内でも軍でも冷酷で横柄で傍若無人で嫌な感じ。
で、年頃の娘さんであるオフェリアがそんな環境に我慢でき
『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』感想
親友の結婚式をプロデュースする女性がやることなすことうまくいかない映画。
女性達の、嫉妬や友情や見栄や信頼や絶望や罵詈雑言がスクリーン上を楽しく彩る。
女性版ブロマンス映画に相応しい友情の物語でした。
ジャド・アパトーが製作なのである程度の下品さは受け入れるつもりだったのですが、前半のドレス試着シーンは心底ビックリした。
思いも寄らないところから思いも寄らないシーンが紡ぎ出されると
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』感想
ドラッグで自分を高揚させた男が株で成り上がっていって逮捕される映画。
ド最高でした。
個人的に映画、スクリーンで観たいものの殆どが詰まっていました。
2014年に観た映画でベスト2。
(ベスト1は『ゴーン・ガール』)
下世話すぎるパーティシーン一つとっても、巨匠スコセッシの手にかかれば格調も一つ高くなり、フロアを埋め尽くす人々の顔もしっかりと抑えていて「今このシーンで何が必要か」が観てる
『エクソシスト3』感想
連続殺人犯を刑事が追う映画。
長年、DVDが廃盤のままで、Amazonなどでもプレミアム価格が付いていて、観たくてもなかなか観られなかった傑作が、とうとうBlu-rayで再販されたのです。感謝。これでみんな観られるね!
傑作『エクソシスト』の原作者であるW.P.ブラッティが、自ら脚本を書き、メガホンを取った一本。
ブラッティという作家は、とにかく神とは、悪魔とは、という問題を描くことに心血を
『キョンシー』感想 ※ネタバレあり。
キョンシー作る上での約束守らなかったからウギャー! って映画。
あの大傑作『霊幻道士』シリーズの現代リブート作品。
正直、満点つけてますけど、これは、キョンシー&道士もの、が故の加点+2です。
キョンシーでも道士でもなけりゃ、満点つきませんよ、こんな映画。
と、いうのも、この作品、監督が俳優件歌手であり、今作がデビュー作という特殊な状況からなのか、演出がとにかく変、なのです。
見せたい
『ナイトクローラー』感想
一人のパパラッチが夜を駆ける映画。
観る前に、Twitterの感想で、「主人公のルーは、まるで吸血鬼のように見える」というものがあり、それだけを情報として後は何の知識も入れないまま観たら、本当にその通りで吃驚した。
主人公のルーは、何を考えてるか全くわからない。
彼の話す言葉は、全て、「ネットで得た知識」である。
彼の行動理念も主張も全てが、他の何処かの誰かの言葉そのまま、であり、彼自