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【ライオンのおやつ】〜読書記録〜

大好きな小川糸さんの新刊だからと去年買ったものの
なかなかそういう気分になれなくてずっと手つかずだったのだけど

なんとなく今かなという感じがして
金曜日の夜に読み始めたら一気に世界に入りこんでしまって
それで今日
号泣しながら読み終えた

しゃくりあげるくらい
号泣した

それは悲しみとか感動の号泣とはちょっと違う
じんわり 優しい 愛の号泣なのだ

こんなに優しい世界があるなんて

小川糸さんの小説はいつもそう思わせてくれる

本のおびに、「作家・小川糸の真骨頂」って書かれていたけど
まちがいなくこれは彼女の真骨頂だ
ものすごい一冊だと思う

研ぎ澄まされた小説的技術と言葉と愛の絶妙な融合とでもいったらいいのか…
(語彙力ない人が頑張ると迷走するからもうやめとこ…w)


今までの作品も大好きだったけど
ここまでぶっちぎりに心を揺さぶられたのは初めてだ
読み手のわたし自身が人生の後半戦にさしかかってきて
だんだんと「死」を意識するようになってきた
ということもあるのだろうけれど

ぶっちぎりに心を揺さぶられたのに
とてもとても温かくて優しい
柔らかい毛布にふんわりと心を包んでもらったような
じんわりぬくもりを感じるのだ

死が
辛く恐ろしいものではなく
温かい愛のある優しいものなんだと思える
愛おしい寂しさのようなものなんだと
恐怖を抱く必要はないんだよと言ってもらえたような気分

思いっきり不幸を吸い込んで 吐く息を感謝に変える

なんてすごい言葉なんだろう…
この言葉の意味を本当に体得したときにやっと心が開放される境地…
なんてすごいんだろう
もうため息しか出ない

人生には、何回でもおかわりしていいことと、そうではないことがあるんだということが、わかったのだ。
一度火が灯ったら、自然の流れに逆らわず、燃え尽きて消えるのを待つしかないんです。
生きることは、誰かの光になること。
自分自身の命をすり減らすことで、他の誰かの光になる。そうやって、お互いにお互いを照らし合っているのですね。

小川糸さんが紡ぎ出す言葉の一つ一つが
深くて深くて
味わい深くてたまらなくなる

心に響いて響いて涙が止まらなくなる

身体と心と世界と宇宙が優しく繋がってる
そんな気がしてくる

生きてる生かされてる毎日って素晴らしい
ままならないことも増えてくる
少しずつ老いてゆく身体も愛おしい
いつか終わりがくるその時まで
ちゃんと大切にしたい

小川糸さんからものすごいプレゼントを受け取った気分になる

誰かの小説を読んでそんな気持ちになったのは初めてで
びっくりしてる

一人っきりでじっくり味わってもらいたい一冊です
読み終わるまで完全に一人で世界に浸るのが最高の一冊です

カフェで読むとやばいかもしれないよっとww

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