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🌎【白い雲通信:春の兆し ジェンダー平等の未来】「ニュージーランド首相辞任 アーダーン氏の決断」

 茅ヶ崎方式季刊LCT・編集委員の飯竹恒一です。今回は3月のオンライン講座「元記者と挑む生ニュース 2023冬 オンライン講座Ⅲ 分詞表現へのいざない」のご紹介です。https://chigasaki2023winter03.peatix.com/view

1月に首相を辞任したニュージーランドのジャシンダ・アーダーン(Jacinda Ardern)氏(42)は、首相就任後に妊娠を発表し、国連に「子連れ出席」したことで話題となりました。辞意表明会見では、自身や政治家はあくまで「人間」(human)だと生身の人間としての本音を口にし、最善を尽くした末に「潮時が来た」(it’s time)と言い切りました。犠牲になってきた家族への熱い思いも交えた印象的な「引き際」でした。

国連総会の関連会議に長女ニーブちゃんと一緒に出席したことは、スタンドプレーと言われかねないところでしたが、将来に向けた社会や政治のあるべき姿を、自らの行動で示す勇気ある行動だったと評価する声が世界中から寄せられていました。

乱射テロを受けた銃規制強化や、厳しい外出制限を軸とする新型コロナウイルス対策などの懸案に奔走してきた5年余の政権に、自らの強い意志でピリオドを打ったことは、女性の政治参加を考えるうえで、改めて大きな波紋を呼んだと言えるでしょう。

政治家は日本を含め、一線を退く可能性を口にしただけでその政治力や存在感が急降下するのが世の常でしょう。しかし、アーダーン氏について、ニュージーランドのマッセー大学のリチャード・ショー教授(政治学)は今回の辞任で「政治的資産が増した」(even more political capital for her)とメディアで発言していました。このタイミングで身を引いたことが、逆に将来の可能性に道を開いたという指摘でしょう。国政や国際舞台で改めて活躍する余地はいくらでもありそうです。

まずはこれまで結婚を延期してきたパートナーと正式な結婚に踏み切るそうで、親子3人で幸せな日々を過ごす計画のようです。まだ42歳。しっかり充電したうえで、ジェンダー平等をさらに推し進める一歩を踏み出してほしいと思います。

今回の講座では、アーダーン氏のそんな生き様の一端に触れながら、分詞表現をじっくり読み解いたうえで、英文ライティングで積極的に生かすスキルを共有します。春の兆しを感じつつ、ジェンダー平等の将来像を展望する機会にしたいと思います。(飯竹恒一)

「通訳・翻訳WEB」掲載
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