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『エクソシスト3』感想

連続殺人犯を刑事が追う映画。

長年、DVDが廃盤のままで、Amazonなどでもプレミアム価格が付いていて、観たくてもなかなか観られなかった傑作が、とうとうBlu-rayで再販されたのです。感謝。これでみんな観られるね!

傑作『エクソシスト』の原作者であるW.P.ブラッティが、自ら脚本を書き、メガホンを取った一本。

ブラッティという作家は、とにかく神とは、悪魔とは、という問題を描くことに心血を注いでおり、『エクソシスト』で描かれた悪魔憑きの描写を更にハードに展開させて行く。

『エクソシスト』で悪魔がとり憑いたのは、成長期で家庭が不安定な少女であったが、今回は、病人に悪魔は目をつける。
しかも、精神病患者に、である。
これは相当危険な事のように思えるが、そもそも悪魔憑きの歴史を紐解いていくとそこは避けて通れない道なのだ。
日本だって犬神憑きや狐憑きと言った言葉が残っている。

つまり、常識の範疇を越えた場所にこそ、神も悪魔もいるのである。
ブラッティは原作『エクソシスト』でもその辺の事を長々と書いていたのだが、映画に盛り込むには尺が足りずカットされていた。
だから、自分で新たに撮る事にしたのだ。
常識で考えられない程の残酷な連続殺人が起こった時、人は何を考えるのか、が実に恐ろしく描かれているのである。

そしてこれは、ブラッティがやはり監督した名作『トゥインクルトゥインクルキラーカーン』とはっきりと対をなしている。

同じく精神病院を舞台にしたこちらの作品では、神の存在について、なんとコメディ映画のノリで描いているのだ。
もっとも、ビジュアルと物語がが強烈すぎてコメディ映画としては大失敗してるのだけれど、傑作には違いない。

勿論話の内容上、キリスト教に少しの知識があると更に楽しめるが、無くてもホラーサスペンス映画として大傑作。
とにかく怖いよ!

必見!

#映画 #映画レビュー

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