中核派

つまるところの仮想恋愛ゲーム

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最近の記事

『悪は存在しない』と『ドライブ・マイ・カー』

 濱口竜介監督の作品を立て続けに2本見た。一本目が『ドライブ・マイ・カー』で2本目が『悪は存在しない』である。まず、日本の現代邦画界に産み落とされた濱口隆介という才能の存在を祝せずにはいられない。これほどまでに作りこまれた脚本のテクストをかける人物は日本に存在しなかった。それは監督の作品がことごとく海外の映画祭で受賞していることからもわかることである。『ドライブ・マイ・カー』での車内の会話シーンは私に村上春樹を初めて読んだ時のようなみずみずしくそれでいて悲しみをたたえているよ

    • 手前の人生語り合う会したい

      • スラップスティック'95

        ごちゃごちゃと無意味なことばっかり考えてしまう。文学で人とつながるなんて無理なのかもしれない。そもそも露悪と後悔と情念しかなくてカタルシスに消化できていない時点でおれの文学なんて方がしれているよ。一体どうやってカタルシスを発生させればいいんだ、!全くわからない!最近ネットで知り合った中国人の女の子と会話をしている。その子は日本語がとてもうまい。中国に来てほしいと言われているのでいっそ爆速で行って初めての海外旅行を達成しようかという気でいる。こんな矮小な考え方だけはあまりしたく

        • 軽さの中にも香りが仁王

          精神科医やカウンセラーからの反応渋くても「あなたはこれが仕事なんだから堪えておくれや」みたいなメンタリティでいたら相談することが辛くなくなった  きみも明日からおとうさんとやってみよう 現実の女性ってこんなにみんなが皆可愛いんだなという認識に完全に突入した  ちなみに現実の男性で格好いいと認識したのは 今現在ケイゾクの渡部篤郎のみである 無果汁団の新譜をアルバム単位で聴いて いやこのサブスク隆盛時代にアルバム通し聴きなんてセンスねえなという感情を 全部撤回した CH

        『悪は存在しない』と『ドライブ・マイ・カー』

        マガジン

        • 作品・感想集
          4本

        記事

          新約・自己受容の季節(短歌集)

          眠りきな灯りの消えたキッチンの日東紅茶と君の髪留め 片耳でさびしさは鳴るテーラードの灰の裾から血は吹き出すの 浮ついた噂は沈む私をモリで一突き死海は4℃ 陸橋の右端に立ちて感じたり東に登る死への予感を わたしにならどんなことでもしていいよ痛点だけで空っぽなのさ ソクラテス我々むちな哲学者手足を振ってよだれを垂らす 猫は空近く近くオリオンをみた、ばかだったね、と咎人の冬 きみどりのモヒカンつけた野良猫をなでてたいから今日はおやすみ 次の次に尾崎豊を入れていたそれ

          新約・自己受容の季節(短歌集)

          砂漠にて叫ぶ

           僕はずっと大丈夫ではない。  何はともかく、本当にずっと大丈夫ではない。  市役所に行けば証明書を忘れるし、図書館に行けば学生証を、バイトに行けば携帯を忘れる。人の言っていることがわかっていないし、いつまでも自動車学校の予約を入れていないし美容院の予約も入れていないし、友達いないし彼女も3ヶ月いないしサークルには行けていないし酒のんだらすぐ寝てしまうしタバコ吸っているし、、、  はやく大丈夫になりたい。  大丈夫になるというのは僕にとって非常に難しいことである。  そ

          砂漠にて叫ぶ

          2023年のアルバム

          1.フィッシュマンズ「宇宙 日本 世田谷」 ダブミュージックと呼ばれる音楽の最高峰かとおもわれるのですが。ギターの奏でる音色、音と音との合間が本当に気持ちいいし、曲と曲の間も本当に気持ちいい。すべてが気持ちいい。音楽は音と空間でできている。音だけでなく、空間を把握した音楽というものは神の領域に達すると思う、 2.Leave Yourself Alone 「Leave Yourself Alone」 まずインディーズの音じゃない。「Race car driver」は男女

          2023年のアルバム

          ゲロの話(24/01/05)

          ※ゴア描写あり閲覧注意 今、つくばへ向かう途中、東京行きの新幹線で少し記事を書こうと思う。  昨年末にもらった頓服の精神薬が切れてきた。もしかしたら次回の通院まで持たないかもしれない。  昨日は帰省で唯一友達と遊んだ日だった。  中学の友人のリクエストでやったこともないパチンコに行き、何一つアツい演出もないまま速攻で1000円をスって終わった。おそらく、ぼくは今後2度とこれをやらないと思われる。賭けたお金が無くなった後は暇だったし友達のパチ観も別にしたくなかったので、休憩

          ゲロの話(24/01/05)

          おいていかないでよ(恋・愛・論)

           教室へ行く道の途中で、みすずとすれ違った。僕は手を上げて彼女に合図をすると、彼女は僕に気づいてうつむいて暗かった表情が少し澄んだ。 彼女はスターバックスの紙コップを持っていた。 風が吹いて、残酷なほど雲一つないくすんだ青は再び輝き出した。僕たちは図書館の前にある錆びた鉄のベンチに座った。 最初になにか言いたげな様子で彼女がこちらを向き、持っていたコップが少し潰れて、それから少し経って口を開いた。 「最近見なかったね」と彼女はいった。 「最近サークル行けてないから、バ

          おいていかないでよ(恋・愛・論)

          北野武「首」

           テスト期間が終わったのが数日前で、それは非常につらい3日間であった。毎日10時間くらい勉強してもなお足りなかった。気を取り直して帰省前に映画を一本見ることに、北野武映画を一度見てみたかったのでこれをガラガラの劇場内で鑑賞。そもそも上映終わりかけでこの日は1回の上映で終わりだったのです。北野武と言えば「アウトレイジ』のイメージがある。演戯は男優に大立ち回りと言った、ザ・芸能界な映画で、それは前作のテーマが任侠者だったということもあっていい方向に作用しているな、と思っていたので

          北野武「首」

          究極的に小さい場所で逡巡する

          全てに対して強烈な劣等感が頭をもたげる。文が書けなくなるような発作が起こってしまった。

          究極的に小さい場所で逡巡する

          文学に接続するか文学をつくるか

           かねてより僕は「文学に接続したい』と本気で思っている。『文学に接続する」とは、小説や短歌を作っているもの同士のコミュニティに属したいと言う意味である。要は、僕は小説を書いているので同じくらいの年齢の小説を書いている若者と色々話せる友達になりたいのである。これが僕にとってどれほど難しいことなのかと言うと、それはまるで砂漠の中から1箱の煙草を探すようなものなのだ。そもそも僕は現実の友人には小説を書いているなんてことは口が裂けても言わないタイプであり、最近はもはや小説すら書いてい

          文学に接続するか文学をつくるか

          ill bone

          ふたりを繋ぐ 秘密の光 あの日見つけた 秘密の光 恋の瞬間 時は止まって 時間はスローリーに 恋の光線 二〇ニ三年十二月十五日、私は六日ぶりに七時に起床したにも関わらず、普段と同じようにつくば市立図書館の三つごとに分けられたくすみきった青色のベンチに座って、小説を読んでいた。しかし本来大学生が読んでいるのは何の類の本だろう、今手に持っているこれが観光雑誌であるならそれはウェルベックの小説の主人公のようで、というか雑誌は僕は実際ほとんど読まないのであり、はたまた詩集であるなら

          シュバンクマイエル「アリス」感想兼・日記

           世間一般の大学では秋入学の季節になった。私は大学で映画製作サークルに所属しているのだが、秋入学に向けて新歓活動が行われたのが功を奏し、新入生が数多く次回のミーティングに見学に来ることになった。彼らはインスタグラム等のSNSで次回の都合に参加したい旨述べてきたようであるが、そのアカウントの投稿を見ると皆制作した映像作品が並んでいる。個人で完成させた映像作品に乏しい僕は、これは後々映像の技術を最初から持っていた人にサークルが支配されて、僕の居場所がなくなってしまうのではないか?

          シュバンクマイエル「アリス」感想兼・日記

          恐らくもう詠まないであろう自作アレ'23(短歌集)

          竹中直人の放送禁止テレビ流れたら朝が来るらしい 最高の休日アスファルトに唾死ぬように生き死ぬように死ぬ 大学の物書き人は皆すべて透いていましたわたし、笑えるわ テレビを買った部屋に意味不明な文字が弾けて光って腹痛 低気圧子供番組レモン水透いた感性手練れのハート 張り詰めた恋する糸を自転車で引き摺って対向車線にバーン 鼻水が出るから灰色 非梅雨性頭痛 二度寝 除湿のタイマー 片耳で「渚にまつわるエトセトラ」まで流れたの冷えた足先 ブルーノートなんて私知らないけど

          恐らくもう詠まないであろう自作アレ'23(短歌集)

          帰属意識を分離する兵器としての「変貌するテキスト」

          フンフン波大学生の書く文章って劣化した内向の世代みたいな作品しかない。具体的には寝て、起きて、食べて、何かが来てまたは何かを忘れていることに気付いて(ノ∀`)アチャーみたいな日記文しかない。あとはジュブナイル崩れみたいなガールミーツ作品とか。ダメライフ同好会が嫌いだ。千差万別のダメライフを当事者みづから差別する試みであるので。みんな違ってみんなダメである。自己盗用ははたから見ると滑稽だと思う。しかし舞台装置として使うのは面白い可能性がある。 最近読んであった本に書いてあった

          帰属意識を分離する兵器としての「変貌するテキスト」